「高校生活ガイド」の版間の差分

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大学受験の話題に関連し、いわゆる大卒就職での「学歴フィルター」について記述。
進路について、大学進学以外の短大や専門学校の進学について記述。
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高校生にも、進路について説明をする能力が必要です。たとえ自分の希望する進路が保護者に通らない場合があるとしても、その場合でも論理的に自分の希望進路を伝え、保護者との妥協点をさぐる能力が高校生には求められるのです。
 
== 大学そもそも進学するべきか? ==
=== 大学受験で浪人進学するべきか? ===
*国家資格などを取りやすくなる。
==== メリット ====
*国家資格などを取りやすくなる。
大学を卒業していると、いくつかの国家資格を取得しやすくなります。資格によっては、大学を卒業しないと受験できない場合もあります。(教員免許など。)
 
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さて、日本の大企業は、自社の幹部候補を原則的に、難関の有名大学(主に国立大)の大卒以上から選ぶという慣習があります。下請け企業などの中小企業でも、大企業を真似して、学歴重視に倣う企業が多いです。
 
大企業では、一定上の学歴でないと、最初から書類選考で落とすという場合もあります。いわゆる「'''学歴フィルター'''」と言われる足切りです。
なので、そこそこ知名度の高い大学を出てると、出世が早くなって、得をするかもしれません。
 
なので、そこそこ知名度の高い大学を出てると、就職しやすかったり、就職後の出世が早くなって、得をするかもしれません。
 
 
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ですが、当面の間は、大企業や、大企業の下請け企業では、こういった慣習が続くでしょう。
 
==== デメリット ====
進学には、お金が掛かります。
 
多くの学生は私立大学に進学することになります。私立の学費が年間100万以上なので、卒業までの4年間で、ざっと最低でも400万円以上は掛かります。これとはべつに、下宿をするなら、家賃などの諸経費が掛かります。都内のアパートの相場が月額7万円だとして、1年で約84万円の家賃が掛かるとしましょう。切り良く食費や光熱費も含めて100万円の家賃だとして、4年間で400万円が掛かるわけです。すると、4年間で800万円は掛かります。
 
これは留年などをせずにストレートに卒業した場合ですので、そいうったことも含めて、私立大学の卒業までに1000万円は教育費が掛かると思ったほうがよいでしょう。
 
国公立の大学でも、学費が年間60万円ていどは掛かります。少なくとも卒業までの4年間で240万円は掛かるわけです。諸経費を含めて、2倍程度で、卒業までに600万円の教育費は掛かると思ったほうが良いでしょう。
 
国立は私立よりかは安いですが、競争も厳しく、入学までに浪人をすることも多く、年数が掛かる場合があります。浪人の間の生活費なども考える必要があります。
 
家が金持ちなら良いですが、貧乏なら借金などをして進学することになります。
1000万円ちかい借金というのは、負担が、けっこう、重いです。
新卒の給料が年間300万円が相場と言われますが、生活費などを差し引くわけですから、借金の返済に当てられるのは、多くても年間100万円ていどまでです。すると、卒業してから10年近くは、生活を切り詰めなければ、いけません。
 
たとえ大学を卒業しても、かならずしも賃金の高い企業に就職できる保証はありません。あまり就職率の高い大学に進学できそうにない場合は、大学進学をやめて高卒で就職活動したり、あるいは職業高校に編入学したほうが良いかもしれません。
 
 
=== 短大や専門学校を目指すべきか? ===
==== 短大 ====
短大は、法的には大学に準じた短期(2年間が一般)の教育機関です。短大の科目の専門性は、大学と大して変わりません。
 
年間の学費は、大学と同じ程度(私立なら100万以上)、かかります。
== 大学受験で浪人するべきか? ==
評判の良い大学は、浪人をしてでも受験をする浪人生が多いので、評判の良い大学は受験競争が激しいです。日本では、高校の数に比べて大学の数が少ないことなどもあり、大学進学では、浪人する可能性があります。また大学の学部の種類が偏っていることもあり、希望する学部によっては競争倍率が高く、大学受験不合格で浪人をする可能性が高くなります。
 
