軽犯罪法第4条
条文
編集- 第4条
- この法律の適用にあたつては、国民の権利を不当に侵害しないように留意し、その本来の目的を逸脱して他の目的のためにこれを濫用するようなことがあつてはならない。
解説
編集本条は、軽犯罪法の前身に当たる警察犯処罰令が大衆運動などに対する不当な弾圧のために悪用されたことに鑑み、このような濫用を防止するために規定された。
本来の目的
編集「その本来の目的」とは、国民が日常生活の中で守るべき身近な道徳律を維持することをいう。
他の目的
編集「他の目的」とは、大衆運動や政治活動などを弾圧することをいう。これは、前述の警察犯処罰令当時のような思想弾圧などの手段にしないことを警告し、第1条に規定する罪が、一般市民が悪意なく犯す可能性のある場合が考えられることに鑑み、警察・裁判所に対してその取り締まりや処罰が不当に苛酷とならないように戒めた注意規定である。
脚注
編集参考文献
編集- 橋本裕藏著 『軽犯罪法の解説 4訂版』 一橋出版、1999年9月20日。ISBN 9784834835021。
- 伊藤榮樹原著、勝丸充啓改訂 『軽犯罪法 新装第2版』 立花書房、2013年9月20日。ISBN 9784803743302。
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