条文

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(盗品譲受け等)

第256条
  1. 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物を無償で譲り受けた者は、3年以下の拘禁刑に処する。
  2. 前項に規定する物を運搬し、保管し、若しくは有償で譲り受け、又はその有償の処分のあっせんをした者は、10年以下の拘禁刑及び50万円以下の罰金に処する。

改正経緯

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2022年、以下のとおり改正(施行日2025年6月1日)。

(改正前)懲役
(改正後)拘禁刑

解説

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Wikipedia
ウィキペディア盗品等関与罪の記事があります。
1項は盗品をただで貰うこと、2項前段は盗品の運搬、保管、購入について、後段は盗品を買ってくれる人を探す行為を処罰する規定である。
判例等で出現する刑法現代語化改正前の用語との対応は以下のとおり。
  • 贓物(賍物)- 盗品その他財産に対する罪に当たる行為によって領得された物
    改正前は、財産取得罪以外(収賄罪など)により取得された財物も含まれるとする説もあったが、改正により範囲が限定された。
  • 収受 - 無償の譲り受け
  • 寄蔵 - 保管
  • 故買 - 有償の譲り受け
  • 牙保 - 有償の処分のあっせん

参照条文

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判例

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  1. 賍物故買(最高裁判決 昭和23年3月16日)刑法38条
    犯罪構成要件たる事実の一小部分に付き被告人の自白以外他に証拠なき場合
    賍物故買罪は賍物であることを知りながらこれを買受けることによつて成立するものであるが、その故意が成立する爲めには必ずしも買受くべき物が賍物であることを確定的に知つて居ることを必要としない或は賍物であるかも知れないと思いながらしかも敢てこれを買受ける意思(いわゆる未必の故意)があれば足りるものと解すべきである。
  2. 窃盗教唆、賍物故買(最高裁判決 昭和23年11月18日)刑法19条,刑訴法373条,刑訴法49条1項,刑訴法373条2号
    1. 賍物の対価として得た物を没収するにはその対価を得た行為が犯罪を構成することを必要とするか
      物の対価を得た行為(本件では賍物の売買行為)が犯罪を構成する場合でなければ、その対価の没収の言渡ができぬと論ずるのは全くの独断である。犯罪行為によつて得た対価を没収するのであれば同項第3号によるのであつて、第4号によるのではない。そして第4号の対価を取得する行為については、それが犯罪を構成することを要件とするものでないことは規定上も明らかである。
      -賍物の対価として得た物を没収するには、その対価を得た行為が犯罪を構成することを必要としない。
    2. 賍物の対価として得た金錢は没収し得るか
      刑法第19条第1項第4号の規定は独立した没収事由として追加規定せられたものであるから、同号を適用するのに前号所定の物が同条第2項の規定により没収し得るものであることを前提とすべき理由は毫も存しない、それ故前記贓品の対価物たる押収金全額は、犯人以外の者に属せざる限り没収し得る訳である。
      -賍物の対価として得た金銭は、その賍物が犯人以外の者に属する場合においても、その金銭が犯人の所有である限り、これを没収することができる。
    3. 公定価格ある賍物の対価として得た金銭に対する被害者の交付請求権の範囲
      本件では刑訴第373条第2項の規定に基き贓物の対価物につき被害者から交付の請求があつた。普通の場合であつたならば、対価物の全部を被害者に還付すべきであろうが既に贓物は処分せられた後のことであるから、被害者が犯人に対して損害賠償として交付を請求し得るのは、法令の許容する価額を標準とすべきであり、従つて本件においては「みのり」1100個、「きんし」6000本に対する処分当時の公定価額3240円に相当する押收現金の還付であると言わねばならぬ。されば、原判決がこれを被害者に還付する言渡をなし、これを差引きたる押收金の殘額25,595円を没収したのは正当である
      -公定価格ある賍物の対価として得た金銭は、処分当時の公定価格に相当する金額の範囲内において、被害者は、その交付を請求することができる。
  3. 賍物牙保、賍物故買(最高裁判決 昭和24年10月5日)刑法38条
    賍物罪の成立に必要な賍物たることの認識の程度
    贓物に関する罪の成立に必要な贓物たることの知情は、財産罪により不法に領得された物であることを認識すれば足りるのであつて、その物が何人のいかなる犯行によつて不法に領得されたかの具体的事実までをも認識することを要するものではない。

前条:
刑法第255条
(準用)
刑法
第2編 罪
第39章 盗品等に関する罪
次条:
刑法第257条
(親族等の間の犯罪に関する特例)
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