「高等学校工業 機械設計/その他」の版間の差分

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ゲームプログラミング/書類/集団作業の場合の書類と書き方 2020年3月13日 (金) 15:09‎ から設計図書の話題をこちらに移動。
 
ゲームプログラミング/書類/集団作業の場合の書類と書き方 2020年3月13日 (金) 15:09‎ から設計図書の話題をこちらに移動。
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なので、完成予想図では、説明のための重複は不要です。これは、製造業の製図でも同様です。製造業でも、ひとつの末端部品の図面では、他の図面は参照しないようにします。製造業の『図面』で他図面を参照するのは、組み立て方法を指示する『組立図』(くみたてず)の場合と、後述する『フロー図』の場合くらいです。
 
 
 
 
製造業では、なにかの電子機器を製造する際、実はフローチャートなどのフロー図を描かなくても、一応は製品を完成できてしまいます。たとえば、たとえば途上国の組み立て工場など(もしや日本もそうかもしれませんが)、そういう状況でしょう。アメリカ製スマホの中国組み立て工場の作業員が、スマホの内部プログラムのフローを知ってるワケ、無いですね。
 
 
(デジタル機器でなく)アナログ電子機器の設計の業界では、よく、組立図とは別途に、電気信号のフロー図を書きます。どこの通信ケーブルに、どういう種類のデータが流れるとか、そういうのを指定するワケです。しかし、デジタル機器の場合は、普通、外部とのやり取りは一本の通信ケーブルで、あらゆる種類のデータを取り扱うのが通常です。
 
ですが、重要なのは、組立図と別に、(製造業では無くても製造できるのに)説明のためのフロー図があるという、アナログ電子機器の設計業界での実務知識です。
 
 
 
== 設計図書ファイルとその目次 ==
どんな業界でも、技術系の業界なら、設計のために必要な書類(『設計図書』(せっけいとしょ)といいます)は、上述のように、何冊も必要になります。
 
なので、そのファイル内の目次が必要です。設計図書ファイルの目次を作るとき、エクセルなどの表計算ソフト形式で作ります(パソコン用ファイルだけでなく、事務用品ファイル用の設計図書でも、エクセル表形式の目次をプリントアウトする)。
 
こうすることで、もし落丁があっても発見が用意になります。
 
 
イメージ的には
 
{| class="wikitable" style=" text-align: center; margin: 2pt;"
|+ 『○○』(←製品名)設計図書_目次: 1/1
|-
! style="text-align: center;" | 書類ID番号  !! 書類の種類     !! 最終版の年月日  
|-
| 001 || 目次 || 2015年6月10日
|-
| 002 || 企画書 || 2015年6月14日
|-
| 003 || 完成予想図 || 2017年3月21日
|-
|}
 
のような感じでしょうか。
 
本屋とかで売ってる市販の書籍の目次とは、ビジネス書類の目次はこのように書式が違うので、気をつけてください。
 
 
 
このように、設計に必要な書類が、バラバラにならないように、ひとつのファイルに、まとめて入れます。(コンピュータを使うなら、そういうファイル(ディレクトリ)に入れて、さらに目次をつけて管理します。
 
 
表のタイトルの末尾についている「1/1」という数字については、分子の数字は、現在のページ数です。分母の数字は、その書類が合計で何ページあるかです。
 
この例では、合計1ページしか無いので、分子も分母もともに「1」になります。
 
もし、書類の数が多い場合に、目次がたとえば合計2ページあれば、目次の1ページ目には「1/2」とつけ、目次の2ページ目には「2/2」とつけます。
 
あるいは、目次が合計3ページなら、3枚の目次には、末尾がそれぞれ「1/3」「2/3」「3/3」となります。
 
 
こう命名することで、もし目次のどれかが紛失しても、紛失したことの確認が容易です。
 
 
なお、完成予想図など個別の書類には、「1/20」のような合計ページ番号(例では「20」)はつけないのが普通です。
 
なぜなら、予想図の枚数が今後の不具合修正などで増える可能性があるのが普通だからです。
 
 
原理的には、設計図書の目次の枚数だって今後の修正で(設計図書の目次のページ数が)増える可能性がありますが、しかし普通の設計図書なら、設計図書じたいの目次のページ数がけっして何十枚と膨大になることは無いのが普通です。
 
