「中学校理科 第1分野」の版間の差分

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冒頭に「諸注意」として、理科の実験では危険な物質も扱うことや、自主実験では学校教員の許可をとることを指示。
中学校技術/エネルギー変換機器の仕組みと保守点検 2013年10月21日 (月) 15:27‎ より回路図の記号について引用。
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電池と抵抗だけをつないだ簡単な回路図は
:[[画像:jun_high_sci_simple_circuit.svg]]
で与えられる。回路の中では各点でその点を流れる'''電流'''と'''電圧'''が決まる。(それぞれの意味については後述)一般に[[w:電池]]はその電池の中の物質の性質によって定まるある電位差を電池をつないだ地点に与える。(詳しくは[[高等学校化学]]を参照。)
導線などの導体内の電気の流れおよび、その流れている電気の量を'''電流'''という。電流の強さの単位は、'''アンペア'''という単位で表す。アンペアの記号は A で表す。
:<math>\frac{1}{1000}</math>Aのことを1ミリアンペアといい、ミリアンペアの単位は[mA]で表す。
 
'''電池'''というのはそもそも何であろうか?電池(電源)を省いて回路を作ったとしても何も起こらない。例えば輪っかのようにため池を作っても、エッシャーの滝のように水が急に流れだすことはなく、止まったままである。だが、池に高低差を作って、低い方から高い方へポンプで水を送ってやれば、水は自然と流れだすことになる。このポンプの役割をするのが電池であり、水の高低に対応するのが'''電位'''(でんい)である。また、高低の傾斜をきつくすれば水の流れる勢いも速くなるが、同じように電位の高低差のことを'''電圧'''(でんあつ)と呼ぶ。
 
回路に電流を流す、働きの大きさのことを電圧という。一般に[[w:電池]]の電圧は、その電池の中の物質によって定まる。電圧の単位は'''ボルト'''といい、記号はVで表す。(詳しくは[[高等学校化学]]を参照。)
このことによって、上の回路中で電池の両端に電位差があることが分かった。更に、一般に、電池については陽極がより電位の高い方とする。さて、このとき回路図中の2点についてその2点が異なった電位を持っていることが分かる。上の回路中でも電位差があるので電位が高い点から低い点へと電流が流れるが、この際に''電気抵抗''(でんきていこう)を通過するため、ここで電圧降下をおこす。電気抵抗は導線と比べて「電気の流れにくい場所」と理解することが出来る。その場所を電流が通ることで熱が発生し、また電流が勢い(=電圧)を失う。このことによって回路中に異なった電位があることと整合的になるのである。ここまでの話では、電圧降下の量が電気抵抗の性質によって変化し、電位の差を埋めるのに十分でなくなるように思えるかも知れない。しかし、このような場合には常に、抵抗の値と合わさってちょうど電位差を埋めるように対応する電流が流れるのである。回路中の電位についてより(詳しくは[[高等学校理科 物理I]]を参照。)
:<math>\frac{1}{1000}</math>Vのことを1ミリボルトといい、ミリボルトの単位は[mV]で表す。
 
:参考 このような電池の電圧を'''起電力'''(きでんりょく)という。起電力は、電池内の物質の種類によって、一定に定まる。電池内の物質の量には影響されない。物質の種類によって、起電力が定まる。
たとえば、家庭用のマンガン乾電池1個の電圧は1.5Vである。
歴史的には、乾電池の発見と発明によって、一定の電圧で回路に電気を送り続ける定電圧源が人類の手に入るようになり、電圧と電流とを明確に区別することができるようになった。
 
では、'''電池'''や'''電圧'''というのは、そもそも何であろうか?
'''電池'''というのはそもそも何であろうか?電池(電源)を省いて回路を作ったとしても何も起こらない。例えば輪っかのようにため池を作っても、エッシャーの滝のように水が急に流れだすことはなく、止まったままである。だが、池に高低差を作って、低い方から高い方へポンプで水を送ってやれば、水は自然と流れだすことになる。このポンプの役割をするのが電池であり、水の高低に対応するのが'''電位'''(でんい)である。また、高低の傾斜をきつくすれば水の流れる勢いも速くなるが、同じように電位の高低差とをそが'''電圧'''(でんあつ)と呼ぶの正体である
 
