気象予報士試験/予報業務に関する専門知識

第2章 試験対策: 1 - 2 - 3 - 4

このテキストでは、学科試験のうちの「予報業務に関する専門知識」について解説します。

観測の成果の利用

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が吹いてくる方向のことを風向といいます。36方位による北風の表示は「36」で、南風は「18」で表示されます。風速は10分間の平均風速のことを指し、その最高値のことを最大風速といいます。その日の10分間平均風速の最大値のことは、日最大風速と呼ばれます。10分間平均風速の10分間とは、観測時刻の前10分間のことを指します。なので、0時の観測値は前日24時の値です。その風速が0.2メートル毎秒以下のときは「静穏」とされ、風向は「00」になります。冬季に観測される項目の年統計の期間は、前年8月から当年7月です。

 
10種雲形

空全体が雲やに覆われ隙間がないとき、雲量は10です。 十種雲形において、巻雲は繊細な雲です。高層雲は灰色で一様な層であることが多く、現象は起きません。乱層雲は層状・暗灰色で全天を覆い隠すほど厚く、降水を伴うことがあります。積乱雲は鉛直に立ち上がった巨大な雲で、雷電・強い降水・突風を伴うことが多いです。 快晴雲量が1以下のときの天気です。雲量が2から8でも降水などがあれば現象の方を天気にします。薄雲は、全雲量が9以上で見かけ上最も上層雲が多いときの天気です。ごく小さな水粒が、地面に接した大気中に浮かび水平視程が1km未満のときをといい、1km以上ではもやと呼ばれます。凍雨とは透明な氷粒が降ってくる現象です。空気中の水蒸気が地面や地物に凝結したものをといい、昇華した場合はといいます。地中の水分が地表面に析出・凍結し、氷の結晶になったものを霜柱といいます。

ラジオゾンデまたはレーウィンゾンデの観測高度の上限は約30kmです。ゾンデの高度は、直接測定した気圧・気温・湿度の値から静力学平衡の式と気体の状態方程式を使って求めます。ゾンデの位置は求めた高度と方向探知機で測った方位角・高度角から計算し、風速・風向はその位置の一定時間における変化から計算します。 ウィンドプロファイラは、大気の不均一による屈折率の揺らぎで散乱される電波を受信するドップラーレーダーの一つです。電波の波長は、気象ドップラーレーダーより長いものを用いています。降水がある場合は、降水粒子の散乱によるドップラー効果を利用し、風向・風速を観測しています。降水粒子が真上にあるときは、その落下速度が得られる場合があります。大気が湿って散乱が強いほど返ってくる電波が強くなるので観測高度は高くなります。ウィンドプロファイラの観測データは、大気現象の監視や数値予報の初期値に使われます。 航空機の観測データも随時、客観解析に用いられています。

気象レーダー観測において、融解層ではその部分だけエコー強度が強まります。降水強度を算出するには、降水エコー強度からZ-R関係を用います。レーダーエコー(合成図)は、複数のレーダーの観測結果を1枚の図に合成したもので、10分おきに作られています。線状エコーがその走向と同じ向きに移動すると激しい現象が長く持続します。その走行に対して直角方向に進むと天気は急変します。エコーセルが見られる、孤立した積乱雲の寿命は数十分ほどです。(レーダー・アメダス)解析雨量図は、1時間積算で得られたレーダー雨量をアメダスの実測雨量で補正・解析した雨量の分布図です。 気象ドップラーレーダーは、降水粒子の移動速度を周波数の偏移(ずれ)によって求めます。レーダーと粒子を結ぶ視線方向の速度成分を動径速度といい、これをドップラー効果を利用して求めます。風速の観測以外は上述の一般の気象レーダーと全く同じで、波長帯もZ-R関係による換算も同様です。 雷はノイズとして観測されるので、これとは別に雷検知器を用います。

