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 地球は、大きく分けて次の2つです。

  • 岩石などからなる固体地球
  • 固体地球を取り巻く大気圏
地球の層構造

 固体地球は、地殻、マントル、外核、内核の4つの区分に分かれています。これらを作るのに、地震波の伝わり方の変化が利用されています。大気は、地表から上空に向かって、対流圏、成層圏、中間圏、熱圏の順に構成されています。これらは、高度によって大気の温度がどのように変化するかに基づいています。

 気球や人工衛星、ロケットなどを使って様々な高さから大気圏を観測すると、その構造や成り立ちが明らかになります。しかし、地表の岩石や地層の調査だけだと、地下の構造や成分は断片的にしか分かりません。そこで、以下のような方法で、地球の内部の構造を探ってみます。

地球の重力で調べる 編集

 地球の重力は、地球の内部構造や地形を示しています。地下に密度の大きい物質があれば、その部分の重力は他の場所より強まります。地球の重さを見れば、地下を構成している物質の密度がどれくらいあるかが分かります。

地震波で調べる 編集

 地震は特定の場所でしか起こりませんが、地震が出す波はどこでも感じられます。地震波は、通過する物質や形の良し悪しによって、動く速度が異なります。そこで、地球上の様々な場所から送られてくる地震波を見ると、地下の深さによって波がどこに行くのか、どのくらいの速さで動いているのかが分かります。その結果、地球内部の物質や構造を推測出来ます。

地下の熱で調べる 編集

 地球内部を知るもう一つの重要な手段は、地球が発する熱を見れば分かります。火山の噴火や高温のマグマの存在などから、地球の内部には熱いものがあると推測出来ます。火山が噴火している場所では、マグマが上昇し、地球内部の熱がその場所に伝わります。日本列島やアイスランドのように火山が多い地域では、地球内部の熱が地表にたくさん出てきています。一方、北欧やユーラシア大陸北部、アメリカのグレートプレーンズ中央部など、火山がない地域では、地球の中心からあまり熱が出てきません。かつて、地球内部から地表に出る熱量(地殻熱流量)は、大陸より海の底の方が少ないように思われていました。しかし、地球内部が海底でどれだけ熱を発しているかを注意深く測定した結果、海底の方が大陸よりも多くの熱を出していました。地球内部を知る1つの方法は、地球の熱を調べれば分かります。

地磁気で調べる 編集

 方位磁針のN極は、一般的な北の方角を指しています。これは、方位磁針のN極が、北極に近い地球内部の磁石のS極に引き寄せられるからです。地殻やマントルよりも深い部分にある外核液の流れが電流を作り、この磁力を生み出していると考えられています。地球の磁場の強さや方向(地磁気)を見れば、外核の状態や運動を知る手掛かりになります。