「ゲームプログラミング/バランス調整」の版間の差分

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要点は
 
* エンディングを大まかに先に作る
* 機能の実験を簡易でいいので事前にしておく
* 使用頻度の高い部分から作る
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ストーリー進行の条件判定は、なるべくストーリーが進みやすいように条件設定をしておくのが、開発者にもプレイヤーにも、お互いにラクでしょう。
 
 
=== ゲームブックなど ===
いきなりストーリーとプログラムの両方を作るのは大変なので、まずはゲームブックを作ると、シナリオ作成の感覚が掴みやすいかもしれません。
 
シナリオ作成のコツはとにかく書き始める事です。シナリオに限らず、創作は基本的にそうかもしれません。手を動かして書いている内に、頭が回ってきて、創作に最適化されていきます。
 
 
なお、ゲームブックというのは、たとえば
シーン13:
目の前に扉が2つ左右にある。俺はどちらの扉を開けようか?
  右の扉を開ける → シーン20へ
左の扉を開ける → シーン45へ
みたいなヤツです。
 
 
さて、人気が出るかどうか分かりませんが、比較的ラクにゲームブックをつくる方法としては、好きなゲームと好きなマンガを組み合わせる事です。
基本的に創作のコツは、まずは好きな作品の真似です。とはいえ、ゲ-ムブックは市場に少ないし、ジャンルも片寄っています。なので、自分でジャンルを新規開拓することになります。
 
その新規開拓の簡単な方法として、上述のような、好きなマンガとゲームの設定を組み合わせる事です。ゲーム同士を組み合わても、初心者には本格的過ぎてシナリオ作成は難しいでしょう。また、マンガ同士を組み合わせる方法だと、今度はどうやってそれをゲーム化(ゲームブックもゲームの一種です)するのかが、難しいです。
 
 
世界観などがある程度は似ている作品どうしをベースにすると、組み合わせやすいかもしれません。
 
抽象的な説明をしても難しいので、具体的に短編ゲームブックをここwikibooksで作ってみましょう。
 
たとえば格闘マンガ『北斗の拳』とRPGゲーム『真女神転生』を組み合わせたとしましょう。『北斗の拳』みたいに爽快な格闘アクションがあるけど、女神転生みたいにオカルティックでファンタジーなネタや、SF超展開も書きたいと思ったとしましょう。
 
 
まず、作者の書きたい世界観を、作者の趣味にしたがって決めます。自分の趣味に合わない作品を作るのは大変なので、好きなジャンルの作品を作りましょう。
  
作者であるアナタが、仮に、(北斗の拳みたいに)核戦争後の荒野を冒険する主人公を書きたいとしましょう。
 
すると、まずここで物語の出だしが、もう決まります。まず物語の冒頭のほうで、核戦争が作中での数年前に起きた事が書かれる事になります。
 
で、まず、たとえば導入の下書きは、
「西暦20XX年、人類は愚かにも戦争を起こし、交戦国どうしの核ミサイル発射の応酬により、地球は核の炎に包まれた!」
みたいな『北斗の拳』のパクリみたいな出だしになります(あくまで「下書き」です。今後のシナリオ改訂により、アレンジされていきます)。
 
核ミサイルではなく、新世紀エヴァンゲリオンみたいなセカンドインパクトでも何でも構いませんが、まずこんな感じの出だしになるでしょう。
 
 
要するに、世界観が決まれば、あとはそれに向かって導入を書けばいいだけです。
 
 
で、世界観だけが決まっても、主人公が決まらないと作品になりません。なので、主人公は格闘家の青年・『ケンゴロウ』だとしましょう。拳法・西斗神拳の伝承者だとしましょう。
 
