民法第308条
条文
編集(雇用関係の先取特権)
- 第308条
- 雇用関係の先取特権は、給料その他債務者と使用人との間の雇用関係に基づいて生じた債権について存在する。
改正経緯
編集2003年(平成15年)改正以前は、以下の条文であったが、現行の趣旨に改正された。
- 雇人給料ノ先取特権ハ債務者ノ雇人カ受クヘキ最後ノ六个月間ノ給料ニ付キ存在ス
解説
編集参照条文
編集判例
編集- 破産債権優先権確認請求(通称 江戸川製作所退職金請求)(最高裁判例 昭和44年09月02日)民法第174条の2,民法第306条,破産法第242条
- 退職金債権と一般の先取特権
- 給料の後払いとしての性格を有する退職金債権については、その最後の6か月間の給料相当額について一般の先取特権があると解すべきである。
- 6か月間の部分は2003年(平成15年)改正前の制約であるので、期間に関するものは現在は無視して良い。雇用期間にわたって発生した退職金全額が先取特権の対象となる。
- 配当異議(通称 下山組賃金請求)(最高裁判例 昭和47年09月07日)民法第306条2号
- 民法306条2号、308条にいう「雇人」の意義
- 民法306条2号、308条にいう「雇人」とは、雇傭契約によつて労務を供給する者を指すものと解すべきである。
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