「薬理学/生理活性物質と消化器作用薬」の版間の差分

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肝臓
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なおインフリキシマブはクローン病にも有効である。
 
 
== 胆 ==
胆石には、コレステロール胆石、色素胆石、カルシウム胆石などの種類があるが、
薬物治療の対象になるのはそのうちコレステロール胆石のみである<ref>『パートナー薬理学』、P340 </ref>。
 
 
== 肝臓 ==
=== 概要 ===
「肝炎」といわれる病気には、さまざまな原因があり、もしもウイルス(肝炎ウイルス)によるものであるなら、治療薬としてインターフェロンやヒト免疫グロブリンが有効である。
 
より厳密に、肝炎ウイルスによる肝炎のことは「ウイルス性肝炎」という場合もある<ref>『はじめの一歩の薬理学』、P169、セクション1『肝疾患(ウイルス性肝炎)』 </ref><ref>『標準薬理学』、P552</ref>。
:※ 本wikiでは、区別のしやすさのため、「ウイルス性肝炎」と呼ぶことにする。
 
 
アルコールによる肝臓の炎症的な障害は、慣習的には「肝炎」でなく(アルコール性)「肝障害」<ref>『NEW薬理学』、P495</ref>という場合もあるが、しかし医学用語として「アルコール性肝炎」という用語もある<ref>『標準薬理学』、P552 </ref>。
 
 
「肝硬変」という病気は、世間的にはよくアルコールと関連づけられるが、しかし医学的には、必ずしもアルコールによるものを意味せず、肝臓の線維化のことである<ref>『標準薬理学』、P552 </ref>。
 
=== ウイルス性肝炎 ===
ウイルス性肝炎は、世間的にはよく「C型肝炎」や「B型肝炎」が有名だが、少なくとも実は「E型」まであり、少なくともA~E型の5種類以上ある。
 
実際には、ウイルス性肝炎は8種類あるともいう<ref>『パートナー薬理学』、P342 </ref>。
 
A,B型にはワクチンがあるが、C,D型にはワクチンは現状では無い<ref>『パートナー薬理学』、P342 </ref>。
 
 
肝炎ウイルス薬では、ウイルスのDNA合成またはRNA合成を競合的に阻害する薬が開発されており、
'''ラミブジン'''がB型肝炎に有効である。
 
核酸に類似(= アナログ analogue )している物質を使ってウイルスの核酸合成を競合的に阻害しているので、
そのような抗ウイルス治療薬のことを'''核酸アナログ'''<ref>『標準薬理学』、P554 </ref>という。
 
つまり、ラミブジンは核酸アナログの一種である。「核酸類似薬」<ref>『NEW薬理学』、P495 </ref>とも言う。
 
 
ラミブジン登場のその後、類似薬の'''アデホビル'''、'''エンテカビル'''なども登場し、現在でもB型肝炎の治療に使われている。
 
 
C型肝炎には、インターフェロンのほか、'''リバピリン'''という核酸アナログが使われる。
 
なお、B型肝炎はDNAウイルスである。C型肝炎はRNAウイルスである。
 
 
医学的な証明は不十分だが<ref>『標準薬理学』、P554 </ref>、
甘草(カンゾウ)にも含まれる'''グリチルリチン酸'''は、肝臓の調子を整えるとも言われている。
このため、グリチルリチン酸が補助的に投与されることもよくある。(※ 医学書にも、グリチルリチン酸がよく書いてある。)
 
なお、漢方薬の小柴胡湯にも、甘草が含まれている場合が多い。
 
グリチルリチン酸には副作用があり、偽アルドステロン症などの副作用がある<ref>『パートナー薬理学』、P344 </ref>。
 
小柴胡湯には間質性肺炎などの副作用があるため、インターフェロンとの併用は禁忌である<ref>『パートナー薬理学』、P344 </ref><ref>『はじめの一歩の薬理学』、P171 </ref>。患者の中には「漢方薬には副作用が無い」と誤解している人も多いので、注意する必要がある<ref>『パートナー薬理学』、P344 </ref>。
 
 
そのほか、医学的な証明は不十分だが<ref>『標準薬理学』、P5544 </ref>、クマ(※ 熊)などの胆汁の主成分である<ref>『NEW薬理学』、P496 </ref>ウルソデオキシコール酸が、肝臓の調子を整えるとされている<ref>『NEW薬理学』、P496 </ref>。
 
== 脚注 ==