本文
編集白文 訓読文
編集黄鶴楼送孟浩然之広陵 黄鶴楼にて孟浩然の広陵に之くを送る
故人西辞黄鶴楼 故人 西のかた黄鶴楼を辞し
煙花三月下揚州 煙花三月 揚州に下る
孤帆遠影碧空尽 孤帆の遠影 碧空に尽き
惟見長江天際流 惟だ見る 長江の天際に流るるを
現代語訳
編集- (起句)古くからの友人が西を向いて黄鶴楼に別れを告げ、
- (承句)花霞のかかった花盛りの三月に揚州に舟で向かう。
- (転句)帆を張った小舟は青空に吸い込まれるように消えてなくなり、
- (結句)ただ長江が空の果てまで流れていくように見えるだけだ。
鑑賞
編集盛唐期の詩人李白の七言絶句。
詩の前半では、作者の古くからの友人である孟浩然との別れの場面を詠っている。
後半では孟浩然の乗る小舟が、空の彼方に消えてなくなるまで凝視し続ける作者の姿を詠じている。
李白と孟浩然との熱い友情が感じられる詩となっている。
押韻
編集- 楼・州・流