 
で、そのケンゴロウさんが核破壊後の荒野を冒険するわけですが、「なんでコイツは(主人公ケンゴロウは)冒険してるの?」って動機づけが必要です。動機は好きに作ればよく、たとえば
案1: 修行のため、自分より強いヤツに会いに行って戦いを申し込むのが動機、とか、
案2: 「入手すれば願いが叶う」という伝説のエイジャの聖杯を手に入れるために、とか、
案3: 愛する妻・マリアが魔王ラーにさらわれたので主人公ケンゴロウが妻を救出に行く、とか
まあ、作者の好きなように目的を考えればいいと思います。
 
 
大まかな説明書きでよいので目的が無いと、読者が世界観を理解できません。なので、とても大まかでいいので、とにかく1行程度でいいので、目的を冒頭で書きましょう。あとで設定を変える可能性があるので、あまりマジメに考えすぎず、とりあえずの下書きのつもりで、主人公の目的を考えましょう。
 
 
で、ここまでだと、まだゲーム要素がありません。これまで作成したのは単に、マンガ・ゲーム風のシナリオの導入の仕方だけです。
 
まだゲームになってないので、ではさっさとゲーム要素を追加しましょう。
 
なので、たとえば、RPGみたいにモンスターをいきなり出現させて、スライムでも野盗でもゴブリンでも何でもいいですが、さっさと敵を出現させましょう。
 
で、作品の設定では真女神転生風の近未来SFファンタジーとの事でしたので、モンスター名はたとえば「ミュータント怪人X」(バイオテクノロジーで遺伝子改変されて作られた怪人、という設定)としましょう。(なお、マンガ『サルでも描けるまんが教室』の劇中劇のパクリ。)
 
なのでたとえば、
シーン50:
モンスター ミュータント怪人X が表れた! いきなり襲い掛かってきたぞ(敵の第一劇を俺は避けたが)。
相手はタダのよくいるザコ怪人なので、俺より弱いので戦えばスグに勝てそうだぞ!
作戦はどうする?
  戦って、いきなり渾身の右パンチのストレート → シーン62
  戦って、まずは様子見で左パンチのジャブ → シーン 34
  逃げるぞ! 今は戦わない。体力を温存だ! → シーン 80
 
みたいに分岐をつくったりします。ゲームブックのゲーム性とは、分岐です。
 
なんと、もう、これだけでゲームになっています。これだけで、RPG風ゲームブックのワンシーンになっています。
 
 
分岐の選択を使わずに、サイコロを使って「2~6が出たら勝ち、1が出たら負け」とかする方法もありますが、サイコロを用意するのが面倒です。
あと、もしサイコロ制システムで読者が負けても、読者が負けを無視して「勝った」ことにして読み進めるパターンが、ゲームブックの読者によくある行為なので、だったらいっそのことサイコロ廃止して、どの選択肢を選んでも勝利後の展開が少しだけ違うだけで、勝負自体には主人公が絶対に勝てるようにするとシナリオのテンポが良いでしょう。
 
あと、いちいち主人公の必殺技「右ストレート」の設定とか確認するのが面倒なので、そのスキル「右ストレート」がどんな内容なのか文中で説明したりすると、分かりやすいかもしれません。
 
RPG風のゲームをプレイしているプレイヤーがしたい事は当然ですが、ゲームそのものです。小説を読みたいのではないのです。
 
また、単なるスゴロク風の確率ゲームにも、RPGゲームブックの読者は興味ありません。スゴロクで満足するなら、そもそもRPGゲームブックなんて読みません。なので、創作でRPGをつくる以上は、作者は必ずシナリオを作る必要があります。シナリオを書きたくない人は、ゲーム作家を目指すのは避けたほうが良いでしょう。
 
ゲームブックのシナリオ作成というのは、こういうノリです。まず書き始めることが重要です。けっして、いちいち『ダンジョンズ&ドラゴンズ』とか『ロードス島戦記』とかのゲームブックやTRPGブックなどを漁る必要は無いのです。そういう古典は、本格的にゲームブックを作りこむほどになってから、シナリオ作成に行き詰ったら、そうしてから必要に応じて調べればいいでしょう。
 
=== その他の開発順序 ===