コンメンタール労働組合法

条文

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(労働者)

第3条
この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、賃金、給料その他これに準ずる収入によって生活する者をいう。

解説

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参照条文

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判例

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  1. 不当労働行為救済申立棄却命令取消請求(最高裁判決 昭和51年5月6日)
    民間放送会社の放送管弦楽団員が労働組合法上の労働者と認められた事例
    民間放送会社とその放送管弦楽団員との間に締結された放送出演契約において、楽団員が、会社以外の放送等に出演することが自由とされ、また、会社からの出演発注に応じなくても当然には契約違反の責任を問われないこととされている場合であつても、会社が必要とするときは随時その一方的に指定するところによつて楽団員に出演を求めることができ、楽団員は原則としてこれに応ずべき義務を負うという基本的関係が存在し、かつ、楽団員の受ける出演報酬が、演奏によつてもたらされる芸術的価値を評価したものというよりは、むしろ演奏自体の対価とみられるものであるなど判示のような事情があるときは、楽団員は、労働組合法の適用を受ける労働者にあたる。
  2. 郵便法違反幇助、建造物侵入、公務執行妨害被告事件(最高裁判決 昭和52年05月04日)憲法第28条,刑法第1編第7章,刑法第35条刑法第130条公共企業体等労働関係法第17条1項,労働組合法第1条郵便法第79条1項
    1. 公共企業体等労働関係法第17条第1項と憲法28条
      公共企業体等労働関係法第17条第1項は、憲法28条に違反しない。
    2. 公共企業体等労働関係法第17条第1項違反の争議行為と労働組合法1条2項の適用
      公共企業体等労働関係法第17条第1項違反の争議行為には、労働組合法1条2項の適用はない。
    3. 公共企業体等労働関係法第17条第1項違反の争議行為と刑事法上の処罰阻却
      公共企業体等労働関係法第17条第1項違反の争議行為が犯罪構成要件に該当し、違法性があり、責任がある場合であつても、それが同盟罷業、怠業その他単なる労務不提供のような不作為を内容とするものであつて、同条項が存在しなければ正当な争議行為として処罰を受けることのないようなものであるときには、争議行為の単純参加者に限り、その罰則による処罰を阻却される。
    4. 郵政職員の争議行為に参加を呼びかけた行為が郵便法79条1項の罪の幇助罪による処罰を阻却されないとされた事例
      郵政職員が争議行為として行つた勤務時間内二時間の職場大会に参加を呼びかけた本件行為は、郵便法79条1項の罪の幇助罪による処罰を阻却されない。
    5. 公共企業体等労働関係法第17条第1項違反の争議行為に際しこれに付随して行われた犯罪構成要件該当行為について違法性阻却事由の有無を判断する一般的基準
      公共企業体等労働関係法第17条第1項違反の争議行為に際しこれに付随して行われた犯罪構成要件該当行為について違法性阻却事由の有無を判断するにあたつては、その行為が同条項違反の争議行為に際しこれに付随して行われたものであるという事実を含めて、行為の具体的状況その他諸般の事情を考慮に入れ、それが法秩序全体の見地から許容されるべきものであるか否かを考察しなければならない。
    6. 公共企業体等労働関係法第17条第1項違反の争議行為に際しこれに付随して行われた建造物侵入行為が刑法上の違法性を欠くものではないとされた事例
      公共企業体等労働関係法第17条第1項違反の争議行為に参加を呼びかけるため行われた本件建造物侵入行為は、刑法上の違法性を欠くものではない。
  3. 不当労働行為再審査申立棄却命令取消請求事件(最高裁判例 平成24年02月21日)労働組合法第7条
    音響製品等の設置,修理等を業とする会社と業務委託契約を締結して顧客宅等での出張修理業務に従事する受託者につき,上記会社との関係において労働組合法上の労働者に当たらないとした原審の判断に違法があるとされた事例
    音響製品等の設置,修理等を業とする会社と業務委託契約を締結し,顧客宅等を訪問して行う出張修理業務に従事する受託者につき,次の(1)〜(5)など判示の事情の下において,独立の事業者としての実態を備えていると認めるべき特段の事情の有無について十分に審理を尽くすことなく,上記会社との関係において労働組合法上の労働者に当たらないとした原審の判断には,違法がある。
    1. 上記会社において,出張修理業務のうち多くの割合の業務は,上記会社自らの選抜を経て上記会社の実施する研修を了した上記受託者が担当しており,上記会社が上記受託者とその営業日及び業務量を調整した上で業務を割り振っている。
    2. 業務委託契約の内容は上記会社の作成した統一書式の契約書及び覚書によって画一的に定められており,業務の内容やその条件等について上記受託者の側で個別に交渉する余地はない。
    3. 上記受託者に支払われる委託料は,形式的には出来高払に類する方式で支払われているが,上記受託者は1日当たり通常5件ないし8件の出張修理業務を行い,その最終の顧客訪問時間は午後6時ないし7時頃になることが多く,委託料の額が修理する機器や修理内容に応じて著しく異なるといった事情も特段うかがわれない。
    4. 上記受託者は,特別な事情のない限り上記会社によって割り振られた出張修理業務を全て受注すべきものとされている上,業務委託契約の存続期間は1年間で,上記会社から申出があれば更新されないものとされている。
    5. 上記受託者は,原則として業務開始前に上記会社に出向いて上記会社の指定した顧客訪問予定日時等の告知を受け,上記会社の指定した業務担当地域に所在する顧客宅に順次赴き,上記会社の親会社の制服及び名札を着用し上記会社の名刺を携行して当該親会社が作成したマニュアルに従って所定の出張修理業務を行い,業務終了後も原則として上記会社に戻って伝票処理や修理進捗状況等の記録への入力作業を行っている。

前条:
労働組合法第2条
(労働組合)
労働組合法
第1章 総則
次条:
労働組合法第4条
削除
労働組合法第5条
(労働組合として設立されたものの取り扱い)
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