会社法第156条
条文
編集(株式の取得に関する事項の決定)
- 第156条
解説
編集- 本条から第165条までは、あらかじめ、株主総会決議(普通決議)により、自己株式の取得について、取得の条件を決議し、その授権の範囲内で自己株式を取得する手続きについて定める。この方式は、利益配当と並んで株主への利益還元の一環として位置付けられている。
- 第155条に該当する本条以外の理由により、自己株式を取得できる場合は総会決議を要しないことを第2項にて確認する。
- 本条により、取得する自己株式の数(第1項第1号)及びそれに支払われる対価の限度(第1項第2号)、すなわち自己株式取得の限度枠並びにこの決議が有効となる期間(第1項第3号)を定めるが、有効期間は1年を超えることはできず(第1項但書)、一般には定時株主総会で決議後1年間と定める。
- ただし、株式が証券取引所の上場しているなどして(いわゆる上場会社)、証券取引所における取引によって株式を取得できる場合において、定款で市場取引等により当該株式会社の株式を取得することを取締役会の決議によって定めることができる旨を定めでいる場合には、本条に定める総会決議に替えて取締役会決議により、自己株式の取得を決定できる(第165条)。
- 会社は(代表者の行為であるが、一般には取締役会決議を要する)、上記の枠内で、期間中に自己株式を取得する。取得にあたっては、「特定の株主からの取得(第160条以下)」または「証券市場から取得(第165条)」のいずれかによる。
- 自己株式取得の限度枠を決定するにあたっては、「帳簿価額の総額が、当該行為がその効力を生ずる日における分配可能額を超えてはならない(第461条)」という制限がある。
関連条文
編集- 会社法第309条(株主総会の決議)
- 会社法第416条(委員会設置会社の取締役会の権限)
- 会社法第459条(剰余金の配当等を取締役会が決定する旨の定款の定め)
- 会社法第461条(配当等の制限)
- 会社法第462条(剰余金の配当等に関する責任)
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