静止気象衛星は、北極や南極を除く全域の観測ができます。極軌道気象衛星のNOAAは、約12時間で地球全域の観測ができ、気温・水蒸気量の鉛直分布などを観測しています。 可視画像における上層雲は滑らかに広がり、薄いとよく写らないかも知れません。厚い上層雲は可視画像・赤外画像ともに白く写ります。上層雲は偏西風が吹くので移動速度が速いのですが、強いジェット気流による山岳波で停滞する地形性の上層雲もあります。雲の時間変化は上層雲の方が小さいです。 下層雲は、可視画像では明瞭で赤外画像では識別が困難です。可視画像・赤外画像の組み合わせで、「霧または層雲」「積雲などの対流雲」といった識別ができます。可視画像の層積雲は斑状です。可視画像の積乱雲は、表面が凸凹し団塊状です。移動速度は遅く時間変化が大きいです。海氷や雪氷は移動しないので雲と区別できます。 水蒸気画像の暗域は、対流圏中層・上層の水蒸気が少ないことを示しています。 赤外画像と高層気象観測を併用して雲頂高度を得ています。静止気象衛星画像によって風向・風速の観測が行われています。これらの観測データは、空白域の客観解析を改善させます。雲パターンなどからは台風の強度指数を得ています。トランスバースラインの北側にはジェット気流が位置しています。テーパリングクラウドの穂先は積乱雲で、激しい現象が起きやすいです。穂先のさらに先には積雲があります。風の流入と対流雲の発達により、にんじんのような形状で、気象衛星画像において停滞したり風上へ伸びるように見えることもあります。

数値予報モデルは、その格子間隔の5~8倍程度から現象の表現ができます。数値予報による予測が可能な時間は10日から2週間が限度です。摩擦拡散による熱・水蒸気・運動量の輸送、積雲対流による潜熱の放出、太陽の短波放射による加熱などの効果はスケールが小さいのでパラメタリゼーションの手法で物理量に取り入れられます。

プリミティブ方程式の解には慣性重力波が含まれるので、工夫がなされています。水平方向の運動方程式は、「風速の時間変化 = 移流の効果 + コリオリの力 + 気圧傾度力 + 摩擦などの効果」です。移流速度は、ある時刻の物理量が空間的変化をしているときの、格子点の物理量の時間的変化の割合です。コリオリの力は実際に数値計算をします。 観測データの誤りをチェックする品質管理が行われ、第一推定値と大きく異なるデータは使いません。大きく異ならない場合は、それぞれの差を考慮し最適な値を客観解析します。このとき4次元変分法により解析時刻の前後に観測されたデータの時間の差が考慮されています。客観解析値は実況監視にも使用されます。解析値は重力波ノイズを取り除くために初期値化されます。格子点情報に処理が施されることはありません。予測の結果は観測データの精度を高めるのに再利用され、観測データの密度が粗い領域の解析の精度も向上します。 メソ数値予報モデルは非静力学モデルなので、非静力学効果である鉛直方向の大気の運動をニュートンの運動方程式で計算します。初期値化されているので重力波の解は現れません。パラメタリゼイションは必要です。

数値予報プロダクトの地上気圧は海面気圧で、海抜0mの値に直されています。相当温位は、気圧・温度・比湿から計算されています。鉛直p速度は、上昇流で気圧が減るのは負の値・下降流で気圧が増すと正の値を示します。500hPa面の鉛直渦度を追跡することで総観規模の擾乱を監視します。メソスケール擾乱には使えません。予想図の降水量は予想時刻より前からの積算雨量を示しています。数値予報モデルで表せない山や谷といった地形を考慮し、結果を修正するとよいです。数値予報モデルの格子点の予想値はその周りの平均的・代表的な値です。水平スケールの大きな現象ほど有効な予想時間が長くなります。予報誤差は季節によって差が出るので解析値の精度も異なります。水平分解能を高くすると小さなスケールの現象が表現でき、地形性の現象の予報精度も上がります。水平分解能を2倍にすると、格子点数と計算量は4倍になります。

