大学受験数学 三角関数/公式集も参照
初等幾何における三角比の利用は以下を参照
- 正弦定理
- 正弦定理の応用
- 余弦定理
- 第一余弦定理
- 第二余弦定理
- 中線定理とスチュワートの定理
- 三角形における正接の性質
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- (ピタゴラスの基本三角公式)
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- 鋭角における三角比の相互関係(三角比のいずれかが有理数で表されている場合に有用)
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- であるとき。 ,
- であるとき。 ,
- であるとき。 ,
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証明は高等学校数学II/三角関数#加法定理を参照
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(すべて複号同順)
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- なお、余角の公式から、
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加法定理で、 として、
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- ← 倍角の公式より、
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- ← 倍角の公式より、
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- (拡張) とするとき、
- ← を について解く。
- ← に を代入する。
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- 余角の公式より、等式: が成立する。
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- ここで、 とおくと、 となり、二倍角の公式及び三倍角の公式から、 。
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- さらに、 とおいて、方程式: を得る。
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- これを解いて、 。 であるので、 、従って、
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- (計算過程・有理化は略)
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- 余角の公式より、等式: が成立する。
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- , ,
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- ※ の正弦・余弦の値を元に、 の三角比の値を求めることができる(参考参照)。
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- ただし、
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- ただし、
覚え方
- 位相を すると微分になると覚えましょう。 の三角関数も2階微分としてすぐに導出できます。 の三角関数は積分として覚えられます。また、点 を 回転した点 は原点を中心に点対称移動した点 であることからも、 の三角関数を導出できます。
- の三角関数は、点 を 軸で線対称移動移動した点が であることから導出できます。
- 加法定理は「咲いたコスモスコスモス咲いた」、「コスモスコスモス咲いた咲いた」という語呂合せがあります。
- の倍角の公式 は という形を覚えて は符号が 、1 の符号はその逆と覚えます。
- 2乗の三角関数 は、 という形を覚えて、 は符号が と考えます。
- 正弦合成では、Oを原点とするxy平面上に点P(a, b)をとったときの線分OPの長さがサインの係数、直線OPの傾き が の値 と考えます。
- 余弦合成では、Oを原点とするxy平面上に点Q(b, a)をとったときの線分OQの長さがコサインの係数、直線OQの傾き が の値 と考えます。
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(赤)と (青)のグラフ
と の周期性
- 関数 の性質
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- であり、 を周期とする周期関数である。
- 従って、 が、すべての整数 について成立している。
- すべての実数 について、 は一意に決まるので、全実数が定義域となる。
- について、区間 の値域をとる。
- 全ての について、 が成立するので奇関数である。すなわち、グラフは原点について点対称である。
- 関数 の性質
-
- であり、 を周期とする周期関数である。
- 従って、 が、すべての整数 について成立している。
- すべての実数 について、 は一意に決まるので、全実数が定義域となる。
- について、区間 の値域をとる。
- 全ての について、 が成立するので偶関数である。すなわち、グラフは 軸について線対称である。
- 関数 , のグラフ
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- いわゆる、サインカーブを描く。
- から、 のグラフは、 のグラフを左に 平行移動させたものとなる(初等数学公式集/解析幾何#平行移動参照)。
- 微分の知識を要するが、 であるため、 の各点における接線の傾きは、 となっている。
と の値
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のグラフ
- 関数 の性質
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- であり、 を周期とする周期関数である。
- 従って、 が、すべての整数 について成立している。
- 整数 について である時には、 は定義されないが、そのほかの場合については、すべての実数 について、 は一意に決まるので、 を除く全実数が定義域となる。
- について、値域は全実数となる。
