高等学校公共/新しい人権[幸福追求権]Ⅳ
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本節は、自己決定権について説明します。
自己決定権
編集エホバの証人輸血拒否事件(最高裁判所判決 平成12年2月29日) | |
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事案 | |
判旨 | 医師は患者の生命や健康を必ず守らなければなりません。例えば、医師は患者の肝臓から腫瘍を取り除く時、決まりに従って長時間の手術を行います。患者は宗教上の理由から、輸血を伴う医療を絶対に受けたくありません。このような意思決定権は、人格権の中でも重要な権利として認めなければなりません。
医師は、輸血を避けるために立川病院に運ばれた事実を知っていました。しかし、医師は患者の手術中に輸血をしなければ患者を救えないかもしれないと思っているのに、患者へこの事実を伝えないまま、輸血を行いました。要するに、どうして手術に輸血しなければならないのかを医師が説明しなかったために、患者の意思決定権を奪いました。その結果、患者の人格権を傷つけているので、患者の精神的苦痛に対して責任を取らなければなりません。 |
とぶろく訴訟(最高裁判所判決 平成元年12月14日) | |
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事案 | 自己消費目的でも酒税法に従うのは、自己決定権の違反だとして争われました。 |
判旨 | 酒類製造者は自己消費目的でも免許を持たなければならないと酒税法に記されています。この法律を守らない人は罰金を科せられます。なぜなら、酒税は国の大きな財源となっているので、もし、自己消費目的の酒類製造を認めてしまうと酒税の徴収が難しくなってしまいます。このため、酒類製造の自由を制限されても、日本国憲法第31条・第13条に違反しません。 |
資料出所
編集- 東京書籍『新しい社会 公民』矢ヶ崎典隆ほか編著 2021年
- 東京書籍『公共』間宮陽介ほか編著 2022年
- 清水書院『私たちの公共 資料から考える現代社会の課題』大芝亮ほか編著 2022年
- 清水書院『高等学校 公共 私たちがひらく未来・社会』中野勝郎ほか編著 2022年
- 清水書院『高等学校 新政治・経済』大芝亮ほか編著 2022年
- 第一学習社『高等学校 改訂版 現代社会』谷田部 玲生ほか編著 2017年
- 第一学習社『高等学校 政治・経済』谷田部 玲生ほか編著 2023年
- 実教出版株式会社『ビジネス基礎 新訂版』片岡寛ほか編著 2017年
- KADOKAWA『大学入学共通テスト 現代社会の点数が面白いほどとれる本』村中和之著
- KADOKAWA『改訂版 中学公民が面白いほどわかる本』西村 創著 2021年
- 清水書院『用語集 公共+政治・経済 2023~2024年版』 大芝亮、菅野覚明ほか編著
- 学研プラス『中学社会科用語をひとつひとつわかりやすく。 新装版』2021年
- 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 社会科学』
- 東京リーガルマインド編『公務員試験Kマスター 憲法』
- TAC出版『公務員試験 過去問攻略Ⅴテキスト 社会科学 第3版』2023年
- 資格の大原 公務員講座『テキスト 政治』
- 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 教養科目 ③社会科学』
- 東京アカデミー『大卒程度 公務員試験準拠テキスト 専門科目 ⑦憲法』