高等学校現代文/重要単語
はじめに
編集このページでは、現代文読解の基礎を担う語句や表現、漢字を纏めます。 入試に頻出するものだけでなく、多くの科目を学ぶ上で役に立つ教養としての幅広い語彙を扱います。意味を一個一個ただ覚えるのではなく、語句の成り立ちやその言葉が開く世界を理解することが大切です。
【編集者の方へ】 語句を追加する際は、最低でも「漢字・読み・品詞」「語源」「意味」「例文」「関連語」の5つを記述してください。また、五十音順に並ぶようにお願いします。
語句編
編集和語
編集漢語・和漢混淆語
編集四字熟語
編集諺・慣用句
編集外来語
編集ア行
編集アーカイブ【あーかいぶ】⦅名詞、動詞⦆
- 語源
- 【英語】archive < 【ラテン語】archivum < 【古典ギリシャ語】ἀρχεῖον
- 意味
- 公文書・記録文書の集まりやその保管場所。
- 複数のファイルを一つのファイルに纏める。また、纏めること。
- 古くなったソフトウェアやデータを通常とは別の保管場所に移すこと。また、その場所。
- 例文
- アーカイブデータを参照する。
- 関連語
- 記録
IoT【あいおーてぃー】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】Internet Of Things
- 意味
- さまざまな事物をインターネットと繋ぐ技術。
- 例文
- 2016年、IoTの実現は法令で「インターネットに多様かつ多数の物が接続され、及びそれらの物から送信され、又はそれらの物に送信される大量の情報の円滑な流通が国民生活及び経済活動の基盤となる社会の実現」と定義された。
- 関連語
- インターネット
- VR
アイコン【あいこん】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】icon < 【ラテン語】icon < 【古典ギリシャ語】εικών
- 意味
- 物事を簡単な絵柄で記号化して表現したもの。
- 偶像として崇拝されるもの。
- 例文
- マリリン・モンローはアメリカのアイコンである。
- 関連語
- サイン
- シンボル
- ピクトグラム
アイスブレイク【あいすぶれいく】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】ice break
- 意味
- 初対面の人同士が集う時、その緊張を解すための手法。
- 例文
- 意外性のある自己紹介は、アイスブレイクのネタとしては定番である。
- 関連語
- ファシリテーション
アイテム【あいてむ】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】item < 【ラテン語】item
- 意味
- 項目。条項。品目。品物。
- 必要とされるもの。
- 例文
- 田舎におけるアイテムは、まず第一に車であろう。
- 関連語
- パーツ
アイデンティティ 【あいでんてぃてぃ】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】identity < 【フランス語】identite < 【ラテン語】idem
- 意味
- 自己同一性。自己の存在証明。『自分らしさ』という意味で使われることが多い。
- 身分を証明するもの。
- 例文
- エリクソンの8つの発達段階によると、青年期はアイデンティティを確立する時期である。(高等学校公共を参照。)
- 関連語
- 他者
- 社会
アイロニー 【あいろにー】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】irony < 【古典フランス語】ironie < 【ラテン語】ironia < 【古典ギリシャ語】εἰρωνεία
- 意味
- 皮肉。
- 反語。
- ソクラテスの問答法。
- 例文
- 美術品であるという運命を担ったミロのヴィーナスの失われた両腕は、ふしぎなアイロニーを提示するのだ。(清水卓行『手の変幻』引用、高等学校現代の国語/失われた両腕を参照。)
- 関連語
- シニカル
- イロニー
- 寓意
- 警句
アヴァンギャルド【あゔぁんぎゃるど】⦅名詞、形容動詞⦆
- 語源
- 【フランス語】avant-garde
- 意味
- 最先端。前衛。既存のものへの挑戦的な姿勢。
- 芸術における、革新的な試み。もしくは、そのような人達。
- 例文
- 革命後のソヴィエトのいわゆるロシアン・アヴァンギャルドのデザイナーたちは、革命後の社会にふさわしい生活をもののデザインによって実現しようとした。(柏木博『近代デザインの展開』引用)
- 関連語
- レボリューション
アウトサイダー【あうとさいだー】⦅名詞、形容動詞⦆
