法学民事法コンメンタール著作権法

条文 編集

(商業用レコードに録音されている実演の放送同時配信等)

第94条の3
  1. 放送事業者、有線放送事業者又は放送同時配信等事業者は、第91条第1項に規定する権利を有する者の許諾を得て商業用レコード(送信可能化されたレコードを含む。次項、次条第1項、第96条の3第1項及び第2項並びに第97条第1項及び第3項において同じ。)に録音されている実演(当該実演に係る第92条の2第1項に規定する権利について著作権等管理事業者による管理が行われているもの又は文化庁長官が定める方法により当該実演に係る特定実演家の氏名若しくは名称、放送同時配信等の許諾の申込みを受け付けるための連絡先その他の円滑な許諾のために必要な情報であつて文化庁長官が定めるものの公表がされているものを除く。)について放送同時配信等を行うことができる。
  2. 前項の場合において、商業用レコードを用いて同項の実演の放送同時配信等を行つたときは、放送事業者、有線放送事業者又は放送同時配信等事業者は、通常の使用料の額に相当する額の補償金を当該実演に係る特定実演家に支払わなければならない。
  3. 前項の補償金を受ける権利は、著作権等管理事業者であつて全国を通じて1個に限りその同意を得て文化庁長官が指定するものがあるときは、当該著作権等管理事業者によつてのみ行使することができる。
  4. 第93条の3第4項の規定は前項の規定による指定について、同条第5項から第13項までの規定は第2項の補償金及び前項の規定による指定を受けた著作権等管理事業者について、それぞれ準用する。この場合において、同条第4項第四号中「第2項の報酬」とあるのは「第94条の3第2項の補償金」と、同条第7項及び第10項中「放送事業者」とあるのは「放送事業者、有線放送事業者」と読み替えるものとする。

解説 編集

令和3年(2021年)制定、令和4年(2022年)1月1日施行の「放送番組のインターネット同時配信等に係る権利処理の円滑化」に関する著作権法改正で新設された。 法改正前は商業用レコードを「同時配信等」する場合、「許諾権」だったため事前の許諾が必要だったが、法改正により、通常の「放送」と同様の「報酬請求権」に変更し、通常の使用料額に相当する補償金(報酬)を支払うことで、事前の許諾なく利用できるようになった。

参照条文 編集


前条:
著作権法第94条の2
(放送される実演の有線放送)
著作権法
第4章 著作隣接権
第2節 実演家の権利
次条:
著作権法第95条
(商業用レコードの二次使用)


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