天気予報ガイダンスは統計的な関係式で処理されているので、発生頻度の低い現象はガイダンスの予測精度も低いです。擾乱の位置が変わらないのに予測値が大きく異なるとき、ガイダンスの信頼性は低いです。 降水確率ガイダンスはカルマンフィルターの手法を使うので数値予報モデルを変更しても、従来のMOSとは違って過去数年分のデータを用いる必要はありません。降水確率予報は対象時間内に1mm以上の雨または雪のある確率を予測したものです。降水確率は対象地域内の平均値であり、どの地点でも同じとされます。数値予報には誤差が含まれますのでその降水量の予測値が0mmだとしても、降水確率ガイダンスが0%になるとは限りません。降水量ガイダンスにおいて極端な大雨になると予測係数が修正されすぎて過大な値が出力され続けるときがあります。 風ガイダンスもカルマンフィルターなので、数値予報モデルの変更による地上風の格子点値の特性の変化に適応できます。風ガイダンスはアメダス地点の風を予想していますが、観測所の近くであっても地形や海陸分布により予測値の風向と異なることがあります。ゆえに、突風やダウンバーストのようなミクロスケールの風は予測できません。前線通過のタイミングは予想がずれることがあるので、その場合、実況の監視によりガイダンスを修正します。 気温ガイダンスは数値予報などによりカルマンフィルターで作られ、アメダス地点が予想地点です。モデルの地形と実際の地形の差による系統誤差は予測式の係数で減らすことができます。日々の偶然誤差が大きい場合は、係数の更新が逆効果になることもあります。顕著なフェーン放射冷却による予測誤差の急激な変化には対応しきれず、誤差の大きな予測値を出し続けることがあります。

短期予報・中期予報

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ジェット気流の把握には300hPa面の高層天気図が有効です。500hPaで5400mの等高度線が日本付近に南下しているときは冬型です。500hPa天気図において、日本付近が傾圧帯で日本の西方にトラフがあると梅雨型です。梅雨前線が南北に移動しているときも豪雨になります。 等相当温位線の集中帯は前線帯で、温帯低気圧が発生することがあります。相当温位の解析には850hPa高層天気図を用います。相当温位が高度と共に減少していると対流不安定です。温暖前線の前面には、風向が下層から上層へ向かって時計回りの暖気移流や前線性逆転層があります。温帯低気圧の暖域は暖気移流により気温が高く、積雲対流が発生していると大気は飽和し、気温減率は湿潤断熱減率に近い不安定です。寒冷前線の後面では寒気移流で気温が低く、その下降流により沈降逆転層が発生することがあります。閉塞前線の閉塞点付近の状態曲線を見ると、下層も上層も共に湿っています。鉛直P速度や湿潤域の解析は700hPa面に注目します。 上空に寒冷低気圧があると、東日本から西日本にかけて・中心の東側から南東側にかけて下層に暖湿気が入り、積乱雲が発生します。 猛暑になると、500hPaで5880mの等高度線で示される太平洋高気圧が日本付近に張り出します。北大西洋のブロッキング高気圧の崩壊が、日本付近の天候に大きく影響することもあります。

北西太平洋域で発生した熱帯低気圧で、中心付近の最大風速が17.2m/s(34ノット)以上のものを台風といいます。大西洋北部・東太平洋にある熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速が64ノット(32.7m/s)のものをハリケーンといいます。地表面付近では摩擦により中心に向かって風が収束します。中心に近づくほど接線方向の風速が大きく、最大風速はアイウォール付近の自由大気下層に現れ、このとき明瞭な小さい眼を持つ場合はほぼ旋衡風バランスが成り立ちます。台風の右側では下層の風速が強く、進行方向に対しての風速分布が左右非対称になりやすいです。下層は反時計回りの風で、ある観測所を台風の中心が北上するとき、風向が東から西に急変します。対流圏界面付近(10km-15km)では、高気圧性の吹き出しがあります。台風やハリケーンは水蒸気の潜熱がエネルギー源で、上陸すると水蒸気の補給の低下と陸の摩擦によりすぐに衰弱します。中緯度において暖気核がくずれたり前線やトラフが解析されたりすると温帯低気圧になったとされ、風速ではなく構造によって呼び名が変わります。

