法学民事法民法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)

条文

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責任能力

第712条
未成年者は、他人に損害を加えた場合において、自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかったときは、その行為について賠償の責任を負わない。

解説

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Wikipedia
ウィキペディア責任能力#民法上の責任能力の記事があります。

責任無能力者の行為については、不法行為責任は発生しないとされる。未成年者のうち、「自己の責任を弁識するに足りる知能を備えていなかった」と判断された場合は、責任無能力者の行為として、不法行為責任は不発生となる。

このことから被害者救済のため第714条で責任無能力者の監督義務者等の責任が定められている。

本条の適用基準の目安は11~12歳程度と言われている。

参照条文

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判例

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  • 損害賠償請求(最高裁判決 昭和37年2月27日)民法709条民法714条
    「鬼ごつこ」中の傷害行為に違法性がないとされた事例
    小学校二年生の児童甲が「鬼ごつこ」中に一年生の児童乙に背負われて逃げようとし、判示の事情のもとに過つて乙児童を転倒させ、よつて右上腕骨骨折の負傷を与えた場合、右傷害行為は、違法性がない。
    (事案)
    小学校の二年生であつたDが小学校の校舎で学友らと「鬼ごつこ」をして遊戯中、当時同小学校の一年生であつたAが附近に立つていたので、Dが学友から追つかけられていた際であり、逃げるためにAに「背負うて」と頼むと、Aはこれを承諾して背を向けたので、Dは急いでAの背に負われると同時に「走つてんか」といつてAに走るよう促したところ、Aは走ろうとしてその場にDを背負うたまま転倒し、そのためAが傷害を負うた。
    (判決理由)
    自己の行為の責任を弁識するに足りる知能を具えない児童が「鬼ごつこ」なる一般に容認される遊戯中前示の事情の下に他人に加えた傷害行為は、特段の事情の認められない限り、該行為の違法性を阻却すべき事由あるものと解するのが相当である。

前条:
民法第711条
(近親者に対する損害の賠償)
民法
第3編 債権
第5章 不法行為
次条:
民法第713条
(責任能力)
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