条文

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(往来危険)

第125条
  1. 鉄道若しくはその標識を損壊し、又はその他の方法により、汽車又は電車の往来の危険を生じさせた者は、2年以上の有期拘禁刑に処する。
  2. 灯台若しくは浮標を損壊し、又はその他の方法により、艦船の往来の危険を生じさせた者も、前項と同様とする。

改正経緯

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2022年、以下のとおり改正(施行日2025年6月1日)。

(改正前)懲役
(改正後)拘禁刑

解説

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本条における「鉄道」とは、鉄道交通の軌道、いわゆる「線路」設備を指す。

参照条文

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  • 第127条(往来危険による汽車転覆等)
  • 第128条(未遂罪)
    未遂は、罰する。

判例

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  1. 大審院昭和 2年 4月12日
    汽車の往来に危険を生せしむることを知て石塊を軌道に横へたるときは刑法第125条第1項の罪は既に成立し現に其の石塊に衝突したる列車か犯人の目的としたるものなると否とに依り犯罪の成否に消長を来ささるものとす
  2. 業務妨害、電車往来危険(最高裁判決昭和36年12月 1日)
    刑法第125条第1項の電車往来危険の意義。
    刑法第125条第1項の電車往来危険罪における危険とは、電車の顛覆、衝突等の事故発生の可能性ある状態をいう。
    • 京浜東北線のストライキ中、労働組合員が、業務命令によらない電車を「人民電車」と称して、この線路の上を走らせたと言う事件。この場合、京浜東北線はストライキのため、他の電車は走っていないから、衝突の危険は無い。当時は山手線もある区間は京浜東北線と同じ線路を走っていたが、山手線はこの共通線路に入るところで皆進入を停止させられていて、共通線路に入る事はなかった。ただそのため、山手線の運行に混雑をきたした。この運行の混雑のために事故発生の可能性が皆無でないとして、最高裁判所はこれを有罪とした。
      →具体的危険とまで言えるかは疑問(平野龍一

前条:
刑法第124条
(往来妨害及び同致死傷)
刑法
第2編 罪
第11章 往来を妨害する罪
次条:
刑法第126条
(汽車転覆等及び同致死)
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