- 全ての について、 が成立するので奇関数である。すなわち、グラフは原点について点対称である。
- 整数 について である時、 であり、接線の傾きは となる。
- 直線: は、 が左から近づく場合は正に無限大[1]、右から近づく場合は負に無限大[2]となる漸近線となる。
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と の値
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式変形などを経て、最終的に ( は実数)などの形式となった の値を求める方程式。
- は周期関数なので、 の存在範囲に条件がついていない場合は、無数に解は存在し、一般解での回答を求められる。
- 以下、 として、
- 方程式:
- であるとき、 も解となる。
- を周期とするから、一般解は、 ( は整数)、または、 ( は整数)である。
- 方程式:
- であるとき、 も解となる。
- を周期とするから、一般解は、 ( は整数)である。
- 方程式:
- であるとき、 も解となる。
- を周期とするから、一般解は、 ( は整数)である。
-
- であるので、式変形の途中で のような式が出ても解く必要はない。
- (例)方程式
- にそろえる。
- 移項して、
- なので、 従って、
-
初等数学(高等学校履修過程)においては、 は有名角 は整数 が解となるケースのみである。その他の角が解となるケースは誘導となる問がつく。
- 最終的に解く方程式は以下のものに集約される。
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- 以下に、 とその解の対応表を示す。 については上記の表を参照。
とその解
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とその解
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三角方程式同様に、式変形などを経て、最終的に ( は実数)などの形式となった の範囲を求める。
- 境界の値は、不等号を等号に変えた方程式を解くことによって得られる(したがって、高校数学においては境界の値も有名角である)。
- の存在範囲に条件がついていない場合の周期関数の対応は三角方程式と同様。周期1単位( の場合 。 の場合 )を標準としたものとして扱い、周期の整数倍を加算することで、一般解を得られる。特に、 の場合は単位円を想定し、 については を対称軸、 については を対称軸として、なす角 の前後表現とすると、各々、 のように閉じた不等号表現となる。また、 の場合は、関数の連続性に配慮して、 で捉えた方が良い。
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- (例題)
- 境界は、 および であって、 となる(単位円を想定するとイメージしやすい)。
- は を周期とするから、一般解は、 ( は整数)となる。
-
- であるので、式変形の途中で や のような式が出ても解く必要はないが、不等号の向きが変わる場合があるので注意する。
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- (例1)不等式
- にそろえる。
- 移項して、
- なので、 従って、
-
- (例2)不等式
- なので、
- を移項して因数分解すると、
- なので、 従って、
- を正の実数、 を実数とすると以下の関係が成立する(詳細は初等数学公式集/初等代数#指数の計算参照)。
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- ※厳密に「指数法則」という場合は、上記、2、4、5、即ち、 、 、 を指す(除算は、分数の乗算とする)。
- を実数とし、 かつ であるとする。
- である時、指数 を、 を底とする の対数と呼び、それを数式で と書く。この時、 を真数と呼び、真数は常に正となる。
- 対数の計算は、指数の計算の逆演算となるので、上記の指数法則に対応した基本性質を得ることができる。
- ,
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- 上記指数則1. より。
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- 上記指数則2. より。
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- 上記指数則3. より。
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- 、上記2.より、
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- 指数法則より、 を有理数に拡張すると、 を整数として、 。なお、 は実数全体に拡張されている。
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- また、上記指数則4. より、
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- (底の変換公式)
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- 特に、 , ,
-
- (証明)
- に の関係が成立しているのならば、対数の定義より である。
- ここで、 について、底を とする対数の関係式に変形すると、 より、 となる。
- 1.と2.から、 となる。
以上をまとめる。
- ,
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- (底の変換公式)
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- 特に、 , ,
- 底が である対数を特に常用対数といい、現在においては、10進法で表記した場合の桁数の計算などに用いられる[3]。表記においては底を省略して と記述されることも多い[4]。
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- 例示すると、 は、5桁の数であるが、これは、 に すなわち、 をかけた数であり、常用対数を用いると
- となり、整数部に を得る。
- このように、真数が1より大きければ、常用対数の値の整数部分に1を加えたものが、その数の10進法における桁数となる。
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- また、真数が1未満の場合(例: )を示す。 は、 に すなわち、 をかけた数であり、常用対数を用いると