長期予報

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予測結果に系統誤差があると、確率的な情報に偏りが出ます。平年値は30年間を平均した観測値のことで、10年で更新されます。 アンサンブル予報では多数のわずかに異なる初期値を用いた数値予報をしています。初期値のばらつきは時間とともに増大し、ばらつきが多様になるほど精度が落ちます。同じモデルのアンサンブル予報でも高度などによって信頼性が異なることがあります。 季節予報において5日間以上の平均天気図が用いられる理由は、温帯低気圧など波長が4000kmほどで1日に1000kmほど進む、総観スケールの擾乱を取り除くためです。平均天気図は、平年の季節変化に対するズレを見るために平年偏差図とセットになっています。 月平均北半球500hPa高度・平年偏差図において、負偏差域は例年より層厚温度が低いので低温になりやすいです。日本付近でトラフが深まり北西からの寒気が入る冬型の気圧配置になると、日本海側ではぐずつき、太平洋側では晴れやすくなります。正偏差域では平年より高温傾向になります。日本付近が正偏差で中国大陸が負偏差だと西谷の流れになり、曇りや雨の日が増えます。正偏差と負偏差が交互に見られると偏西風の蛇行により流れが遅くなることを示し、その偏差の状態が維持・強化されます。 月平均北半球850hPa高度と同偏差図で、正偏差域は晴天が多くなり、負偏差域では低気圧が発生しやすく対流活動が活発です。

局地予報

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大気の成層が条件付不安定のときに対流雲が発生します。水蒸気が凝結すると大気は湿潤断熱減率になります。ショワルター安定指数は850hPaの空気塊を乾燥断熱減率で持ち上げ、凝結高度からは湿潤断熱減率で500hPaまで持ち上げた温度を、周囲の500hPa面の温度から引いた安定指数の一つです。 降雪量1cmは降水量1mmです。湿度が低いほど雪の昇華により周囲の熱を奪うので雪になりやすいです。 個々の積乱雲の寿命は数10分から1時間ほどですが、積乱雲群の場合は世代交代により寿命が延びることがあります。氷粒の融解や雨粒の蒸発などで、冷気が地面に当たることをダウンバーストといいます。その被害域は円状または楕円状であることが多いです。ダウンバーストが続くとガストフロントが形成され、通過の際は風速が増し下降流による気圧の上昇があります。線状のメソ対流系のことをスコールラインといい、激しい擾乱を生じさせます。 前線性逆転層は暖気の滑昇により形成され、上下層とも飽和に近くなっています。沈降性逆転層は上層の空気の断熱的な沈降で昇温する転移層で、上層は露点温度が低くとても乾燥しています。

短時間予報

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降水ナウキャストは、10分間ごとの雨量を1時間先まで予測しています。

降水短時間予報の初期値は、レーダー・アメダス解析雨量を使っています。(実況)補外予測は最初の3時間は重みがありますがその後は精度が落ちるので、残りの3時間はメソ数値予報モデルの数値予測に取って代わります。全体的には期間の後半の方が精度は落ち、それぞれの単独の予測と比べれば精度が上がります。両者が予測する強雨域がずれた場合は、その重み(割合)により降水が弱くなりやすいです。弱い降水域は足し合わせにより広がる傾向があります。補外予測における降水域の移動は、解析雨量図によるパターンマッチング法などで求められています。地形の影響も取り込まれていて、降水量の増加率・減衰率は数値予報の値によって異なります。数値予測によって新たな降水域の発生も予測可能です。スケールが大きい降水ほど時間変化が小さいので補外による予測精度が高いです。

