高等学校公共/企業の経済的役割
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ほとんどの場合、商売を行いたい人(経営者)は、その商売を運営するための組織(企業)をつくります。ここでは、企業についてみていきましょう。
企業の目的と種類
編集企業の定義
編集企業とは、下の条件を満たした組織を指します。
商売を行いたい人(経営者)が、銀行や証券会社から必要なお金を借りて、工場や店舗などの設備を整えます。その上で、原材料や完成品を仕入れつつ、労働者(従業員)を雇って、経営します。
(>_<) 企業の定義は絶対に覚えてください。定義を覚えないと、この後の説明が分かりません。
企業の役割
編集以下の役割があります。
- 良い製品を作り、販売して、社会に貢献します。
- 人を雇って、生活を安定させるために賃金を支払ったり、お金を稼いだり、税金を納めたりします。
(>_<) 企業の役割も絶対に覚えてください。
また、新規事業の立ち上げは、企業や社会全体の発展につながる重要な取り組みです。現在、世界中で事業展開している企業は、もともと大企業ではありませんでした。創業者の強いリーダーシップのもと、新しいアイデアや技術、経営の方法を考え出し、中小企業から大企業に成長しました。起業家とは、新規事業を立ち上げ、新規事業を大きく発展させた人を指します。
「起業」というと、普通は新しいお店を開いたり、新規事業を立ち上げたりする場合を指します。しかし、従業員にお金を渡して新規事業を始める場合もあり、これを社内起業といいます。また、すでにある企業でも、「経営者になって会社を経営したい」「起業したい」という意欲、「起業家精神」を持った人を求めています。活発な起業は、市場の競争力を高め、経済を活性化させ、企業や私達の生活をより豊かにしてくれます。このような背景はヨーゼフ・シュンペーター『経済発展の理論』の中でも説明しています。社会は、こうした企業がずっと続いていくと考えています。企業が長続きするためには、時間をかけて成長しなければなりません。そして、商売を続け、成長するためには、経営に必要な費用よりも多くの費用を稼がなければなりません。これを経済用語で利益や利潤といいます。そのために、企業はお客さまのご要望に応える製品を作ったり、新規事業を立ち上げたり、新しい欲求を生み出したりしようとします。例えば、上記写真の伊藤忠商事株式会社も同じです。
企業の種類
編集企業には様々な種類があります。誰が出資するかによって、私企業(民間企業)・公企業・公私合同企業に分かれます。私企業(民間企業)とは、個人や民間のお金を使って儲ける企業です。反対に、公企業とは、国や地方公共団体が立ち上げた企業です。公私合同企業・第三セクター・公私混合企業は、国や地方自治体のお金と民間(企業など)のお金を組み合わせて立ち上げた企業です。交通機関やリゾート施設などの開発に利用されています。
資料出所
編集- 清水書院『私たちの公共 資料から考える現代社会の課題』大芝亮ほか編著 2022年
- 清水書院『高等学校 新政治・経済』大芝亮ほか編著 2022年
- 第一学習社『高等学校 改訂版 現代社会』谷田部 玲生ほか編著 2017年
- 第一学習社『高等学校 政治・経済』谷田部 玲生ほか編著 2023年
- 実教出版株式会社『ビジネス基礎 新訂版』片岡寛ほか編著 2017年
- 清水書院『用語集 公共+政治・経済 2023~2024年版』 大芝亮、菅野覚明ほか編著
- KADOKAWA『大学入学共通テスト 現代社会の点数が面白いほどとれる本』村中和之著
- TAC出版『公務員試験 過去問攻略Ⅴテキスト 社会科学 第3版』2023年
- 資格の大原 公務員講座『テキスト 経営学』
- 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 専門科目 ⑲商法』