- 語源
- 【英語】outsider
- 意味
- 部外者。異邦人。門外漢。
- 経済における、価格協定に加わっていない同業者。
- 例文
- アウトサイダーに過ぎない自分にできることは何もない。
- 関連語
- インサイダー
アウトプット【あうとぷっと】⦅名詞、動詞⦆
- 語源
- 【英語】output
- 意味
- 出力。生産。
- 例文
- 学習においては、インプットだけでなくアウトプットも非常に大事である。
- 関連語
- インプット
アウトライン【あうとらいん】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】outline
- 意味
- 輪廓。概要。あらすじ。
- 例文
- プロジェクトのアウトラインをチームで共有する。
- 関連語
- ディティール
アウフヘーベン【あうふへーべん】⦅名詞、動詞⦆
- 語源
- 【ドイツ語】Aufheben
- 意味
- 矛盾する諸要素を、対立と闘争の過程を通じて高次段階で統一すること。止揚。揚棄。
- 例文
- テーゼとアンチテーゼをアウフヘーベンしたものがジンテーゼである。
- 関連語
- 弁証法
- アンチテーゼ
アウラ 【あうら】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】aura < 【ラテン語】aura < 【古典ギリシャ語】αὔρα
- 意味
- 人や物から醸し出される霊気ないし独特な雰囲気。
- オリジナルなものが「いま」「ここ」という一回性においてもっている重みや権威。
癲癇 発作。
- 例文
- 複製技術が発達して、いくらでもイメージの繰り返しが利くということになると、貴重で特権的な瞬間からアウラが失われていく。(松浦寿輝『文化としての20世紀』引用)
- 関連語
- オーラ
アカデミズム【あかでみずむ】⦅名詞、形容動詞⦆
- 語源
- 【英語】academism < 【ラテン語】academia <【古典ギリシャ語】Ἀκαδημεια
- 意味
- 学問や芸術の純粋性・正当性を守ろうとする立場。学問の世界。
- 権威主義的・非現実的な思想。
- 例文
- 原理・原則についての議論は、アカデミズム内部での思弁的な議論にとどまった。(広井良展『定常型社会』引用)
- 関連語
- ジャーナリズム
アガペー【あがぺー】⦅名詞⦆
- 語源
- 【ラテン語】agape < 【古典ギリシャ語】ἀγάπη < 【聖書ヘブライ語】אַחֲבָה
- 意味
- ユダヤ教の唯一神ヤハウェ(キリスト教でいう父なる神)が人間に与える、無償の愛。
- 例文
- マタイ福音書によれば、キリスト教徒相互の愛もまたアガペーである。
- 関連語
- エロース
- フィリアー
- ストルゲー
アクセサリー【あくせさりー】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】accessory < 【ラテン語】accessus
- 意味
- 装飾
- 付属品
- 例文
- 体育の授業では、メガネやコンタクトレンズを除いて全てのアクセサリーを外す必要がある。
- 関連語
- ファッション
アシンメトリー【あしんめとりー】⦅名詞、形容動詞⦆
- 語源
- 【英語】asymmetry < 【古典ギリシャ語】ἀσυμμετρία
- 意味
- 非対称。不均衡。
- 例文
- 人間の構造は必ずアシンメトリーである。
- 関連語
- シンメトリー
アセスメント【あせすめんと】⦅名詞、動詞⦆
- 語源
- 【英語】assessment < 【ラテン語】assessus
- 意味
- 評価。査定。
- 事前影響評価
- 例文
- 1993年に制定された環境基本法において環境アセスメントの実施が位置づけられ、1997年6月に環境影響評価法が成立した。
- 関連語
- ランク
アップデート【あっぷでーと】⦅名詞、動詞⦆
- 語源
- 【英語】update
- 意味
- データを新しいものに置き換えること。更新。
- 例文
- 歳を取れば取るほど、常識や知識のアップデートは困難になる。
- 関連語
- グレードアップ
- パッチ
アドミニストレータ【あどみにすとれーた】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】administrator < 【ラテン語】administrator
- 意味
- 管理者。
- 例文
- アドミニストレータはネットワーク内の全ての権限を有するので、そのパスワードの厳重な管理はセキュリティ上の最優先課題である。
- 関連語
- コマンド
アナーキー【あなーきー】⦅名詞、形容動詞⦆
- 語源
- 【英語】anarchy < 【ラテン語】anarchia < 【古典ギリシャ語】ἀναρχία