気象災害

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春先の日本海低気圧で日本海側はフェーン現象による山火事が起きることがあります。台風は、大きさ・強さ・移動速度によって、防災上警戒すべきことが異なります。吹き寄せ効果による高潮は風が強ければ台風の中心から遠い湾などでも起こります。吸い上げ効果は中心気圧が低いほど海面が高くなります。9月ごろは膨張により平常時の潮位が高い時期なので高潮災害が発生しやすくなります。電線着雪害は地上気温が-2℃~2℃で湿った雪になり、強風が吹くと発生しやすいです。太平洋側の大雪は南岸低気圧で起こります。

予想の精度の評価

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天気予報ガイダンスの修正の前後における適中率の改善度も検証することができます。予報の有効性の評価は、気候値や持続予報値との比較を行い、現象の頻度が異なる場合の予報に使えます。天気予報の検証において、適中率だけ比較しても季節と地域で現象が違うので技術の評価はできません。

降水の有無の予報の精度の評価において、適中率は「(予報あり + 実況あり)/ 予想全数」で計算できます。見逃し率は「(予報なし + 実況あり)/ 予想全数」の式で表されます。スレットスコアは、「予報なし・実況なし」を除外した場合の適中率で「適中回数 /(適中回数 + 見逃し回数 + 空振り回数)」で求めることができます。スコアが大きいほど精度が良く、0から1の値をとります。発生頻度が低い現象に対してのみ使えるスコアです。 降水確率予報の評価にはブライアスコアが使用され、スコアが小さいほど精度が良いです。

予報を利用した意思決定モデルにコスト・ロスがあり、コストは対策に必要な費用、ロスは対策を採らないことによる損失です。評価には、降水確率予報によるコスト/ロスの考え方や、降水有無予報によるコスト+ロスの方法があります。

気象の予想の応用

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大雨と洪水の注意報や警報はそれぞれに独立しておりセットではありません。注意報を出す際、半日以上先に警報の基準値に達すると予測されるときは、その注意報の中で警報の予告をすることがあります。雷注意報の中で突風や降雹についての注意も呼びかけられます。暴風雪警報が発表された場合、その地域内で暴風警報と暴風雪警報が同時に発表されることはありません。気象庁は指定河川洪水注意報・警報を国土交通省や都道府県と共同して発表します。乾燥注意報は気象庁が発表しますが、火災(に関する)警報は市町村長が発表します。共同しません。 大雨警報発表中に数年に一度しか発生しないような猛烈な雨が解析されたときは記録的短時間大雨情報を発表します。大雨警報の発表中に土砂災害の危険性が高まったときは大雨警報が更新され、土砂災害警戒情報が発表されます。 注意報・警報は二次細分区域において別個に発表されます。発表基準は社会環境の変化に応じて変更されています。

波浪注意報や警報の対象は風浪やうねりによる災害で、対象領域は沿岸から20海里(約37km)以内です。有義波高が基準に用いられ、津波や高潮の被害とは別になっています。高潮注意報・警報は台風に限らず発達した低気圧の通過時にも発表され、その発表基準は天文潮位からの差ではなく東京湾平均海面からの高さが基準になっています。「超大型台風」は強風(風速15m/s以上)の半径が800km以上で、中心付近の最大風速は33m/s未満です。「非常に強い台風」は強風域の半径が500km未満で、中心付近の最大風速が44m/s以上54m/s未満です。

1時間雨量が20mm以上30mm未満の雨は強い雨と呼ばれます。80mm以上のには猛烈な雨という用語が使われます。9m以上の波高は猛烈にしけます。4~6mの波は「しける」と表現されます。予想される現象の強さが2つの階級にまたがる場合は、上位の表現が用いられます。猛暑日は、日最高気温が35度以上の日です。熱帯夜は、夜間の最低気温が25度以上の日のことです。午前3時ごろから午前6時ごろまでを明け方といいます。