漢文で描かれた『哈遠良時之羅馬帝國』(ハドリアヌス治下のローマ帝国)。
 『羅馬史略』など明治初期の書物において、西洋の固有名詞(地名や人名)を表記するにあたっては、中国の漢語(漢文)にならった当て字の漢字表記と、カタカナによる表記が混在していた。特に慣用化した固有名詞については、決まった漢字表記が用いられていた。それらの漢字表記は、漢語(漢文)の表記を踏襲したものもあれば、英語などの発音に日本人の訳者が漢字を当てたものもある。
漢文表記 現代中国語
(繁体字)
中国語
(簡体字)
『羅馬史略』 英 語 ラテン語 現代日本語 備 考
(古)羅馬
羅馬(都)
羅馬
\lu̯ɔ˧˥ ma̠˨˩\
罗马
\lu̯ɔ˧˥ ma̠˨˩\
羅馬 Rome
/rəʊm/,
/ɹoʊm/
Roma[1]
[ˈroːmä]
ローマ
凱撒 凱撒 凯撒 塞撒セサル [2] Caesar,
Cæsar,
Cesar
/ˈsiːzə(ɹ)/
Caesar
[ˈkae̯sar]
カエサル,
シーザー

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脚注

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  1. ^ ラテン語のローマ国家の国号は senātus populusque Rōmānus「ローマの元老院と人民」。また、ローマ帝国(Roman Empire)に当たる表現として Imperium Romanum「ローマの支配圏」などがある。
  2. ^ 英語の Cæsar という綴りが「セサル」と解されたのであろう。

関連項目

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外部リンク

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