コンメンタール労働契約法

条文

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(解雇)

第16条  
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

解説

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日本食塩製造事件において、解雇権濫用法理を判例法理として確立。この法理は2003(平成15)年労働基準法改正により、労基法第18条の2として法律上明文化。2008(平成20)年本法制定・施行に伴い本条へ移行。

業績不振による解雇

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業績不振による解雇(整理解雇)の要件(東洋酸素整理解雇 東京高等裁判所判決 昭和54年10月29日)

  1. 事業部門を閉鎖することが企業の合理的運営上やむをえない必要に基づくものと認められる場合であること
  2. 事業部門に勤務する従業員を同一又は遠隔でない他の事業場における他の事業部門の同一又は類似職種に充当する余地がない場合、あるいは右配置転換を行つてもなお全企業的に見て剰員の発生が避けられない場合であつて、解雇が特定事業部門の閉鎖を理由に使用者の恣意によつてなされるものでないこと
  3. 具体的な解雇対象者の選定が客観的、合理的な基準に基づくものであること

参照条文

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判例

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  1. 雇傭関係存在確認請求(最高裁判決 昭和50年4月25日)労働組合法第2章,労働組合法第3章,民法第627条
    除名が無効な場合におけるユニオン・ショップ協定に基づく解雇の効力
    労働組合から除名された労働者に対し使用者がユニオン・ショップ協定に基づく労働組合に対する義務の履行として行う解雇は、右除名が無効な場合には、他に解雇の合理性を裏づける特段の事由がないかぎり、無効である。
    • 使用者の解雇権の行使も、それが客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、権利の濫用として無効になると解するのが相当である。
  2. 地位確認等請求事件(最高裁判決 平成24年04月27日)労働基準法第89条労働契約法第15条労働契約法第16条
    従業員の欠勤が就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤に当たるとしてされた諭旨退職の懲戒処分が無効であるとされた事例
    従業員が,被害妄想など何らかの精神的な不調のために,実際には事実として存在しないにもかかわらず,約3年間にわたり盗撮や盗聴等を通じて自己の日常生活を子細に監視している加害者集団が職場の同僚らを通じて自己に関する情報のほのめかし等の嫌がらせを行っているとの認識を有しており,上記嫌がらせにより業務に支障が生じており上記情報が外部に漏えいされる危険もあると考えて,自分自身が上記の被害に係る問題が解決されたと判断できない限り出勤しない旨をあらかじめ使用者に伝えた上で,有給休暇を全て取得した後,約40日間にわたり欠勤を続けたなど判示の事情の下では,上記欠勤は就業規則所定の懲戒事由である正当な理由のない無断欠勤に当たるとはいえず,上記欠勤が上記の懲戒事由に当たるとしてされた諭旨退職の懲戒処分は無効である。

前条:
労働契約法第15条
(懲戒)
労働契約法
第3章 労働契約の継続及び終了
次条:
労働契約法第17条
(契約期間中の解雇等)
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