「高等学校生物/生物II/生物の進化」の版間の差分

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先カンブリア時代
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また、大気中の二酸化炭素が光合成などにより低下していたと考えられる。その結果、二酸化炭素による温室効果が低下し、地球の温度が低下したと考えられる。また、地上では酸素が増大したことにより、オゾンが形成され、地表に降りそそぐ紫外線の量が減るようになり、生物が生息しやすくなったと考えられる。
 
== 真核生物への進化 ==
*共生説
真核生物の中にあるミトコンドリアは、独自のDNAを持っている。
このことから、原核生物の嫌気性細菌の中に、ミトコンドリアの祖先である好気性細菌が入り込んで、それらが共生していった結果だと考えられており、このような説を'''共生説'''(きょうせいせつ)といい、'''マーグリス'''(アメリカ人)などによって提唱された。
 
葉緑体も独自のDNAを持っている。同様に、原核生物に、葉緑体の祖先の生物が入り込んで、共生していった結果だと考えられている。葉緑体の祖先は、シアノバクテリアに近い生物であることが、DNAの塩基配列の解析によって、分かっている。
 
== 地質時代 ==
地球上で最古の岩石ができてから現在までを'''地質時代'''(ちしつ じだい)という。
 
地質時代の区分は、'''先カンブリア時代'''・'''古生代'''(こせいだい)・'''中生代'''(ちゅうせいだい)・'''新生代'''(しんせいだい)に分けられる。
 
最古の生物が現れてから真核生物が現れるまでの時期は、先カンブリア時代にふくまれる。
 
各代は、さらに、いくつかの紀に分けられる。たとえば古生代は、カンブリア紀・オルドビス紀・シルル紀・デボン紀・石炭紀・ベルム紀に分けられる。
 
なおカンブリア紀は、古生代であり、先カンブリア時代ではない。
 
三葉虫(さんようちゅう)は古生代の生物であり、アンモナイトは中生代の生物である。三葉虫は古生代末に絶滅してしまう。よって、三葉虫の化石がある地層から出土すれば、その地層が形成された年代は古生代であることが分かる。このような、時代を知れる化石を'''示準化石'''という。三葉虫の化石は、示準化石である。いっぽう、サンゴは暖かくて浅い海に生息するので、サンゴの化石があれば、その化石ができた時代に、その場所は暖かくて浅い海底だったことが分かる。このサンゴの化石のように、場所の特徴を知れる化石を'''示相化'''石(しそう かせき)という。
*全球凍結
先カンブリア時代の後半である約7億年前、地球が寒冷化して、地球の大半が氷河で覆われた。これを'''全球凍結'''(ぜんきゅう とうけつ、Snowball Earth '''スノーボール・アース''')という。全球凍結によって、多くの生物が絶滅した。一部の生物は絶滅をまぬがれて、生き残った。
 
== 海中での生物の繁栄 ==
=== 先カンブリア時代 ===
最初の多細胞生物が出現した時期は不明だが、おそらく約10億年前の'''先カンブリア時代'''だと考えられている。最古の多細胞生物の化石が、約6.5億年前とされる地層から見つかっている。世界各地で、同時期の地層から、この時代の生物の化石が見つかっている。オーストラリアのエディアカラという地域が、そのような化石の産出地として代表的であるので、この6.5億年前ごろの時代の生物群を'''エディアガラ生物群'''(エディアカラせいぶつぐん)という。エディアカラ生物群のほとんどは、体がやわらかく、殻を持たず、扁平な形をしている。
体が扁平なことから、移動能力は低いと考えられ、また、海中から酸素を直接に取り入れていたと考えられる。
 
クラゲのような生物の化石も見つかっている。
 
このエディアカラ生物群は、気候の変動などにより、ほとんどの種が絶滅した。
 
そして、約5億4000年前に先カンブリア時代が終わる。
 
=== 古生代 ===