「中学校理科 第1分野/化学変化とイオン」の版間の差分
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=== 電解質 ===
水にとかしたとき、その水溶液に電流が流れるようになる物質を'''電解質'''(でんかいしつ、electrolyte)という。
:例) 塩化
水にとかしてもその水溶液に電流が流れない物質を'''非電解質'''(ひでんかいしつ)という。
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陽子の質量と、中性子の質量は、同じである。厳密にいうと、ほんのわずかに質量が違うのだが、ほとんど同じなので、中学の段階では、陽子の質量と、中性子の質量は同じである、と考えてよい。
電子1個のマイナスの電気の強さは、陽子1個のプラスの電気の強さと符号が反対なだけで、強さは同じであるので、1個の電子と1個の陽子の力がつりあう。
原子の中心には+の電気をもつ原子核が
原子核がもつ+の電気の総量と、電子のもつマイナスの電気の総量が等しいので、原子全体は電気を帯びていない。
安定している状態の原子や分子では、原子核の持つ陽子の数と、電子の持つ数とは、同じである。
ふつうの水素原子の原子核は、1個の陽子だけである。1個の陽子だけを持つ水素原子のまわりの電子の数は、1個の電子がある。
ふつうのヘリウム原子の原子核は、2個の陽子と、2個の中性子との、計4個の粒子である。ヘリウムの電子の数は、陽子と同じ2個である。
ヘリウム原子の原子核の質量は、水素原子の原子核の質量の、ほぼ4倍である。
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したがって、原子にとって、電子は、ほとんど質量が無い。ある原子や分子の質量の大きさを決めているのは、その原子核の陽子や中性子の個数である、と考えても、中学高校では、あまり問題は無い。
たとえば水素原子とヘリウム原子の質量の比なら、電子の質量は無視できる。よって原子核の粒子数の比から、ヘリウム原子の質量は、水素原子の質量の4倍である。
ある原子核の中性子の数は、陽子の数に近いが、必ずしも陽子と中性子の数が同じとは限らない。
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イオンは原子が電子を失ったり受けとったりすることにより、安定な状態になったものである。陽イオンは、原子が電子を失って+の電気を帯びたものである。電子を2個失うと、1個の場合の2倍の+電気を帯びる。
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溶液は、しだいに青くなるが、この青色は銅イオン溶液の色である。以上の変化を反応式で書くと、
:Cu + 2Ag<sup>+</sup> → Cu <sup>2+</sup> + 2Ag
なお、この反応で生じた銀を、生じ方が樹木が伸びるように析出した銀が伸びることから'''銀樹'''(ぎんじゅ)という。
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このことから、亜鉛Znは銅Cuよりもイオン化傾向が大きいことが予想できる。
* イオン化列(イオンか れつ)
さまざまな溶液や金属の組み合わせで、イオン化傾向の比較の実験を行った結果、
イオン化傾向の大きさが決定された。
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しかし、水 H<sub>2</sub>O のように、かならずしも水素原子Hをふくんでいるからと言って、酸性になるとは限らない。
水の場合、 H<sub>2</sub>O 分子中に、HとOHという、酸になるHと、アルカリになるOHという、両方のイオンをふくんでいるので、全体的にはt中性である。▼
水の一部は、次の式のように電離している。
:H<sub>2</sub>O → H<sup>+</sup> + OH<sup>-</sup>
:水分子 → 水素イオン + 水酸化物イオン
純水中で、
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水溶液中では、つぎのように電離している。
:H<sub>2</sub>SO<sub>4</sub> → 2H<sup>+</sup> + SO<sub>4</sub><sup>2−</sup>
:硫酸 → 水素イオン + 硫酸イオン
強い酸である。
*硝酸 HNO<sub>3</sub>
水溶液中では
:HNO<sub>3</sub> → H<sup>+</sup> + NO<sub>3</sub><sup>-</sup>
:硝酸 → 水素イオン + 硝酸イオン
と電離し、強い酸性を示す。
*強酸(きょうさん)と弱酸(じゃくさん)
塩酸や硫酸などの強い酸のことを、まとめて、強酸(きょうさん)という。
