会社法第970条
条文
編集(株主等の権利の行使に関する利益供与の罪)
- 第970条
- 第960条第1項第3号から第6号までに掲げる者又はその他の株式会社の使用人が、株主の権利、当該株式会社に係る適格旧株主(第847条の2第9項に規定する適格旧株主をいう。第3項において同じ。)の権利又は当該株式会社の最終完全親会社等(第847条の3第1項に規定する最終完全親会社等をいう。第3項において同じ。)の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において財産上の利益を供与したときは、3年以下の拘禁刑又は300万円以下の罰金に処する。
- 情を知って、前項の利益の供与を受け、又は第三者にこれを供与させた者も、同項と同様とする。
- 株主の権利、株式会社に係る適格旧株主の権利又は株式会社の最終完全親会社等の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算において第1項の利益を自己又は第三者に供与することを同項に規定する者に要求した者も、同項と同様とする。
- 前二項の罪を犯した者が、その実行について第1項に規定する者に対し威迫の行為をしたときは、5年以下の拘禁刑又は500万円以下の罰金に処する。
- 前三項の罪を犯した者には、情状により、拘禁刑及び罰金を併科することができる。
- 第1項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を減軽し、又は免除することができる。
改正経緯
編集2022年改正
編集以下のとおり改正(施行日2025年6月1日)。
- (改正前)懲役
- (改正後)拘禁刑
2014年改正
編集以下のとおり改正
- 表題
- (改正前)株主の権利の行使に関する利益供与の罪
- (改正後)株主等の権利の行使に関する利益供与の罪
- 第1項
- (改正前)
- 株主の権利の行使に関し、
- (改正後)
- 第3項
- (改正前)
- 株主の権利の行使に関し、株式会社又はその子会社の計算
- (改正後)
- 株主の権利、株式会社に係る適格旧株主の権利又は株式会社の最終完全親会社等の株主の権利の行使に関し、当該株式会社又はその子会社の計算
解説
編集関連条文
編集- 会社法第120条(株主の権利の行使に関する利益の供与)
判例
編集- 損害賠償請求事件(最高裁判決 平成18年4月10日)商法(平成12年法律第90号による改正前のもの)294条ノ2,商法(平成15年法律第134号による改正前のもの)266条1項2号
- cf.会社法第355条判例
- 会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為と商法294条ノ2第1項にいう「株主ノ権利ノ行使ニ関シ」利益を供与する行為
- 会社から見て好ましくないと判断される株主が議決権等の株主の権利を行使することを回避する目的で,当該株主から株式を譲り受けるための対価を何人かに供与する行為は,商法294条ノ2第1項にいう「株主ノ権利ノ行使ニ関シ」利益を供与する行為に当たる。
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