木星は太陽系で最大の惑星です。他の惑星を合わせた大きさの2.5倍です。太陽から5番目に離れていて、最も明るい惑星の一つです。木星や土星は液体やガスでできているので巨大ガス惑星と呼ばれることもあります。

♃ 木星の事実

  • 太陽からの粒子を木星の磁場が閉じ込めているので、致死量の放射線に覆われています。
  • 木星の衛星エウロパの地表には海があると考えられています。
  • 木星の衛星ガニメデは太陽系で一番大きい衛星です。

大きさはどのくらい?

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木星と地球の比較

木星の赤道は直径142,984kmで、おおよそ地球11倍、太陽の10分の1倍、地球が1400個分入るほどの大きさです。縦の長さは133,709kmで地球の10倍です。木星の自転速度は早いので赤道が広がりました。

木星の磁場は太陽系の中で一番大きく直径約2600万kmで太陽の約20倍大きく、土星の公転軌道上に達するほどです。また、満月よりも5倍大きく、地球から見ることも出来ます。

地表は何でできているの?

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土星探査機カッシーニによる最も解像度の高い木星写真

私達が見ている地表は固体ではありません。この巨大な惑星は比較的小さな岩石の核を持っていて、液体や気体が入り混じり大気となって核を覆っています。

木星は雲深く天候が荒れている惑星です。常に雲に覆われていて、600/h程度です。嵐は渦状、紐型、点状などに見えます。特に強い嵐は直径で地球の3倍ほどで大赤斑(だいせきはん)として知られており、300年近く存在しています。

雲の層はいくつかあります。明るい色の層は帯、暗い色の層は縞です。色の違いは気温や化学物質の違いによるものです。雲はそれぞれ反対側に回転し、雲同士がぶつかり合うとうず上の模様ができます。

木星での嵐は地球のと同様に雷がありますが、この雷は雲の上層部の水によるもので地球の100倍の強さです。

木星の環は何?

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木星の環

木星の環は暗くてほとんど見えません。これらは微小な粒子や彗星によって壊された衛星、水星が運んできたデブリなどでできています。実際に惑星探査機が木星の近くまで来て環の写真を撮るまで、専門家たちは全く環の事を知りませんでした。

大気は何でできているの?

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木星の大気

木星の大気はほとんどが水素です。地表では90%近くあります。上の方ではヘリウムが含まれます。

気温はとても高いので、専門家は木星を構成している元素のすべてを理解しているわけではありません。木星の外核は水素でできています。その場所での気圧と高温の大気がガスを液状化しています。

木星の衛星は?

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木星にはたくさんの衛星(月)があり、今までに90個以上が見つかっています。その中でも有名な4つの大きな衛星(ガリレオ衛星)のほかに、小さな衛星もたくさんあります。これらの衛星は木星の周りを、近いところから遠いところまで、グループごとに回っています。ここでは、木星に近い順に衛星とそのグループを紹介します。

木星の内側を回る小さな衛星たち

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メティス群

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木星の一番内側を回っているのがメティスアドラステアアマルテアテーベという4つの小さな衛星です。これらの衛星はメティス群と呼ばれます。特にアマルテアは、このグループの中で一番大きく、真っ赤な色をしています。これらの衛星はとても小さく、形も丸くなくて、じゃがいものような形をしています。

  • メティス(直径43km)
  • アドラステア(直径20km)
  • アマルテア(直径167km)
  • テーベ(直径100km)

ガリレオ衛星

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次に紹介するのは、木星の有名な4つの大きな衛星、ガリレオ衛星です。これらは1610年にガリレオ・ガリレイが発見したので、彼の名前にちなんで呼ばれています。

イオ

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イオはガリレオ衛星の中で木星に一番近いです。直径約3643 kmで、たくさんの火山があります。火山が噴火すると、溶けた硫黄が地表を覆い、明るい黄色やオレンジ色に見えます。イオには火山活動が活発で、常に新しい表面が作られるので、クレーターはほとんど見えません。

エウロパ

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エウロパは氷に覆われた衛星です。直径は約3121 kmで、イオより少し小さいです。エウロパの表面はつるつるしていて、長い割れ目があります。専門家たちは、氷の下にがあるかもしれないと考えており、その海に生命がいる可能性も探っています。