- 意味
- 政治的な秩序が失われているさま。無政府状態。
- 例文
- 社会の秩序を知り得る場所で性格の破綻からそれをあえて破ろうとするアナーキー的本質のものではない。(宮本百合子『作品のテーマと人生のテーマ』引用)
- 関連語
- カオス
- コスモス
アナクロニズム【あなくろにずむ】⦅名詞、形容動詞⦆
- 語源
- 【英語】anachronism < 【古典ギリシャ語】αναχρονισμός
- 意味
- 時代錯誤。時代遅れ。
- 例文
- アナクロニズムもいいところであって、わたしのなりたかった詩人というのは新体詩人なのであった。(岸田秀『ものぐさ精神分析』引用)
- 関連語
- 旧弊
アナログ【あなろぐ】⦅名詞、形容動詞⦆
- 語源
- 【英語】analog < 【フランス語】analogue < 【古典ギリシャ語】ἀνάλογος
- 意味
- 連続的なものを連続量で表現すること。
- 古めかしいこと。
- 例文
- 2011年7月24日、東日本大震災で大きな被害を受けた福島・宮城・岩手の三県を除く44都道府県で地上波のアナログテレビ放送が終了した。
- 関連語
- デジタル
- アナロジー
アナロジー【あなろじー】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】analogy < 【ラテン語】analogia < 【古典ギリシャ語】ἀναλογίᾱ
- 意味
- 類推。類比。推論。
- 例文
- 生命には、パーツが張り合わせられて作られるプラモデルのようなアナロジーでは説明不可能な重要な特性が存在している。(福岡伸一『生物と無生物のあいだ』引用、高等学校国語総合/生物と無生物のあいだを参照。)
- 関連語
- アナログ
アニミズム【あにみずむ】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】animism < 【ラテン語】anima < 【古典ギリシャ語】Ψυχή
- 意味
- 遍くものに霊魂が宿っているという思想。精霊信仰。
- 例文
- すなわち、言霊思想は、万物に神が宿るとする単なるアニミズム的な思想というだけではなく、心の存り様をも示すものであった。
- 関連語
- シャーマニズム
- 言霊
アパシー【あぱしー】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】apathy < 【フランス語】apathie < 【ラテン語】apathia < 【古典ギリシャ語】ἀπαθής
- 意味
- 無気力。無関心。
- 例文
- アパシーは高齢者によく見られるが、鬱病と混同されやすい。
- 関連語
- パトス
アフォリズム【あふぉりずむ】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】aphorism < 【古典ギリシャ語】αφορισμός
- 意味
- 真理を簡潔且つ鋭く表現した語句。金言。箴言。警句。
- 例文
- 「水清ければ魚棲まず」とは、まさにアフォリズムである。
- 関連語
- 諺
アブダクション【あぶだくしょん】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】abduction < 【古典ギリシャ語】ἀπαγωγή
- 意味
- 関連する証拠を最もよく説明する仮説を選択する推論法。
- 例文
- アブダクションは誘拐の意でも用いられるため、レトロダクションという言い方も存在する。
- 関連語
- 演繹
- 帰納
アプリオリ【あぷりおり】⦅名詞、形容動詞⦆
- 語源
- 【ラテン語】a + priori
- 意味
- 経験に先立って。先天的に。
- 演繹的に。
- 例文
- 国家の本質、家族の本質をアプリオリに規定することはできないし、規定しても無意味である。(西谷敬『関係性による社会倫理学』引用)
- 関連語
- 演繹
- アポステリオリ
アプローチ【あぷろーち】⦅名詞、動詞⦆
- 語源
- 【英語】approach < 【古典フランス語】aprochier < 【ラテン語】prope < 【オスク語】𐌐𐌄
- 意味
- 接近すること。
- 手掛かり。
- 研究・考察の手法。
- 例文
- 研究が行き詰まったため、別のアプローチを模索してみる。
- 関連語
- コンタクト
アポ【あぽ】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】appointment < 【フランス語】apointement
- 意味
- 会合の約束。予約。
- 例文
- 取材をするときはアポを取るのがマナーじゃないんですか?