短大を卒業すると、大学の、関連する学科への編入学の受験資格もあります。ですが、有名大学などは、競争が激しいです。編入試験は、あまり当てにしないほうが良いでしょう。
なお、多くの大手企業では、就職採用時に、入社希望者に年齢制限を設けており、志望者の年齢が25才を超えると新卒では大手企業には就職しづらくなります。一般の大学が4年間なので18歳で高校を卒業し大学進学すると、留年せずに大学卒業しても卒業時の年齢は22才になります。2年浪人すると 22+2=24 と24歳以上で卒業することになります。
 
仮に編入試験に合格し、編入学が出来ても、3年生への編入ではなく、2年生に編入などになることがあり、大学卒業までの年数に、高卒時点から4年以上の年数を要する場合があります。
このため、「浪人は多くても2年まで」しかさせない家庭も、あります。
 
以上の理由から、もしアナタに大学進学できるだけの学力があるならば、高校生のころから、なるべく大学を志望したほうが良いかもしれません。
=== 学歴フィルター ===
日本の大企業の採用活動では、大学卒・大学院卒の採用では、学校の偏差値や知名度などで足切りをして、採用の是非を決めます。
いわゆる「'''学歴フィルター'''」と言う選別です。学歴フィルターで見られるのは、けっして大学卒業時の学力ではなく、入学時の大学の偏差値です。どんなにアナタの大学入学後の学力が高かろうが、企業の多くは入学後の学力なんてチェックしません。
たとえ就職活動で企業によっては筆記試験があっても、多くの場合の試験問題は、中学レベルの国語や数学と、大学レベルの英語の試験の問題しか出ません。
 
就職も、賃金の良い企業に就職できる保証は、ありません。ただし看護系の短大など、国家資格が取得できる場合は、就職状況は例外かもしれませんが。
*文系の場合の、学歴フィルター
特に文科系の大学の場合は、文科系の学生の人数が多いので、偏差値による学歴フィルターが、文科系では、より強くなると考えられます。
文科系の場合、学科の種類は、あまり学歴フィルターには、されません。主に、入学時の偏差値が学歴フィルターです。
 
==== 専門学校 ====
学校にもよりますが、学費は大学と同じくらいに高く、一般に年間100万円以上は掛かります。
 
就職活動は、一部の業界を除き、企業は、専門学校に限らず、学生の時点での専門性をあまり評価しません。
*理系の場合の、学歴フィルター
たとえ理科系のですら、例外として国家試験のある医学部や薬学部研究テーマなどを除けば、多くの学部の新卒時の就職活動では専門分野の学力な、ほとど評価しチェックされもらえません。
 
なので、もしもアナタが職業高校などに通っていて、高卒で就職できそうで、今後は大学に進学する気が無いのなら、専門学校に行くよりも、さっさと就職したほうが良いでしょう。
理科系の大学にも入学時の大学の偏差値による学歴フィルターはありますが、偏差値よりも学科のちがいによる学歴フィルターや、国立大学と私立大学とのちがいの学歴フィルターや、教授のコネなどによる研究室の評判などの学歴フィルターのほうが強いでしょう。
 
理系の場合、研究室の評判の良い大学は、国立大学に多いです。(「実際に、国立は研究レベルが高い」だなんて本文では言ってない。)
日本政府の大学教育の予算配分は、国立大学の東京大学を中心にして、研究費を予算配分しています。なので、国立大学のほうが、予算の都合から、評判の良い研究室が集まります。
研究テーマによっては予算の大きく掛かる場合もあり、予算の足りない私立大学などでは、最初からそのテーマ自体の研究室が存在しない場合もあります。
理系の場合、研究予算や設備が無いと、そもそも研究を行えない分野もあります。
 
