蒸籠(せいろ、せいろう)は、竹や木を編んで作られた蒸し料理用の調理器具です。蒸し器の一種で、円形の枠に竹や木(杉や檜など)を編み込んだ、容器にあたる身と呼ばれる部分と、それにかぶせるように取り付けられた蓋の部分からなるものが基本形です。角蒸籠のように四角形の場合もあります。

蒸籠は、沸騰した湯の入った鍋(中華鍋円付鍋)などの上に置き、内部に加熱された水蒸気を通すことで食材を加熱調理します。調理するものによってさまざまな大きさのものがあり、さらに蒸籠は構造によって中華蒸籠和蒸籠に分類されます。中華蒸籠は竹で編まれた底とふたが一体になっているのに対し、和蒸籠は底の部分が着脱可能なすのこになっているものが多いです。その名が示すとおり、通常中華蒸籠中華料理(主に点心)、和蒸籠和食に用いられますが、基本的な構造や使用法は変わらないため、どちらをどちらに使っても支障はありません。和蒸籠には四角いものも多いです。

調理時には中身が蒸籠に張り付くことを防ぐとともに取り出しを容易にするために蒸し布(ふかし布)が用いられることもあります。

なお、中華料理店では、小籠包は中型の、エビ餃子焼売などの点心については小型の中華蒸籠(小籠)に入れたまま出されることが多いです。

使用方法

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蒸籠を使用する際には、まず鍋で水を沸騰させて蒸し湯を作ります。その鍋の上に食材を入れた蒸籠を置き、蓋をして加熱します。蒸し時間や火加減は、調理する食材によって異なります。蒸籠は竹や木でできているため、食材の風味を損なわず、優れた通気性を持ち、適度な湿度で蒸すことができます。

蕎麦蒸籠

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蕎麦蒸籠は、そばを盛るための蒸籠型(外枠があり底を簀としている)の容器です。このような蒸籠にのせた蕎麦は「せいろそば」と呼ばれています。本来は十割蕎麦を蒸して、そのまま出すのに用いられた蒸し器です(詳細は「蕎麦」を参照)。

薬用

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明の李時珍が編纂した『本草綱目』には薬材として蒸籠が掲載されています。使い古したものから竹を取り外し、箒、草履及び蛇の抜け殻と共に焼いて灰を取り、白癜風(白なまず)の塗り薬とするとの記載があります。

蒸籠は、蒸し料理において欠かせない調理器具であり、その特性を活かして多様な料理を楽しむことができます。中華料理や和食に広く使われる蒸籠を活用して、ヘルシーで美味しい蒸し料理を楽しんでみてください。

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