いっぽう、炭酸や酢酸などの、弱い酸を、弱酸(じゃ
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==== アルカリ ====
まず、復習をしよう。
水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カルシウム水溶液やアンモニア水溶液は、つぎのような性質を示す。
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注意するのは、アルカリの液体だけでなく、アルカリの液体から発する蒸気なども、注意すること。蒸気を、かぎすぎないようにすること。また、目に入らないようにすること。
こういう目にアルカリの入る事故が起きないように、あらかじめ、安全メガネなどを掛けておくなど、必要に応じて準備すること。
;主なアルカリ
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酸性でもなく、アルカリ性でもない性質を中性(ちゅうせい)という。純水(じゅんすい)は、中性である。
水溶液が中性をしめす物質は多くあるが、例を上げると、食塩水や砂糖水は中性である。リトマス紙に中性の水溶液をつけても、色は変わらない。
イオンの観点から見れば、水溶液が中性の物質は、たとえば、
:塩化ナトリウムNaClのように水溶液で電離はするが、水素イオンや水酸化物イオンOHをふくまない物質。
:砂糖のように、そもそも電離しなくて、イオンにならない物質。
:純水 H<sub>2</sub>O のように、水素イオン H<sup>+</sup> の数と、水酸化物イオン OH<sup>-</sup> の数とが、つりあっている物質。
などがある。
====中和====
酸性の溶液とアルカリ性の溶液を混ぜた水溶液を作ると、酸の水素イオンHと、アルカリの水酸化物イオンOH<sup>−</sup>が結合し、水分子H<sub>2</sub>Oが出来る。
この反応を'''中和'''(ちゅうわ)と呼ぶ。
:H<sup>+</sup> + OH<sup>−</sup> → H<sub>2</sub>O
酸とアルカリが中和した際には水が生じる。
また、中和の結果、その水溶液は中性に近づく。
具体例として、塩酸 HCl と水酸化ナトリウム NaOH との、中和を考える。
:H<sup>+</sup> +Cl<sup>−</sup> + Na<sup>+</sup> + OH<sup>−</sup> → H<sub>2</sub>O + Na<sup>+</sup> + Cl<sup>−</sup>
のような反応が起こる。
(左辺前半の H<sup>+</sup> +Cl<sup>−</sup> はHClに由来。左辺後半の Na<sup>+</sup> + OH<sup>−</sup> は NaOH に由来。)
中和をしただけだと、水溶液にNaClが溶けて電離したままなので、塩化ナトリウム NaCl は 出来ない。
塩化ナトリウム NaCl のように、分子式が、酸とアルカリの中和で作れる分子になってる化合物を、塩(えん)と言う。
塩化ナトリウムや塩化物でなくとも、酸とアルカリの中和反応で出来るなら、塩(えん)と言う。
塩の定義を、より詳しく言うと、中和反応での、酸の陰イオンと、アルカリの陽イオンとが結びついた化合物を、塩(えん)という。
詳しい定義で、たとえばNaClを説明すると、
:「酸(HCl)の陰イオン(Cl<sup>−</sup>)と、アルカリ(NaOH)の陽イオン(Na<sup>+</sup>)とが結びついた化合物を、塩(NaCl)という。」
というふうに、たしかに、塩(えん)に なっている。
* 発展
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* 発展
より正確には、溶液中の水素イオン H<sup>+</sup> の濃度で決まる。
=== PH ===
水溶液の酸性やアルカリ性の強さを表す値をpH(ピーエイチ、もしくはペーハー)と呼ぶ。pHがpH=7のとき溶液は中性であり、pHが小さくなるほど溶液は酸性に近づく。一般に、pH=0で最も強い酸性である。またpHが大きくなるほど、溶液はアルカリ性に近づく。一般に、pH=14が最も強いアルカリ性である。pHは普通、0から14の範囲内である。
私たち中学3年以上の読者は、イオンをしっているし、酸は水素イオン H<sup>+</sup> によって出来ることも知っているし、アルカリは水酸化物イオン OH<sup>-</sup> などによって出来ることも知っている。
つまり、PHの強さは、水溶液中の水素イオンや水酸化物イオンの数や濃度から、計算することができる。( PHとイオンの数の計算は、くわしくは、高校で習う。 )
==== pH指示薬 ====
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