- 関連語
- 予約
アポカリプス【あぽかりぷす】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】apocalypse < 【ラテン語】apocalypsis < 【古典ギリシャ語】Ἀποκάλυψις
- 意味
- 新約聖書最後の聖典、『ヨハネの黙示録』のこと。
- 世界の終末。善と悪の最終戦争。
- 大量絶滅。
- 例文
- ポスト・アポカリプスにおいて人類は霊長の座を維持できるのだろうか?
- 関連語
- アルマゲドン
- ラグナロク
アポステリオリ【あぽすてりおり】⦅名詞、形容動詞⦆
- 語源
- 【ラテン語】a + posteriori
- 意味
- 経験に基づいて。後天的。
- 帰納的
- 例文
- アポステリオリな知識とは、 経験によって反証されうる知識のことである。(山元一郎『ラッセル・ウィトゲンシュタイン・ホワイトヘッド』引用)
- 関連語
- 帰納
- アプリオリ
アポリア【あぽりあ】⦅名詞⦆
- 語源
- 【古典ギリシャ語】ἀπορία
- 意味
- 解決できない難問。一つの問いに対して、矛盾する二つの合理的な解答に直面すること。
- 例文
- 通常の時間論で考える限り、必ずアポリアにおちいるからである。(古東哲明『瞬間を生きる哲学』引用)
- 関連語
- アンチノミー
- ジレンマ
- パラドックス
アリウス【ありうす】⦅名詞⦆
- 語源
- 【古典ギリシャ語】Άρειος
- 意味
- キリスト教において、三位一体を否定して異端とされた一派。ユダヤ教と同様の厳格な唯一神論を説いた。
- 例文
- 325年のニカイア公会議でアリウスの教えは異端とされたが、その後もアリウス派とニカイア派の宗教的紛争は政争に絡めて長く続いた。
- 関連語
- 三位一体
- パテル
- サンクトゥス
- フィリウス
アルマゲドン【あるまげどん】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】armageddon < 【古典ギリシャ語】Ἁρμαγεδών < 【聖書ヘブライ語】הר מגידו
- 意味
- アポカリプスが到来したときの最終決戦の地。
- 天地崩落が起きるほど大きな戦争。
- 例文
- 永かった人類史の最後は、アルマゲドンで締め括られるだろう。
- 関連語
- アポカリプス
- ラグナロク
アリア【ありあ】⦅名詞⦆
- 語源
- 【イタリア語】aria < 【ラテン語】aer < 【古典ギリシャ語】αηρ
- 意味
- オペラにおける、オーケストラの伴奏で独唱する叙情的な曲。
- 叙情的な小歌曲。
- 例文
- 『トゥーランドット』の『誰も寝てはならぬ』はアリアとしてはあまりにも有名であろう。
- 関連語
- オペラ
アレゴリー【あれごりー】⦅名詞⦆
- 語源
- 【英語】allegory < 【古典フランス語】allegorie < 【ラテン語】allegoria < 【古典ギリシャ語】ἀλληγορία
- 意味
- ある意味を別の物事に託して表すこと。寓喩。寓意。
- 例文
- アレゴリーには、何かしらの教訓や諷刺が含まれる場合が多い。
- 関連語
- 諷喩
- メタファー