「高等学校物理/物理II/電気と磁気」の版間の差分

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運動する磁束は電場を誘起する、運動する電場は磁界を作る
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電磁波は何もない空間の中を伝播することができ、速度は光速に一致する。
このことから、光は電磁波の一種であることが分かる。
 
== 発展: 相対論の一次近似 ==
=== 運動する磁束は電場を誘起する ===
磁場Bの中を、電荷qの荷電粒子が速度vで運動すると、ローレンツ力はベクトル外積を用いて f=q・v×B の力が粒子に働くが、ここで観測者の座標系を変えたとして、同じ粒子を、粒子と同じ方向に速度vで動く座標形Kの中の観測者から見たらどうなるか? 座標系kでは、粒子の速度は v(K)=0 であり、磁束の速度を V<sub>b</sub> とすると、前の座標系の粒子とは反対方向に動くので、
:V<sub>b</sub> =-v である。
新しい座標系kから観測しても、粒子がf=q・v×B の大きさの力を受けて加速されることには変わらないが、座標系kでは、荷電粒子は静止していたのに、ローレンツ力を受けたと考えるのは不合理である。磁束は、V<sub>b</sub>=-vで運動していたので、磁束の運動によって f=q・(-V<sub>b</sub>)×B=-q・V<sub>b</sub>×B の力を受けたと考えるべきである。粒子を質量0の質点とみなせば、静止している荷電粒子に力を及ぼせるのは、電場だけだから、つまり速度V<sub>b</sub>で運動する磁束はE=-V<sub>b</sub>×Bの誘導電場を誘起する。このとき、磁場と誘導された電場は垂直である。
電磁波では電場Eと磁場Bが光速Cで運動しているので |E|=|c×B| である。 B=μH であるが、電磁波は E×H の方向に進んでいることに注意しよう。
 
=== 運動する電場は磁界を作る ===
電流の流れている導線を考える。線密度 q[C/m] で分布した電荷は、図のように円筒対称な電荷を作る。直線から距離rのところの電束密度 D(定義は D=εE)を定義すれば、
:D = εE = q/2πr
となり、式変形して
:εE・2πr=q ①
となる。
電流Iは、電荷分布qが速度vで運動しているとして 
:I=qv 
:[A]=[c/m]・[m/s]=[c/m]
電流qvが、電荷から距離rのところに作る磁場は、アンペールの法則から、
:B・2πr(=μI)=μqv ②
このとき、磁場の向きは、v方向からB方向に 右ねじ を回す向きである。このとき、電流は EからB に右ねじを回す向き E×H に流れている。
:②÷①から B/εE=μv B=εμvE
向きをベクトル席で表せば、 B=εμv×E
:εμ・c<sup>2</sup>=1 より
:B=(1/c<sup>2</sup>)v×E
 
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