短大の場合は、法的には大学に準じた短期(2年間)の教育機関です。しかし専門学校は短大と違い、法的にも大学に準じた教育機関とは、専門学校は見られないのが一般です。そのため短大では大学への編入学の制度などもありますが、しかし専門学校卒から大学への編入学は、基本的には無いのが通常です。
なので、なるべく予算の多い国立大学に進学するほうが、大企業の就職には便利でしょう。
 
志望したい業界の採用方法が能力主義で無いならば、あまり専門学校を志望しないほうが、卒業後は経済的にも安全でしょう。
つまり、企業は学生の研究のセンスなんて、採用時に、ほとんど評価していません。企業が評価するのは、出身校の評判です。そもそも企業は、特定の大学の研究室での研究テーマなんて、知りません。なぜなら、日本には多くの大学があり多くの研究室があるので、いちいち研究室の内部なんて、企業は調べないのです。
もし、一般の大学にも、志望したい業界に就職実績の強い大学があるなら、最初から大学に進学したほうが就職にも有利かもしれません。
 
普通科高校では職業教育をまったく受けないので、専門学校の職業教育が高度で専門的に見えるかもしれません。
ですが、もし専門学校の分野と同じ分野が職業高校にもある場合は、職業高校の専門性と専門学校は大して変わりません。専門学校と同じ分野が大学や短大にある場合、一般に短大や大学の教育内容のほうが高度です。
 
*大企業にとっての学歴フィルターの必要性
採用する企業側の大企業からすれば、志望者が多いので、なんらかの方法で、書類選考などで機械的に選別する必要があります。書類審査で見る肩書は、保有資格など、あるいは英語の検定試験のTOEICやTOEFLだとか、あるいは簿記検定だとか、資格や検定などの書類選考による救済措置も'''少しは'''ありますが、実質的に多くの学生は学歴で選別されることになるだろうと考えられます。
 
もし、工業の旋盤などの技能取得などの教育を受けたかったり、あるいは商業の簿記の教育を受けたくて、しかし経済的に大学に進学するだけの経済的余裕などが無くても、職業高校への編入学や職業訓練校への入学により、それらの職業教育を受けるという方法もあります。
大学に入ってからの学業には、意外と時間が掛かり、あまり資格試験の対策などを行う時間がありません。税理士や公認会計士や司法書士などの難関の国家資格などは、ほとんどの人は卒業までには資格を取れないのが実情です。
 
結局、多くの大卒は、就職活動時に学歴以外には肩書が無いことになります。
 
また、もしも家庭の財力に余裕があるならば、大学を卒業した後に、専門学校に進学するという方法もあります。卒業までの年数が掛かり、就職活動時の年齢が高くなるので就職に不利な点もありますが、それを差し引いても「大卒」の肩書があったほうが多くの業界で就職に有利かもしれません。
 
また、志望する業界によっては、その業界の国家資格の受験資格に、大卒の肩書が必要な場合があります。専門学校だと、国家資格の受験資格で不利になる場合が考えられます。
*大企業を無視する必要性
専門性よりも偏差値や肩書を重視する学歴フィルターが不満ならば、いっそのこと、最初から、その手の大企業を目指さないという手もあります。
 
学歴フィルターは、裏を返せば、専門性が問われていないのです。「代わりになる人材は、いくらでも居る」というわけです。だから、専門職を目指したい人は、そういった専門知識を要求されない学歴フィルターの強い業界を、進路からは遠ざけるほうが良いかもしれません。
 
他の大学や短大や職業高校などには、その分野の学校が存在しない場合にかぎり、専門学校に進学するのが良いかもしれません。なおかつ志望したい業界が学歴主義でなく能力主義・技能主義などの場合にかぎり、専門学校に進学したほうが就職後の経済的には良いかもしれません。
学歴フィルターを設けているのは大企業に多いですが、たとえ現在は大企業であっても、かならずしも将来も大企業という保障はありません。
それに仮に大企業に就職できても、専門分野の仕事を続けられる保障はありません。経営状況によっては現在の事業から撤退したり、人員削減により大幅な解雇を行う場合もあります。
 
== 高卒で就職する場合 ==