- となり、整数部に を得る。
- この場合、最初に、 ではない数値が出現するのは、小数点以下3桁目であり整数部と絶対値が一致している。
-
- まとめると、正の実数 について、常用対数 をとった時、その整数部分 を指標、少数部分 を仮数といい、
-
- ならば、桁数は となり、 ならば、少数第 まで が続き、その次位に初めて ではない数値が出現する。
-
- 個々の常用対数の値を記憶する必要はないが(通常、問題文で示される)、頻用されるものは以下のとおりである。
- , ,
-
- [例題]
- の桁数を求めよ。
- (Ans)
- 、指標が であるので、 桁の数となる(実際の計算結果は )。
- の桁数を求めよ。
- (Ans)
-
- 指標が であるので、 桁の数となる(実際の計算結果は )。
- の小数点以下第何位に、最初に ではない数値が出現するか。
- (Ans)
- 、
- 指標が であるので、小数点以下第 位に ではない数値が出現する(実際の計算結果は )。
のグラフ
(実線)と (破線)のグラフ
実数: を変数として、実数: (ただし、 ) を底として、 であるものを指数関数という。
- 関数の性質
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- すべての実数 について、 は一意に決まるので、全実数が定義域となる。
- について、 の値域をとる。
- 点 を通る。
- 底が を超える場合と 未満の場合
- 底 について、 であるとき、
- は単調に増加する。
- 底 とする指数関数 を比較するとき、
- において、
- において、
- を負に無限大とすると に収束する 。
- 漸近線は 軸。
- 底 について、 であるとき、
- 底が を超えるときと、 軸を対象に逆にふるまう。
- とすると、 のグラフは、 のグラフと 軸に関して線対称となる。
- → 任意の正の実数である底 について、 のグラフと のグラフは、 軸に関して線対称である。
- は単調に減少する。
- 底 とする指数関数 を比較するとき、
- において、
- において、
- を正に無限大とすると に収束する 。
- 漸近線は 軸。
対数関数は指数関数の逆関数であるので に関して線対称となる。
底の異なる対数関数。底の大きさは、青・黒・緑の順である。
底が1未満(青色:ここでは )の例。最も上の と 軸に関して線対称となっている。
実数: を変数として、実数: (ただし、 ) を底として、 であるものを対数関数という。
対数関数: は、指数関数: の逆関数であるので、指数関数と挙動が対照的なものとなる。
- 関数の性質
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- 実数 について、 以下は定義できない。 を超えるすべての実数 について、 は一意に決まるので、 を超える全実数が定義域となる。
- については、すべての実数が値域となる。
- 点 を通る。
- 対数の底が を超える場合と 未満の場合
- 底 について、 であるとき、
- は単調に増加する。
- 底 とする対数関数 を比較するとき、
- において、
- において、
- を無限に小さくすると負の無限大となる 。
- 漸近線は 軸。
- 底 について、 であるとき、
- 対数の底が を超えるときと、 軸を対象に逆にふるまう。
- とすると、 のグラフは、 のグラフと 軸に関して線対称となる。
- → に対して となるため、そのグラフは、 軸に関して線対称である。
- は単調に減少する。
- 底 とする指数関数 を比較するとき、
- において、
- において、
- を無限に小さくすると正の無限大となる 。
- 漸近線は 軸。
- 指数方程式
- (ただし、 , は実数)を満たす実数 [5]を解く。
- [5]
- 式変形の途中で のような式で出てきても解く必要はない。
- (例)
- 移項・因数分解して、
- なので、 従って、
- ならば、
- ならば、
- 指数不等式
- (ただし、 , は実数)を満たす実数 の範囲を求める。
- 境界の値の求め方は指数方程式を参照。
- であるので、式変形の途中で のような式になった場合、 とできる。
- 底の値による以下の点に注意。
- であるとき、
- であるとき、
- (例)
- 因数分解して、
- が境界となることがわかる。
- であるとき、
- であるとき、
- となる。
- 対数方程式
- (ただし、 は実数)を満たす実数 を解く。
- であり、 が未知数であれば、 の条件がつく。
- ならば、
- ならば、
- 対数不等式
- (ただし、 は実数)を満たす実数 の範囲を求める。
- 境界の値の求め方は対数方程式を参照。
- である(真数の存在条件/真数条件)。
- 底の値による以下の点に注意。
- であるとき、
- であるとき、
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- (例題)
- 真数の存在条件より、 かつ 、したがって、
- ならば、 したがって、
- ならば、 したがって、
初等数学では分母・分子とも一次次以下の多項式である分数関数のみ登場する。
- のグラフはx軸、y軸を漸近線とする直角双曲線である。(45°回転すれば双曲線の方程式に一致するので)
分数方程式・分数不等式
初等数学では、根号が平方根且つ中身が二次以下の多項式である無理関数のみ登場する。
のグラフは放物線 の上半分である。
無理方程式・無理不等式
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- ^ 対数は、16世紀から17世紀にかけスコットランドの数学者ジョン・ネイピアにより、概念が考案されたが、元は、天文学や航海術における位置を特定するための天体計算に関して、大きな数の掛け算を足し算に変換することを目的とした、各種計算の便法でもあった。現在でも、地震のマグニチュードの表記 、
水素イオン指数 、デシベル 等常用対数を用いて表示するものも多い。
- ^ ただし、数学(高等学校課程では数Ⅲ以上)において と記述された場合、その底は「自然対数の底(ネイピア数): 」である場合が多い(工学関係で、常用対数と自然対数を混用する場合は、自然対数を と記述することが多い)。
- ^ 5.0 5.1 初等教育の範囲を超えるが、取り扱いを複素数まで拡張すると、 が複素数である場合や となる場合であっても、解を得ることができる場合もある(参考:2のi乗の求め方)。ただし、 のような式には、実数範囲でも複素数範囲でも解は存在しない。
- ^ より、一次項の係数及び定数項を二次行列 として考えると、逆関数の一次の項の係数及び定数項は に対応する。
- ^ ただし、三角関数・双曲線関数のみ である。