法学民事法民法コンメンタール民法第2編 物権 (コンメンタール民法)

条文

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物権の設定及び移転)

第176条
物権の設定及び移転は、当事者意思表示のみによって、その効力を生ずる。

解説

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物権変動についての規定である。 フランス流の意思主義をとることを定める。

参照条文

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判例

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  1. 水利権確認等請求(最高裁判決 昭和25年12月01日)
    河川使用権の範囲
    居住地域から流木することによつて取得した慣習上の河川使用権は、その地域の上流に及ばない。
  2. 不動産所有権移転登記手続等請求 (最高裁判決 昭和33年06月20日)
    特定物の売買と所有権移転の時期
    売主の所有に属する特定物を目的とする売買においては、特にその所有権の移転が将来なされるべき約旨に出たものでないかぎり、買主に対し直ちに所有権移転の効力を生ずるものと解するを相当とする
  3. 建物収去土地明渡請求 (最高裁判決 昭和35年06月17日)民法第177条
    敷地不法占有と家屋収去請求の相手方。
    仮処分申請に基き、裁判所の嘱託により家屋所有権保存登記がなされている場合であつても、仮処分前に家屋を未登記のまま第三者に譲渡しその敷地を占拠していない右保存登記名義人に対し、敷地所有者から敷地不法占有を理由として家屋収去請求をすることは許されない。
  4. 損害賠償請求(最高裁判決 昭和35年06月24日)
    不特定物の売買における目的物所有権移転時期
    不特定物の売買においては、特段の事情のないかぎり、目的物が特定した時に買主に所有権が移転するものと解すべきである。
  5. 第三者異議(最高裁判決 昭和40年11月19日) 民法第555条民法第560条
    特定物の売買後売主が物件の所有権を取得したときと買主への所有権移転の時期・方法。
    売主が第三者所有の特定物を売り渡した後右物件の所有権を取得した場合には、買主への所有権移転の時期・方法について特段の約定がないかぎり、右物件の所有権は、なんらの意思表示がなくても、売主の所有権取得と同時に買主に移転する。

前条:
民法第175条
(物権の創設) )
民法
第2編 物権
第1章 総則
次条:
民法第177条
(不動産に関する物権の変動の対抗要件)
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