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観測から理論へ
 1609年、ガリレオ・ガリレイが望遠鏡を作って星を見ましたが、人々はまだ地球が宇宙の中心で、太陽や星はその周りを回っていると考えていました。同じ頃、ティコ・ブラーエは大きな分度器のような天文具を使って、星を見ただけでどこにあるのかがわかるようにしました。ヨハネス・ケプラーは、ティコ・ブラーエのデータを参考に、それまで考えられなかったような正確さで、惑星の軌道の動き方を研究しました。そして、ヨハネス・ケプラーの法則を考え出しました。これらの法則は、惑星がどのように動くかを正確に記述出来たとしても、基本法則が何なのかを明らかにしたわけではありません。

 1666年から1687年まで生きたイギリス出身のアイザック・ニュートンは、それが万有引力の法則だと発見しました。アイザック・ニュートンは、「慣性の法則」「運動の法則」「作用・反作用の法則」という力と運動の3つの法則を提唱して、近代力学の基礎としました。これにヨハネス・ケプラーの法則を組み合わせて、「あらゆる2つの物体の間には万有引力が働き、その大きさは2つの物体の質量の積に比例して、物体間の距離の2乗に反比例する」という万有引力の法則を考え出しました。

 ティコ・ブラーエの観測からヨハネス・ケプラーの法則、アイザック・ニュートンの運動法則、万有引力の発見まで、天文学や物理学は、観測データと理論研究の相互作用により発展してきました。つまり、科学では、観察、実験、理論が車の両輪のように働いて、新しい知識を生み出していきます。