ガニメデ

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ガニメデは木星の衛星の中で一番大きく、直径は約5268 kmもあります。これは太陽系で一番大きい衛星で、火星よりも大きいです。ガニメデの表面には古い地形と新しい地形があり、プレートが動いているためにできたと考えられています。また、ガニメデも氷で覆われており、氷の下には海がある可能性があります。

カリスト

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カリストは木星からガリレオ衛星の中では一番遠くを回っています。直径は約4820 kmです。カリストの表面はクレーターでいっぱいです。古いクレーターが氷に覆われて見えにくくなっているところもあります。カリストはケイ酸塩と氷でできており、表面の下には海があるかもしれません。

外側の衛星たち

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木星にはもっと遠くを回っている小さな衛星もたくさんあります。これらは不規則衛星と呼ばれ、木星からとても遠くを回り、形もまるくありません。これらの衛星は木星の引力によって捕まえられた小惑星や彗星だったかもしれません。

ヒマリア群(Himalia群)

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木星から遠い距離を回る小さな衛星たちのグループです

  • ヒマリア (Himalia)
  • リシテア (Lysithea)
  • エララ (Elara)
  • ディア (Dia)

アナンケ群(Ananke群)

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木星の周りを逆行(木星の自転とは逆向き)して回る不規則衛星のグループで、小型で形が不規則な天体からなり、アナンケを中心にした軌道を共有しています。

  • アナンケ (Ananke)

カルメ群(Carme群)

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木星の外側を逆行軌道で公転する不規則衛星群で、主にカルメを中心に、軌道傾斜が大きく形が不規則な小型衛星で構成されています。

  • カルメ (Carme)

パシファエ群(Pasiphae群)

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木星の外側を逆行軌道で公転する不規則衛星群で、パシファエを中心に軌道が傾斜し、形が不規則な衛星が含まれています。

  • パシファエ (Pasiphae)

木星の衛星の順行と逆行と命名

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木星の衛星は、その公転方向に基づいて「順行」と「逆行」に分類され、それぞれの衛星群に特定の命名規則があります。

順行衛星(Prograde Satellites)
木星の自転と同じ方向(西から東)に公転している衛星。順行衛星の名前は通常、ラテン語の女性名詞の語尾(-aまたは-e)が適用されます。
  • 代表的な例: ガリレオ衛星(イオ、エウロパ、ガニメデ、カリスト)やアマルテア群(アマルテアなど)。
逆行衛星*(Retrograde Satellites)
木星の自転とは反対の方向(東から西)に公転している衛星。逆行衛星の名前は通常、、ラテン語の女性名詞の語尾(-o)が適用されます。
  • 代表的な例: パシファエ群、アナンケ群、カルメ群。

これらの命名ルールは、主に衛星の発見時期や軌道特性に応じて国際天文学連合(IAU)によって定められています。


このように、木星にはたくさんの衛星があり、近いものから遠いものまでさまざまな特徴を持っています。神話にちなんだ名前がつけられているのも面白いですね!

木星の1日の長さは?

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木星の1日は地球の約10時間です。でも、「約」と言わないといけません。なぜなら、木星のいろんな場所がちょっと違う速さで回転しているからです。木星はほとんどがガスでできていて、そのガスは常に動いていて、時には違う方向に進んでいます。木星の中心にある岩石の部分(核)の回転速度を測ろうとする試みもありますが、木星の周りにある強い磁場や大気が出す電波が、測定に使われる技術を邪魔してしまうので、とても難しいのです。金星や火星の表面を測るのに使われるレーダー技術も、木星では上手くいかないのです。

木星の1年はどれくらい?

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大赤斑(だいせきはん)

木星の1年は地球の4,335日、つまり地球の11.87年です。

また、木星が太陽を5周する間に土星は2周します。 このように、惑星の軌道が簡単な整数の比率で表せるとき、それを「軌道共鳴(きどうきょうめい)」といいます。

どのくらいの重力がかかっているの?

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木星の雲の上では、地球の約2.5倍の重力がかかります。自転速度が速いので、赤道上では約10%重力が軽くなり、極に近づくにつれて重くなっていきます。

 
Wikipedia
ウィキペディア木星の記事があります。

名前の由来は?

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ギリシャ・オリンピアのゼウス像

木星の英語名「Jupiter(ジュピター)」は、ローマ神話の神「ユピテル」(ラテン語で Iuppiter)にちなんでいます。ユピテルはギリシャ神話では「ゼウス」と呼ばれ、雷を操る強い神様として知られています。