「民事訴訟法/裁判所」の版間の差分

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→‎移送: 移送の判断は、決定という方式でされる<ref>三木、P81</ref><ref>安西、P69</ref>。
除斥など
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ただし、移送を受けた裁判所が、移送の原因とは異なる別の理由や、あらたに生じた理由があれば、必要に応じて別の裁判所に移送できると解するのが一般的である<ref>三木、P81</ref>。
 
 
=== 除斥 ===
たとえば裁判官が当事者の親族である場合などは、そのままでは公正な裁判を行うのが難しいだろう客観的事情があるので、このような場合には裁判官を他の者に交代させなければならず、このような制度を'''除斥'''という。
 
つまり除斥とは、その事件において公正な裁判を妨げる事由のある裁判官を、その裁判からは担当を外す事である。
 
裁判の公正が目的である事から当然に、除斥などの対象になりうるのは裁判官だけでなく、裁判所書記官や専門委員、知的財産関連事件における裁判所調査官などにも適用されうる。
 
公正を妨げる原因の種類により「除斥」(23条)、「忌避」(24条)、「回避」(規則12条)が定められている。
 
;除斥
除斥は、法定の原因がある時、その裁判官を排除する事である。
裁判官が当事者の配偶者または親族である場合などが除斥の原因として法定されている(23条1項、23条1項2号、民725〜729)。
 
その他、裁判官が当事者の代理人・保佐人である場合(5号)、裁判官が事件の証人・鑑定人になる場合(23条1項4号)、など除斥の原因が民訴法で定められている。
 
;忌避
忌避とは、除籍原因には当たらないが、当該事件や当事者との関係から見て、今の裁判官の人員のままでは公正の原因を妨げるだろう可能性の高い理由がある場合に、当事者の申立てによって他の裁判官に変更してもらう制度である。具体的には、裁判官が当事者の親友である場合や、事件に重大な経済的利益を有している場合などである<ref>安西、P70</ref>。
 
除斥または忌避の決定は、合議体により決定でなされる(25条1項・2項)。
 
実務上、裁判審理中における証拠の採用の有無などの判断をめぐり、審理の趨勢に不満がある場合に不利な側の当事者が忌避の申立てを行う事例が多いが、しかしそのような申立ては忌避ではなく異議(90条・150条)や上訴(283条)で申し立てるべきであり、従ってこのような場合には忌避申立は却下されるのが普通である<ref>三木、P86/ref>。
 
 
;回避
回避とは、裁判官が自発的にその裁判の担当から外れる事により、職務執行から外れる事である。
 
=== 裁判権免除 ===