法の適用に関する通則法第4条

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条文

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(人の行為能力)

第4条
  1. 人の行為能力は、その本国法によって定める。
  2. 法律行為をした者がその本国法によれば行為能力の制限を受けた者となるときであっても行為地法によれば行為能力者となるべきときは、当該法律行為の当時そのすべての当事者が法を同じくする地に在った場合に限り、当該法律行為をした者は、前項の規定にかかわらず、行為能力者とみなす。
  3. 前項の規定は、親族法又は相続法の規定によるべき法律行為及び行為地と法を異にする地に在る不動産に関する法律行為については、適用しない。

翻訳

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(Person's Capacity to Act)[1]

Article 4
  1. The legal capacity of a person to act is governed by their national law.
  2. Notwithstanding the provisions of the preceding paragraph, when a person who has performed a juridical act is subject to the limitation of their capacity to act under their national law but has full capacity to act under the law of the place where the act is done (lex loci actus), that person is deemed to have full capacity to act, only in cases where all the parties were present in a place governed by the same law at the time of the juridical act.
  3. The preceding paragraph does not apply to a juridical act to be governed by the provisions of family law or inheritance law, or a juridical act relating to real property situated in a place governed by a different law from the law of the place where the act was done.

法例

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第3条
  1. 人ノ能力ハ其本国法ニ依リテ之ヲ定ム
  2. 外国人カ日本ニ於テ法律行為ヲ為シタル場合ニ於テ其外国人カ本国法ニ依レハ能力ノ制限ヲ受ケタル者タルヘキトキト雖モ日本ノ法律ニ依レハ能力者タルヘキトキハ前項ノ規定ニ拘ハラス之ヲ能力者ト看做ス
  3. 前項ノ規定ハ親族法又ハ相続法ノ規定ニ依ルヘキ法律行為及ヒ外国ニ在ル不動產ニ関スル法律行為ニ付テハ之ヲ適用セス

解説

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本条は、自然人行為能力について規定している。

第1項において、自然人の行為能力の準拠法を本国法とする原則を規定している。第2項において、法律行為をした者が、本国法によれば行為能力の制限を受けている者であっても、行為地法によれば行為能力者となるべきときは、その者を行為能力者とみなす取引保護規定を置いている。また、第3項において、親族法相続法の規定によるべき法律行為および行為地と法を異にする地に在る不動産に関する法律行為については第2項の規定を適用しないことを規定している。

脚注

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  1. ^ 法の適用に関する通則法”. 日本法令外国語訳データベースシステム. 法務省. 2024年11月16日閲覧。

参考文献

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  • 小出邦夫編著 『逐条解説 法の適用に関する通則法〔増補版〕』 商事法務、2014年12月30日ISBN 9784785722388
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前条:
法の適用に関する通則法第3条
(法律と同一の効力を有する慣習)
法の適用に関する通則法
第3章 準拠法に関する通則
第1節 人
次条:
法の適用に関する通則法第5条
(後見開始の審判等)