日本国憲法第43条
条文
編集【両議院の組織】
- 第43条
- 両議院は、全国民を代表する選挙された議員でこれを組織する。
- 両議院の議員の定数は、法律でこれを定める。
解説
編集参照条文
編集判例
編集- 選挙無効(最高裁判決昭和58年4月27日)憲法第14条第1項、憲法第15条第1項〜第3項、憲法第44条但書(人口比例主義から見た場合の合憲性)、公職選挙法第14条(昭和57年法律第81号による改正前のもの)
- 公職選挙法14条、同法別表第2による選挙区及び議員定数の定めの合憲性
- 公職選挙法14条、同法別表第2による選挙区及び議員定数の定めは、昭和52年7月10日の参議院議員選挙当時、憲法14条1項、15条1ないし3項、43条1項、44条但し書に違反するに至つていたものとはいえない。
- 上告人らは、両議院は全国民を代表する選挙された議員でこれを組織すると定めた憲法43条1項の規定は参議院地方選出議員の議員定数の各選挙区への配分についても厳格な人口比例主義を唯一の基準とすべきことを要求するものであり、右のように地域代表の要素を反映した定数配分は憲法の右規定に違反する旨主張するけれども、右規定にいう議員の国民代表的性格とは、本来的には、両議院の議員は、その選出方法がどのようなものであるかにかかわらず特定の階級、党派、地域住民など一部の国民を代表するものではなく全国民を代表するものであつて、選挙人の指図に拘束されることなく独立して全国民のために行動すべき使命を有するものであるということを意味し、右規定が両議院の議員の選挙の仕組みについてなんらかの意味を有するとしても、全国を幾つかの選挙区に分けて選挙を行う場合には常に各選挙区への議員定数の配分につき厳格な人口比例主義を唯一、絶対の基準とすべきことまで要求するものとは解されないし、前記のような形で参議院地方選出議員の選挙の仕組みについて事実上都道府県代表的な意義ないし機能を有する要素を加味したからといつて、これによつて選出された議員が全国民の代表であるという性格と矛盾抵触することになるものということもできない。
- 選挙無効請求事件(最高裁判決平成11年11月10日)憲法第15条第1項/第3項、憲法第44条但書、公職選挙法86条の2、公職選挙法95条の2、憲法第14条第1項、憲法第44条、公職選挙法第87条、公職選挙法第46条第2項
- 公職選挙法が衆議院議員選挙につき採用している重複立候補制の合憲性
- 所定の要件を充足する政党その他の政治団体に所属する候補者に限り衆議院小選挙区選出議員の選挙と衆議院比例代表選出議員の選挙とに重複して立候補することを認め、重複立候補者が前者の選挙において当選人とされなかった場合でも後者の選挙においては候補者名簿の順位に従って当選人となることができるなどと定めている公職選挙法の規定は、憲法14条1項、15条1項、3項、43条1項、44条に違反するとはいえない。
- 公職選挙法が衆議院議員選挙につき採用している比例代表制の合憲性
- 公職選挙法が衆議院議員選挙につき採用している比例代表制は、憲法15条1項、3項、43条1項に違反するとはいえない。
- 公職選挙法が衆議院議員選挙につき採用している重複立候補制の合憲性
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