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 人間とは何でしょうか。古代から人類はこの問いを深く考え、様々な答えが出てきました。遺伝子科学の発展から生物としての「ヒト」について詳しく分かるようになっても、人間とは何かについての議論は続いています。また、青年期の私達も他の人と〈私〉がどのように違うのかは、人間とは何かを考える上で大切です。先人達の考え方を手掛かりに、このような基本的な問題を自分で調べてみましょう。

人間の定義

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 人間は他の動物や物質と違います。様々な原子から人間の身体を作っており、物質と変わりません。遺伝情報(生命の設計図)から、生命の誕生から死ぬまで人間の身体を保ちます。これは、全ての生物(植物・動物・菌類)に当てはまります。人間は動物の中で霊長類に分類され、ゴリラやチンパンジーと並んでヒト科に分類されます。チンパンジーと人間は98%以上の遺伝子を分け合っています。

 人間は日常生活の中で「人間とは何か」をあまり考えようとしません。自分以外の人間(他の人)の関係で何かあったら、人間について深く考えるようになります。

 コミュニケーションに問題ある人を除きますが、普通の私達は他の人と関わっているため、とても心配したり不安に感じたりします。他の人と比べつつ社会の中で自分がどのように生きていくのかから、人間関係(家族・友人・恋人など)・学校の個人成績・将来の進路も不安になります。自分の容姿に自信がなかったり、スポーツが苦手だったりすると、自分が悪く感じてしまいます。これは他の人に気に入られたい気持ちと関係しているかもしれません。

人間性・人間らしさ

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 これからの人生をどのように生きていけば、意味をもつようになりますか?人間らしく生きるとはどういう意味ですか?

 「人間性」「人間らしさ」とは、人間だけが生まれながら持っている性質をいいます。

 もちろん、人間は失敗したり、忘れたり、他の人に嘘をついたり、他の人を傷つけたりしてしまいます。一方、人間は動物のようにいきなり行動しません。私達は相手の優しい行為を見て深く感動し、自分も同じように行動しようとします。このように、「人間性」「人間らしさ」はこれからの人生で目指さなければなりません。

人間らしさとは何か

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社会の中の「人間」

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 「人間らしさとはいったい何か」を考えるのは簡単ではありません。先程述べたように、私達はもっと人間らしくなろうと努力しなければなりませんが、具体的な目標をすぐに答えられる人はあまりいません。

 しかし、青年期の私達はそれを知らなければ、社会の中で人間として生きていけません。私達は社会の中で自分の可能性を引き出すために必要な知識や品性を身に付けていきましょう。また、社会の中で礼儀正しく振る舞うのも大切です。そのためには、この問題について考え、自分なりの答えを出さなければなりません。

人間らしさと倫理

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 簡単な問いではなくても、私達はそのための手がかりを知っています。古くから、東洋も西洋も様々な人間がこの問いについて考え、その答えを見つけようとしました。

 「倫理」は、「人間らしさとは何か」を問いかけ、その疑問の過去を振り返り、そこから結論を導き出します。言い換えると、「人間性」の問題が倫理の出発点になっています。

資料出所

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  • 竹内整一ほか編著『倫理』東京書籍株式会社 2023年
  • 越智貢ほか編著『高等学校 改訂版 倫理』株式会社第一学習社 2016年
  • 藤田正勝著『理解しやすい倫理』株式会社文英堂 2023年