労働組合法第2条
条文
編集(労働組合)
- 第2条
- この法律で「労働組合」とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう。但し、左の各号の一に該当するものは、この限りでない。
- 役員、雇入解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者、使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接にてい触する監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの
- 団体の運営のための経費の支出につき使用者の経理上の援助を受けるもの。但し、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、且つ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。
- 共済事業その他福利事業のみを目的とするもの。
- 主として政治運動又は社会運動を目的とするもの。
解説
編集参照条文
編集判例
編集- 公職選挙法違反(最高裁判決昭和43年12月4日)憲法第15条,憲法第25条,憲法第28条,労働組合法1条1項,公職選挙法第10条,公職選挙法第225条1号,公職選挙法225条3号
- 労働組合の統制権と憲法第28条
- 労働組合は、憲法第28条による労働者の団結権保障の効果として、その目的を達成するために必要であり、かつ、合理的な範囲内においては、その組合員に対する統制権を有する。
- 公職選挙への立候補の自由と憲法第15条第1項
- 公職の選挙に立候補する自由は、憲法第15条第1項の保障する重要な基本的人権の一つと解すべきである。
- 労働組合の統制権と組合員の立候補の自由
- 労働組合が、地方議会議員の選挙にあたり、いわゆる統一候補を決定し、組合を挙げて選挙運動を推進している場合において、統一候補の選にもれた組合員が、組合の方針に反して立候補しようとするときは、これを断念するよう勧告または説得することは許されるが、その域を超えて、立候補を取りやめることを要求し、これに従わないことを理由に統制違反者として処分することは、組合の統制権の限界を超えるものとして許されない。
- 労働組合の統制権と憲法第28条
- 地位確認(最高裁判例 昭和49年08月28日)
- 労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで使用者の物的施設を利用して行う組合活動の当否
- 労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで使用者の所有し管理する物的施設を利用して組合活動を行うことは、これらの者に対しその利用を許さないことが当該施設につき使用者が有する権利の濫用であると認められるような特段の事情がある場合を除いては、当該施設を管理利用する使用者の権限を侵し、企業秩序を乱すものであり、正当な組合活動にあたらない。
- D労働組合の組合員が組合活動に際し職員詰所備付けのロツカーに要求事項等を記入したビラを貼付する行為が正当な組合活動にあたらないとされた事例
- D労働組合の組合員が、組合活動に際し、職員詰所に設置された日本国有鉄道の所有し管理する物的施設の一部で組合員が利用を許されているロツカーに要求事項等を記入したビラを許可を得ないで貼付する行為は、組合掲示板以外の施設へのビラ貼付が禁止されており、ビラの大きさ・色彩・枚数等に照らし貼付されたビラが職員等の目に直ちに触れ、組合活動に関する訴えかけを行う効果を及ぼすものとみられるなど、判示の事実関係のもとにおいては、当該施設を管理利用する利用者の権限を侵し、企業秩序を乱すものであつて、正当な組合活動にあたらない。
- 労働組合又はその組合員が使用者の許諾を得ないで使用者の物的施設を利用して行う組合活動の当否
- 地位確認(最高裁判例 昭和62年10月29日)労働組合法第2章
- 労働組合の組合員がいわゆる組合員再登録申請をしなかつたことをもつて組合員資格を喪失したとすることはできないとされた事例
- 労働組合の規約上、いわゆる組合員再登録についての定めがなく、組合員がその意思に反して組合員資格を喪失する事由としては除名の制裁を受けたとき以外に定められていない場合において、当該再登録は適格性審査を経て行われるなど判示の事実関係(原判決参照)のもとでは、組合員が右再登録の申請をしなかつたことをもつて組合員資格を喪失したとすることはできない。
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