このことによしたがって、上の回路中で電池の両端には、かならず電位差があることが分かった。更に、一般に、電池については陽極がより電位の高い方とする。さて、このとき回路図中の2点についてその2点が異なった電位を持っていることが分かる。上の回路中でも電位差があるので電位が高い点から低い点へと電流が流れるが、この際に''電気抵抗''(でんきていこう)を通過するため、ここで電圧降下をおこす。電気抵抗は導線と比べて「電気の流れにくい場所」と理解することが出来る。その場所を電流が通ることで熱が発生し、また電流が勢い(=電圧)を失う。このことによって回路中に異なった電位があることと整合的になるのである。ここまでの話では、電圧降下の量が電気抵抗の性質によって変化し、電位の差を埋めるのに十分でなくなるように思えるかも知れない。しかし、このような場合には常に、抵抗の値と合わさってちょうど電位差を埋めるように対応する電流が流れるのである。回路中の電位についてより(詳しくは[[高等学校理科 物理I]]を参照。)
 
電池を2つ縦に並べるようなつなぎ方を、[[w:直列]]接続(ちょくれつせつぞく)と呼ぶ。
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E = IR
</math>
で与えられることが知られている。ここで、E[V]は抵抗の両端の電位差で単位[V]は[[w:ボルト]]と読まれる。また、I[A]は抵抗を流れる電流値で
 
単位[A]は[[w:アンペア]]で与えられる。更に、R[<math>\Omega</math>]は、抵抗の大きさを表わす値であり単位[<math>\Omega</math>]は、[[w:オーム]]と読まれる。
また、I[A]は抵抗を流れる電流値で、電流の単位[A]は[[w:アンペア]]で与えられる。
 
単位[A]は[[w:アンペア]]で与えられる。更に、R[<math>\Omega</math>]は、抵抗の大きさを表わす値であり単位[<math>\Omega</math>]は、[[w:オーム]]と読まれる。
上の式は電圧と電流の関係を表わす式であり発見者の名前にちなんで[[w:オームの法則]]と呼ばれる。オームの法則は実際には一種の近似式であるが、
特に通常の温度では多くの材質に対してオームの法則が成り立つため、よく用いられる。
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)
-->
 
=== 回路図の図記号 ===
記号はすべてを覚える必要はないが、最低限、固定抵抗器と乾電池、豆電球、スイッチ、電圧計および電流計、接続している交点と接続していない交点との区別、などは覚えてもらいたい。
 
<gallery>
ファイル:固定抵抗器.svg|固定抵抗器
File:Variable resistor as rheostat symbol GOST.svg|可変抵抗器
 
ファイル:電池.svg|電池、直流電源(長い方が正極)
File:Voltage Source (AC).svg|交流電源
 
ファイル:SPST-Switch.svg|スイッチ
 
ファイル:コンデンサ.svg|コンデンサ
File:Inductor h wikisch.svg|コイル
 
File:Symbole amperemetre.png|電流計
File:Symbole voltmetre.png|電圧計
File:Earth Ground.svg|接地
 
File:3wayswitch.svg|3極スイッチ
File:Symbole moteur.png|モータ
 
File:Wire Junction.svg|接続している交点
File:Wire Cross.svg|配線が接続せず、十字状に重なっているだけの場合。
 
File:Symbol Visual indicator1.svg|電球
ファイル:Fuse.svg|ヒューズ
</gallery>
 
 
;電流計や電圧計
電流を測る計器を電流計(でんりゅうけい)という。形状や使い方は、学校教科書などを参考にしてください。
 
電圧を測る計器を電圧計(でんりゅうけい)という。形状や使い方は、学校教科書などを参考にしてください。
 
電流計や電圧計は、つなぎ方を間違えると、故障する場合があります。
 
;陰極線
[[Image:Crookes tube two views.jpg|thumb|300px|陰極線管(上)と、放電のようす]]
放電管に、高い電圧をかけると、回路が導線でつながってなくても電気が流れることがある。このような現象を放電(ほうでん)という。
歴史的には、真空放電管の実験で、マイナス側の陰極から、なにか(これは電子の線である。)が放射されるのが発見された。
なので、陰極から出る電子の線は、'''陰極線'''(いんきょくせん)と呼ばれる。
また、この実験から、電子は負の電荷をおびていることが、人類に分かった。
 
(※注意
:陰極線の実験は、高い電圧を用いるので、危険な実験です。なので、学生のかたは、実験をしないほうが良いと思います。)
 
 
===電流の利用===