民法第783条
条文編集
(胎児又は死亡した子の認知)
- 第783条
- 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。
- 父又は母は、死亡した子でも、その直系卑属があるときに限り、認知することができる。この場合において、その直系卑属が成年者であるときは、その承諾を得なければならない。
解説編集
- 戦後の民法改正においても、明治民法第831条の規定がそのまま受け継がれている。
- 父親の側からする、任意認知については、一定の場合において制約を受けることがある。1項の規定は、母親の名誉を守ることと、母親の確認を経ることにより実体的真実を担保することを目的としている。2項の規定は、裏を返せば、直系卑属を残さずに死亡した子については認知ができないことを意味する。成年の直系卑属については、782条の趣旨と同様の問題が生じる。
参照条文編集
参考文献編集
- 『民法(5)親族・相続(第3版)』有斐閣新書(1989年、有斐閣)105頁-116頁(川田昇執筆部分)
- 泉久雄『親族法』(1997年、有斐閣)204頁-220頁
参考編集
明治民法において、本条には「父母の同意なき婚姻の取消し」に関する以下の規定があったが、戦後改正において削除された。
- 第七百七十二条ノ規定ニ違反シタル婚姻ハ同意ヲ為ス権利ヲ有セシ者ヨリ其取消ヲ裁判所ニ請求スルコトヲ得同意カ詐欺又ハ強迫ニ因リタルトキ亦同シ
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