条文編集

(威力業務妨害)

第234条
威力を用いて人の業務を妨害した者も、前条の例による。

解説編集

参照条文編集

判例編集

  • 暴力行為等処罰に関する法第律違反・業務妨害、建造物侵入、窃盗(最高裁判決 昭和26年07月18日)
    公務員に対する威力の誇示と業務妨害罪の成否
    以上の如き被告人等の行為(スクラムを組み労働歌を高唱して気勢を挙げた行為)が暴力でないとすれば威力であるから、公務員執行妨害罪が成立しないとしても業務妨害罪が成立すると主張するのであるか、業務妨害罪にいわゆる業務の中には、公務員の職務は含まれないものと解するを相当とするから、公務員の公務執行に対し、かりに暴行又は脅迫に達しない程度の威力を用いたからといつて業務妨害罪が成立すると解することはできない。
  • 住居侵入、業務妨害(最高裁判決 昭和28年01月30日)刑法第233条
    刑法第234条にいう「業務ヲ妨害シタル」ことの意義
    刑法第234条の業務妨害罪にいう「業務ヲ妨害シタル」こととは、具体的な個々の現実に執行している業務の執行を妨害する行為のみならず、被害者の当該業務における地位にかんがみ、その遂行すべき業務の経営を阻害するにたる一切の行為を指称する。
    同条にいう「威力」の意義
    同条にいう「威力」とは、犯人の威勢、人数および四囲の状勢よりみて被害者の事由意思を制圧するにたる勢力を指称する。
  • 威力業務妨害(最高裁判決 昭和41年11月30日)
    国鉄の事業ないし業務は刑法第233条、第234条にいう業務に含まれるか
    国鉄の行なう事業ないし業務は、刑法第233条、第234条にいう業務に含まれる。
    • 上告人(被告人)の主張
      国鉄は公務及び業務の両面において二重に保護を受けることとなり、民営鉄道に対比し、法律上の保護に差別を生じ、憲法一四条に定める法の下における平等の原則に反する結果となるのみならず、従来の判例理論が判然と区別していた右業務と公務との両者の関係を不明確ならしめ、不明確な規準の下に法の適用をはかることになり、憲法第31条の罪刑法定主義の精神に反する結果となる。
    • 判決理由
      その行う事業ないし業務の実態は、運輸を目的とする鉄道事業その他これに関連する事業ないし業務であつて、国若しくは公共団体又はその職員の行う権力的作用を伴う職務ではなく、民営鉄道のそれと何ら異なるところはないのであるから、民営鉄道職員の行う現業業務は刑法第233条、第234条の業務妨害罪の対象となるが、国鉄職員の行う現業業務は、その職員が法令により公務に従事する者とみなされているというだけの理由で業務妨害罪の対象とならないとする合理的理由はない。
    国鉄の業務と民営鉄道の業務との間の法律上の保護の差異と憲法第14条
    国鉄の業務が、これに対する妨害に対し、業務妨害罪または公務執行妨害罪の保護を受け、民営鉄道の業務との間に、法律上の保護に差異があることは、憲法第14条に違反しない。
  • 威力業務妨害(最高裁決定 昭和59年03月23日)軽犯罪法第1条31号
    弁護士の業務用鞄の奪取隠匿行為が刑法234条にいう「威力ヲ用ヒ」た場合にあたるとされた事例
    弁護士からその業務にとつて重要な書類が在中する鞄を奪取して隠匿する行為は、刑法234条にいう「威力ヲ用ヒ」た場合にあたる。
  • 建造物侵入、威力業務妨害(最高裁決定 昭和62年03月12日)
    県議会委員会の条例案採決等の事務と威力業務妨害罪にいう[業務]
    県議会委員会の条例案採決等の事務は、威力業務妨害罪にいう[業務]に当たる。
  • 威力業務妨害(最高裁決定 平成4年11月27日)軽犯罪法第1条31号
    猫の死がいを被害者の事務机引き出し内に入れておき同人に発見させるなどした行為が刑法234条にいう「威力ヲ用ヒ」た場合に当たるとされた事例
    被害者の事務机引き出し内に赤く染めた猫の死がいを入れておくなどして、被害者にこれを発見させ、畏怖させるに足りる状態においた一連の行為は、刑法234条にいう「威力ヲ用ヒ」た場合に当たる。
  • 業務妨害被告事件(最高裁決定 平成12年02月17日)刑法第(平成7年法第律第91号による改正前のもの)233条
    公職選挙法上の選挙長の立候補届出受理事務と業務妨害罪にいう「業務」
    公職選挙法上の選挙長の立候補届出受理事務は、業務妨害罪にいう「業務」に当たる。
  • 威力業務妨害被告事件(最高裁決定 平成14年09月30日)
    東京都による動く歩道の設置に伴う環境整備工事が威力業務妨害罪にいう「業務」に当たるとされた事例
    東京都が都道である通路に動く歩道を設置するため,通路上に起居する路上生活者に対して自主的に退去するよう説得して退去させた後,通路上に残された段ボール小屋等を撤去することなどを内容とする環境整備工事は,自主的に退去しなかった路上生活者が警察官によって排除,連行された後,その意思に反して段ボール小屋を撤去した場合であっても,威力業務妨害罪にいう「業務」に当たる。
    東京都による動く歩道の設置に伴う環境整備工事に威力業務妨害罪としての要保護性が肯定された事例
    東京都が都道である通路に動く歩道を設置するため,通路上に起居する路上生活者に対して自主的に退去するよう説得して退去させた後,通路上に残された段ボール小屋等を撤去することなどを内容とする環境整備工事は,自主的に退去しなかった路上生活者が警察官によって排除,連行された後,その意思に反して段ボール小屋を撤去するに及んだものであっても,同工事が公共目的に基づくものであるのに対し,路上生活者は通路を不法に占拠していた者であり,行政代執行の手続を採ってもその実効性が期し難かったことなど判示の事実関係の下では,威力業務妨害罪としての要保護性を失わせるような法的瑕疵を有しない。

前条:
刑法第233条
(信用毀損及び業務妨害)
刑法
第2編 罪
第35章 信用及び業務に対する罪
次条:
刑法第234条の2
(電子計算機損壊等業務妨害)


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