 
 
さて、アナログな職業でも、実際に業務用ファイルが販売されていますので(事務用品メーカーのキングジム とかアクスルとかの販売しているアレ。パイプホルダーを通すヤツ)、そういう業務用ファイルに、その製品の設計関連の書類をひとまとめにします。
 
技術系企業では、そうやって、まとめられた設計関連の書類のことを『設計図書』(せっけい としょ)と言います。主に土木工事で使われる用語ですが、製造業でも『設計図書』という用語は使われています(ただし製造業では企業が非公開にしている)。
 
設計図書の中には、何種類も書類があるので、目次の書類が必要です。しかしページ数は変動するので、設計図書の目次では、ページ指定の必要は無いです(そもそも不可能)。
 
どんな書類が、その設計図書に含まれているハズなのか、必ず明記した目次を作成し、設計図書ファイルの目次に入れましょう。
 
 
もし設計図書ファイルがパソコン管理の場合、目次が冒頭に来るようにするには
:「001_『○○』目次」
:「002_『○○』企画書」
:「003_『○○』完成予想図」
 
みたいにファイル名の冒頭を番号で管理すると、確実にそのファイル内の先頭に目次が来ます。
 
 
目次さえあれば、もし書類の一部を紛失などが疑われる場合に、確認が容易になります。
 
また、設計図書の書類の一部をコピーして配布するなどする場合もあるので、そういった配布書類との混同を防ぐためにも、目次が必要です。
 
 
;その他. 営業関係の書類は別部署
『契約書』は、設計図書に含めないのが一般的です。
 
『契約書』は、管理部署が違います。
 
契約書を保管など管理するのは「営業」部などの部署・課です。
 
いっぽう、設計図書を保管など管理するのは、「設計」部門などの技術系の部署・課です。
 
 
;その他2. 書かないだろう書類
一般企業では、日報や週報などの報告書とは、設計図書は別書類です。
 
ただし、そもそもIT業界で日報を書くのかどうか、知りません。
 
警察や自衛隊など公安関係では、日報も書くようですが。[[w:自衛隊日報問題]]
 
なお製造業では、いちいち日報も週報も書かないのが普通です。
 
しかし、土木建築では、作業日報をまとめることもあるようです。
 
 
もし日報や週報を書く場合には、設計図書ファイルには、日報は含めないようにします。日報や週報の保管には、別ファイルを作りましょう。
 
 
 
;「完成図書」
土建業界では、こういう、完成品に関するデータ一覧の「台帳」などの書類を『完成図書』(かんせい としょ)といって、『設計図書』とは区別しています。ですが、製造業ではそこまで区別していないので、予備知識として用語を聞いたことあるくらいで良いでしょう。
 
そもそも、製造業と土建とで『設計図書』の用語の意味すらも微妙に違います。
 
 
 
:※ 本来、こういった『設計図書』とか、(『完成図書』の)『台帳』とか、そういうのの管理手法は大学の工学部などで教えられるべきだろうが、なんと、大学の科目『土木施行』の市販の大学教科書には、まったく『設計図書』などの意味と使いかたなどの説明は書かれてない。社会人の土木エンジニアむけの専門性の高い実務書で、ようやく教えられている。本wikiで参考文献として参照している文献も、社会人の土木エンジニアむけの実務書である。また、機械工場などでも普通に『設計図書』などの用語が使われているにもかかわらず、図面の流れの話題などは、まったく機械工学の『生産管理』の大学教科書には書かれていない。