「中学校技術/材料と加工に関する技術を利用した製作品の設計・製作」の版間の差分

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学生の読者のかたが、加工作業を行う場合は、安全のため、教員などの指導者に確認をしてください。教員などに、作業内容の妥当性や、作業手順の妥当性を確認するようにお願いします。ウィキブックスには免責事項があり、本書は、作業手順の安全性を保証しません。ページ末尾などにある免責事項へのリンクから、免責事項を、お読みください。
 
== 接合方法 ==
;木材の接合
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* マイナスドライバの例
[[Image:Yellow-flathead-screwdriver.jpg|400px]]
 
 
=== ねじ切り ===
[[Image:ThreadingDies.jpg|thumb|200px|ダイス]]
[[File:Schneideisen.jpg|thumb|200px|ダイスをダイス回しに取り付けた状態。]]
[[Image:ThreadingTaps.jpg|thumb|200px|タップ]]
[[Image:Tap and T-wrench.jpg|thumb|150px|T型タップホルダー]]
 
 
 
棒材からねじを作るための工具として、タップやダイスという工具がある。
'''ダイス'''がおねじを削りだす工具であり、'''タップ'''がめねじを削り出す工具である。
 
タップは折れやすいので注意すること。加工途中にタップが折損すると、工作物の中に折れたタップが残ってしまい、工作物とタップを使えなくしてしまう。
 
ダイス回しには、ダイス固定用ねじがある。
 
* おねじの切り方
ダイスを用いる。削る棒材の先端は、あらかじめ面取りをして角を削っておく。
# まず、材料の棒材を万力に固定し、棒の部分が垂直に出るように固定する。
# ダイスを取り付けるでは、刻印面が見えるように、水平に取り付ける。
# ダイスを水平のまま、右に回すとねじが削られ始める。
 
;注意
ダイスで削るときは、ダイスを水平にしたまま削る。もし斜めになったら、逆回転させて、無理なく水平に戻せるまで逆回転してから水平に戻す。
 
# ダイスがまわりづらくなったら、逆回転をしてダイスを戻す。逆回転して切りくずを出す。ときどき切削油を加えながら、ゆっくりと右に回して削る。
 
 
* めねじの切り方
タップを用いる。
# まず、めねじを作りたい材料にドリルなどで下穴をあける。下穴は、まっすぐあける。下穴が斜めだと、修正は不可能に成る。
# 万力で、下穴が開いた材料を、下穴の方向が万力に対して垂直になるように固定する。
# タップ回しにタップを取り付ける。
# タップを下穴にまっすぐ当てて、ゆっくりと右に回して削り始める。
 
;注意
タップで削るときは、タップを垂直にしたまま削る。もし斜めになったら、逆回転させて、無理なく垂直に戻せるまで逆回転してから垂直に戻す。
 
# タップがまわりづらくなったら、逆回転をしてタップを戻す。逆回転して切りくずを出す。ときどき切削油を加えながら、ゆっくりと右に回して削る。
 
 
 
* めねじの下穴径。メートル並目ねじの下穴径。
目安は以下のとおり。
:M2ねじ、下穴径 1.6
:M3ねじ、下穴径 2.5
:M4ねじ、下穴径 3.3
:M5、下穴径 4.2
:M6、下穴径 5.0
:M8、下穴径 6.8
:M10、下穴径 8.5
:M12、下穴径 10.3
 
M2やM3などのMは、ねじの種類を表し、メートルねじを表している。M2やM3などの2や3といった数字は、ねじの直径を表している。
ねじの径は、おねじの場合は外径で、めねじの場合は、谷の径である。
 
{{clear}}
== リベット接合 ==
リベットとは、2枚以上の板を接合するときに、板に開けた穴(「'''リベット穴'''」という。)にリベットをとおしてから、リベット先端をハンマで叩いて広げることで抜けないように固定する、締結(ていけつ)のための道具である。
 
[[File:Fallo roblones.png|thumb|left|300px|リベットによる接合の概略図]]
 
<gallery widths=100px heights=100px>
File:Rivet-1.jpg|リベット先端を、ハンマで広げる前のリベットの概略図
File:Rivet-2.jpg|リベット先端を、ハンマで広げた後のリベットの概略図
ファイル:Rivet01.jpg|リベット(丸頭)
</gallery>
[[File:Round Head Rivet.JPG|thumb|200px|リベットの図面(丸頭)]]
 
リベットを叩くときは、まずハンマの平らな面で叩き、終わりのほうの仕上げではハンマの丸いほうで叩く。
 
頭部の形状による分類では、
*丸頭 - 半球形
*平頭 - 円盤状
*皿頭(沈頭鋲)- 表面側が平で根元が円錐形
 
== はんだづけ ==
* 接合の順序
# まず、接合する部材の表面の油やサビや汚れを拭き取る。
# 接合する部分に、はんだ用の'''フラックス'''という融剤を塗る。フラックスを塗る理由は、あとで溶かすハンダを流れやすくするためなど。
 
