Wikijunior:太陽系/金星
金星(きんせい)は太陽系(たいようけい)で二番目(にばんめ)の惑星(わくせい)で、地球(ちきゅう)に似(に)た大きさ(おおきさ)を持(も)っています。
金星(きんせい)は、太陽(たいよう)や月(つき)に次(つぎ)いで非常(ひじょう)に明(あか)るく輝(かがや)く天体(てんたい)です。そのため、明(あけ)け方(がた)に空(そら)に見(み)える時(とき)は「明(あけ)の明星(みょうじょう)」と呼(よ)ばれます。また、夕方(ゆうがた)に見(み)える時(とき)は「宵(よい)の明星(みょうじょう)」と呼(よ)ばれることがあります。
金星の基本情報(きほんじょうほう)
編集- 直径(ちょっけい): 約(やく)12,104 km、地球(ちきゅう)の約(やく)95%
- 距離(きょり): 太陽(たいよう)から約(やく)108,200,000 km
- 公転周期(こうてんしゅうき): 約(やく)225日(にち)(1年(いちねん))
- 自転周期(じてんしゅうき): 約(やく)243日(にち)(1日(いちにち))
金星の特徴(とくちょう)
編集金星(きんせい)の表面(ひょうめん)は厚(あつ)い雲(くも)で覆(おお)われていて、見(み)ることができません。この雲は主(おも)に二酸化炭素(にさんかたんそ)でできており、非常(ひじょう)に高(たか)い温度(おんど)を保(たも)っています。金星(きんせい)の表面温度(ひょうめんおんど)は約(やく)470℃もあり、金星(きんせい)は太陽系(たいようけい)の中で最も熱(あつ)い惑星(わくせい)です。
この異常(いじょう)な温度は、金星(きんせい)における温室効果(おんしつこうか)によるものです。金星(きんせい)では、太陽からの光(ひかり)が表面に届くと、地表(ちひょう)が温まりますが、厚(あつ)い二酸化炭素の雲が熱(ねつ)の放射(ほうしゃ)を妨(さまた)げるため、地表からの熱(ねつ)が宇宙(うちゅう)に逃(にげ)げません。この結果、金星(きんせい)の温度はに上昇(じょうしょう)し、非常(ひじょう)に高温(こうおん)な環境(かんきょう)を生(う)み出しています。
金星(きんせい)の自転(じてん)の仕方(しかた)はとても特別(とくべつ)です。金星(きんせい)の自転周期(じてんしゅうき)は約(やく)243日(にち)で、これは金星(きんせい)が1回(いっかい)自分(じぶん)を回(まわ)るのにかかる時間(じかん)です。地球(ちきゅう)の1日(いちにち)が約(やく)24時間(じかん)であるのに対(たい)して、金星(きんせい)はとても長(なが)い時間(じかん)がかかります。さらに面白(おもしろ)いことに、金星(きんせい)の自転(じてん)は逆(ぎゃく)の方向(ほうこう)に回(まわ)っています。つまり、金星(きんせい)では太陽(たいよう)が東(ひがし)から昇(のぼ)って西(にし)に沈(しず)むのです。他(ほか)の惑星(わくせい)とは違(ちが)って、金星(きんせい)の昼(ひる)と夜(よる)の様子(ようす)も非常(ひじょう)にユニークです。
探査活動(たんさかつどう)
編集最近(さいきん)の探査(たんさ)では、NASA(ナサ)の探査機(たんさき)「マゼラン」が金星(きんせい)の詳細(しょうさい)を調査(ちょうさ)しました。マゼランは1990年(ねん)に打ち上げ(うちあげ)られ、金星(きんせい)の表面(ひょうめん)を詳細にマッピングしました。この探査機(たんさき)は、以下(いか)のような重要(じゅうよう)な発見(はっけん)をしました。
- 金星(きんせい)の表面(ひょうめん)には多くの火山(かざん)や平原(へいげん)が存在(そんざい)することがわかりました。
- 金星(きんせい)には、地球(ちきゅう)に似(に)た地形(ちけい)がありながらも、極(きょく)の温度(おんど)が非常(ひじょう)に高(たか)いことが確認(かくにん)されました。
2021年(ねん)には、NASA(ナサ)が新(あたら)しい探査(たんさ)ミッション「VERITAS(ヴェリタス)」を発表(はっぴょう)しました。この探査機(たんさき)は、金星(きんせい)の表面(ひょうめん)を詳(くわ)しく調べるために2028年(ねん)に打ち上げ(うちあげ)る予定(よてい)です。VERITASは、金星(きんせい)の地形(ちけい)や大気(たいき)の成分(せいぶん)を調査(ちょうさ)し、金星(きんせい)の歴史(れきし)を解明(かいめい)することを目指(めざ)しています。
英語(えいご)の名前は)だれが名付けたの?
編集金星(きんせい)は、英語で「Venus(ヴィーナス)」と呼(よ)ばれています。この名前(なまえ)は、ローマ神話(ろましんわ)に登場(とうじょう)する美(うつく)しい女神(めがみ)から来(き)ています。Venusは愛(あい)や美(うつくしさ)の象徴(しょうちょう)で、金星(きんせい)はその美しさ(うつくしさ)から名付けられました。
まとめ
編集金星(きんせい)は、太陽系(たいようけい)で二番目(にばんめ)にある惑星(わくせい)で、非常(ひじょう)に高(たか)い温度(おんど)や独特(どくとく)な大気(たいき)を持(も)っています。金星(きんせい)にはたくさんの面白(おもしろ)い特徴(とくちょう)があり、探査(たんさ)が進(すす)むことで、ますます多(おお)くのことがわかるでしょう。未来(みらい)の探査(たんさ)によって、私たちの宇宙(うちゅう)に対する理解(りかい)が深(ふか)まることが期待(きたい)されています。