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どうしたら病原体の感染を防げますか?

キーワード

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発生源・感染経路・抵抗力・予防接種・免疫・回復

感染症の予防対策の考え方

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※どうすれば感染症を予防出来ますか?

感染症は発生源感染経路・体の抵抗力に注意を向けると、感染の確率(危険性)を下げたり、感染の拡大を防いだり出来ます。病原体の種類に応じて、有効な対策が異なります。

咳やくしゃみをする時は、周囲の人に顔を向けないように1m~2m以上離れて、ティッシュやマスクで口と鼻を覆いましょう。ティッシュは使い終わったらすぐにゴミ箱に捨てましょう(咳エチケット)。

★感染症の予防対策

感染源(病原体) 感染経路 体の抵抗力
具体的な方法
  • 患者の早期発見
  • 患者の早期治療
  • 消毒や滅菌

など

  • 手洗い
  • うがい
  • マスク
  • 換気
  • 飲料水などの衛生管理
  • 学級閉鎖
  • 人混みを避ける
  • 人との間隔を空ける

など

  • 運動
  • 食事
  • 休養
  • 睡眠
  • 予防接種

など

発生源をなくす対策

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物が病原菌に汚染されていたり、人・動物・昆虫などが病原体を運んできたりすれば、感染の原因となります(発生源)。ノロウイルス・コレラ菌などの病原菌は感染者の糞便や嘔吐物に多く含まれています。発生源の対策として、患者の早期発見と早期治療・感染源の動物駆除と昆虫駆除・汚染物の消毒・洗浄などが、求められます。また、発生源をなくすために、食品に火を通したり、調理器具をお湯などで殺菌したりしましょう。病気に応じて、患者の隔離と検疫が行われます。

感染経路を断つ対策

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病原体は移ります(感染経路)。コレラ菌とノロウイルスは、手や食べ物に病原体がつきます。そして、それが口から体の中に入ると感染します。そのため、石鹸でしっかりと手を洗うなどして、感染経路を塞ぎましょう。インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスの場合、感染者がくしゃみや咳をします。この時、感染者の飛沫が飛び散ります。この飛沫を口や鼻から直接吸い込むと感染します。飛沫感染の場合、手や食べ物に全く触れていません。そのため、マスク・うがい・換気・飲料水などの衛生管理・学級閉鎖などで飛沫感染を予防しましょう。

食中毒は知って防ごう
ほとんどの場合、サルモネラ・病原大腸菌・カンピロバクター腸炎ビブリオなどの細菌・ノロウイルスなどのウイルスが食中毒の原因となっています。

★食中毒予防のポイント

  • 丁寧に手を洗いましょう。
  • 新鮮な物を食材に使います。特に、飲料水や生鮮食品に気をつけましょう。
  • 食材にしっかり火を通しましょう。
  • 調理器具や食器は全て消毒にしましょう。
  • 調理後、すぐに食べましょう。
  • 規則正しい生活を送り、休養・睡眠をしっかり取って、体の抵抗力を高めましょう。

★症状が出たら

下痢・吐き気・腹痛などの症状が出たら、すぐに医師の診察を受けましょう。

体の抵抗力を高める対策

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※免疫と予防接種に関しては、発展講義の「編末資料」を参照してください。

私達の体は、病原体などから体を守っています(抵抗力)。

 
COVID-19の予防接種センター(ポーランド)

感染症にかかりにくくするために、よく食べて、しっかり休んで、体力や抵抗力を高めておきましょう。また、感染症の中でも、ワクチンが作られていれば、予防接種を受けて免疫を高めると、重症化を防いだり、感染しても発症しなくなったりします。

★予防接種の例

  • 肺炎球菌
  • B型肝炎
  • BCG(結核)
  • 麻疹
  • 風疹
  • 水痘(水疱瘡)
  • 日本脳炎
  • インフルエンザ
  • 新型コロナウイルス(COVID-19)
  • 流行性耳下腺炎(お多福風邪)

★季節性インフルエンザにワクチンがどれくらい効きますか?

もし、ワクチンを接種したら次のような効果が見られます。

  • 健常者のインフルエンザの発病割合が70~90%減少します。
  • 一般高齢者の肺炎・インフルエンザによる入院が30~70%減少します。
  • 高齢者施設入居者のインフルエンザによる死亡が80%減少します。
  • 小児の発熱が20~30%減少します。

疾病からの回復

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※もし感染症にかかったら、どのような対応をしなければなりませんか?

どんなに感染症を予防していても、かかってしまうかもしれません。症状がみられたり、感染の不安があったりした時は、すぐに医師の診察を受け、正しい治療を受けましょう。なぜなら、周囲への感染拡大を防ぎ、病気から回復するためです。また、治療を受けても、医師の指示に従って安静にして、外出しないようにしましょう。なお、学校の場合、指定感染症にかかると出席停止になります。

海外旅行と感染症

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近年、交通網の整備から、世界中の人々が気軽に海外旅行に行けるようになりました。そのため、海外渡航者と外来生物などから感染症を持ち込んでしまいます。

海外の様々な環境(気候や食品など)が日本と違います。そのため、事前に現地の情報を集めたり、感染症の予防接種を受けたりして海外に渡航しましょう。それでも感染してしまったら、他の人にうつらないためにも、すぐに医療機関を受診しましょう。

感染症の国内流入を防ぐため、空港や港に検疫所が設けられています。検疫所は、入国者全員の検疫を行ったり、入国者の健康相談を行ったりしています。

手洗いの方法

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日常生活の中で、病原体が含まれています。病原体に触れて手から口、手から鼻などを経由して感染しないように、正しく手を洗いましょう。手洗いは風邪やインフルエンザを予防するためにも役立ちます。

★手洗いの手順

  1. 手全体を濡らします。
  2. 石鹸を手の平に取ります。
  3. 手の平を洗います。
  4. 手の甲を洗います。
  5. 指の間を洗います。
  6. 指先や爪を洗います。
  7. 親指を洗います。
  8. 手首を洗います。
  9. 流水でよくすすぎます。
  10. 清潔なタオルなどで拭きます。

資料出所

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  • 東京書籍『新しい保健体育』戸田芳雄ほか編著  2021年
  • 学研教育みらい『中学保健体育』森昭三ほか編著 2021年