 
* 高温に関する注意
はんだごては熱くなるので、取り扱いには注意する。(やけどや火災などに注意。)コテを置くには、専用の「こて台」を用意する。こて台がない場合は、ハンダを使わないべきである。こて台の準備は、はんだを通電する前に、事前に行うべきである。
はんだごては、しばらく使わない時は、安全のため、電源を抜き、電源を切るべきである。電源を抜いても、しばらくの間は熱いので、注意する。
 
 
* 材料の注意
過去にハンダの材料として多く使われた材料の鉛(なまり)は、人体に有害であり、環境問題にもなる。現在では、鉛を用いない、害の少ないハンダが開発されている。鉛を用いないハンダを'''鉛フリーはんだ'''、あるいは'''無鉛はんだ'''などという。
はんだには、なるべく無鉛はんだを用いるべきである。
 
== 接着剤による接合 ==
接着剤の製品の説明書などにある使用上の注意を、確認してから接着剤を使ってください。
 
;注意。 作業中および作業後は、換気をすること。
接着する材料によって適した接着剤の種類が異なる。接着剤を用いる場合は、部屋の換気を行う。換気は、接着の作業中は換気をするべきだし、作業後の接着剤のかたまりきるまでのしばらくの間も、換気を続けること。特に、接着剤が揮発性の成分を含む場合には、きちんと換気を行う。
場所が、換気が行えない施設の場合は、そもそも接着作業を行うべきではない。
 
;注意。 接着剤が目に入らないように注意のこと。
もし目に入ったら、すぐに指導教員などに連絡してください。応急処置の仕方は、製品にもよるが一般的には、大量の水で洗い流す。接着剤を開封するときなどに、液が飛び出す場合などがある。
 
 
接着剤が手についたら、あとで、きちんと水で洗ってください。
 
接着剤を容器から取り出し終わったら、フタを閉める。閉めないと接着剤が内部で固まってしまう。
 
* 木材どうしの接着
:酢酸ビニル :いわゆる木工用ボンドであり、白色の接着剤である。
:エポキシ系 :硬化剤を混ぜると化学反応して固まる性質がある。あらかじめ硬化剤が配合されている場合もあり、その場合は、空気に触れると反応が始まるようになっていたりする。
 
木材の接着をする場合は、'''クランプ'''や'''はたがね'''を用いて、木材を固定する。
 
* そのたの材料の接着
** エポキシ系 :硬化剤を混ぜると化学反応して固まる性質がある。あらかじめ硬化剤が配合されている場合もあり、その場合は、空気に触れると反応が始まるようになっていたりする。<br>(参考:エポキシ樹脂を主成分とする。エポキシ樹脂とは、組成は種々のものがあるが、最も代表的なものはビスフェノールAとエピクロルヒドリンの共重合体である。また硬化剤としては種々のポリアミンや酸無水物が使用される。エポキシ樹脂の成分や組成については、中学の技術科では、まだ覚えなくて良い。)
** 合成ゴム系 :合成ゴムを作る際の化学反応を応用し、接着剤として応用したもの。さまざまな種類がある。使用上の注意などは、接着剤の取扱説明書を、お読みください。
** シアノアクリレート系 :いわゆる瞬間接着剤である。接着力が、かなり強いので、皮膚への付着などに注意する。接着の原理は、接着剤が空気中の湿気と化学反応して硬化する仕組みである。<br>(参考:成分は、2-シアノアクリル酸エステルモノマーを主成分とする接着剤である。シアノアクリレートの成分については、中学の技術科では、まだ覚えなくて良い。)
 
 
== 塗装 ==
;注意。 作業中および作業後は、換気をすること。
保健体育などでシンナーの人体の害について習うように、揮発性の成分は人体に害があるので、換気をおこなう。換気を行う。場所が、換気が行えない施設の場合は、そもそも塗装作業を行うべきではない。
 
;注意。 塗料には引火性があるものもある。火気は厳禁である。
 
塗料を容器から取り出し終わったら、フタを閉める。閉めないと塗料が内部で固まってしまう。
 
* 木材への塗装
# 必要に応じて、塗装したい面を、研磨紙(いわゆる「紙ヤスリ」)で磨く'''素地磨き'''(そじみがき)をする。研磨紙は番号が大きいほど目が細かい。
# 木材への塗料のつけかたは、「はけ」(刷毛)を用いた'''はけ塗り'''(はけぬり)が一般である。
 
* 金属への塗装
# 必要に応じて、塗装したい面を、研磨紙(いわゆる「紙ヤスリ」)で磨く'''素地磨き'''(そじみがき)をする。研磨紙は番号が大きいほど目が細かい。
# 塗装したい面を、洗浄用のアルコールなどを染み込ませた布や紙などで拭き、洗浄する。皮脂などの油分が残っていると、塗装をはじいてしまうので、油分が残らないようにアルコールやベンゼンなどで洗浄する必要がある。
# はけ塗りの他に、スプレーを用いた'''吹付け塗装'''(ふきつけとそう)や、'''ひたし塗り'''(ひたしぬり)などがある。ひたし塗りとは、塗料を入れた容器の中に工作物を入れることで工作物を塗装する方法である。