労働金庫法第58条
条文
編集(金庫の事業)
- 第58条
- 金庫は、次に掲げる業務及びこれに付随する業務を行うものとする。
- 会員の預金又は定期積金の受入れ
- 会員に対する資金の貸付け
- 会員のためにする手形の割引
- 労働金庫は、前項の業務のほか、次に掲げる業務及びこれに付随する業務を併せ行うことができる。
- 為替取引
- 国、地方公共団体その他営利を目的としない法人(以下この章において「国等」という。)の預金の受入れ
- 会員(個人会員を除く。)を構成するもの(以下この項において「間接構成員」という。)の預金又は定期積金の受入れ
- 間接構成員(法人又は団体であるものを除く。)又は個人会員と生計を一にする配偶者その他の親族(次号において「配偶者等」という。)の預金又は定期積金の受入れ
- 会員以外のもの(国等、間接構成員及び配偶者等を除く。)の預金又は定期積金の受入れ
- 間接構成員及び日本勤労者住宅協会に対する資金の貸付け(手形の割引を含む。以下この章において同じ。)
- 債務の保証又は手形の引受け(会員のためにするものその他の内閣府令・厚生労働省令で定めるものに限る。)
- 有価証券(第11号に規定する証書をもつて表示される金銭債権に該当するもの及び短期社債等を除く。第11号の2及び第12号において同じ。)の売買(有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。)又は有価証券関連デリバティブ取引(投資の目的をもつてするもの又は書面取次ぎ行為に限る。)
- 有価証券の貸付け(会員のためにするものその他の内閣府令・厚生労働省令で定めるものに限る。)
- 国債、地方債若しくは政府保証債(以下この章において「国債等」という。)の引受け(売出しの目的をもつてするものを除く。)又は当該引受けに係る国債等の募集の取扱い
- 金銭債権(譲渡性預金証書その他の内閣府令・厚生労働省令で定める証書をもつて表示されるものを含む。)の取得又は譲渡
- 11.の2
- 特定目的会社が発行する特定社債(特定短期社債を除き、資産流動化計画において当該特定社債の発行により得られる金銭をもつて金銭債権(民法第3編第1章第7節第1款(指図証券)に規定する指図証券、同節第2款(記名式所持人払証券)に規定する記名式所持人払証券、同節第3款(その他の記名証券)に規定するその他の記名証券及び同節第4款(無記名証券)に規定する無記名証券に係る債権並びに電子記録債権法(平成19年法律第102号)第2条第1項(定義)に規定する電子記録債権を除く。以下この号において同じ。)又は金銭債権を信託する信託の受益権のみを取得するものに限る。以下この号において同じ。)その他特定社債に準ずる有価証券として内閣府令・厚生労働省令で定めるもの(以下この号及び次条第1項第9号の2において「特定社債等」という。)の引受け(売出しの目的をもつてするものを除く。)又は当該引受けに係る特定社債等の募集の取扱い
- 11.の3 短期社債等の取得又は譲渡
- 11.の2
- 有価証券の私募の取扱い
- 金庫、独立行政法人住宅金融支援機構、株式会社日本政策金融公庫、独立行政法人雇用・能力開発機構その他内閣総理大臣及び厚生労働大臣の定める者(外国の法令に準拠して外国において銀行法第2条第2項(定義等)に規定する銀行業を営む者(同法第4条第5項(営業の免許)に規定する銀行等を除く。次条第1項第11号において「外国銀行」という。)を除く。)の業務の代理又は媒介(内閣総理大臣及び厚生労働大臣の定めるものに限る。)
- 国、地方公共団体、会社等の金銭の収納その他金銭に係る事務の取扱い
- 有価証券、貴金属その他の物品の保護預り
- 15.の2 振替業
- 両替
- 16.の2
- デリバティブ取引(有価証券関連デリバティブ取引に該当するものを除く。次号において同じ。)であつて内閣府令・厚生労働省令で定めるもの(第11号に掲げる業務に該当するものを除く。)
- 16.の2
- デリバティブ取引(内閣府令・厚生労働省令で定めるものに限る。)の媒介、取次ぎ又は代理
- 金利、通貨の価格、商品の価格、算定割当量(地球温暖化対策の推進に関する法律(平成10年法律第117号)第2条第7項(定義)に規定する算定割当量その他これに類似するものをいう。以下同じ。)の価格その他の指標の数値としてあらかじめ当事者間で約定された数値と将来の一定の時期における現実の当該指標の数値の差に基づいて算出される金銭の授受を約する取引又はこれに類似する取引であつて内閣府令・厚生労働省令で定めるもの(次号において「金融等デリバティブ取引」という。)のうち労働金庫の経営の健全性を損なうおそれがないと認められる取引として内閣府令・厚生労働省令で定めるもの(第11号及び第16号の2に掲げる業務に該当するものを除く。)
- 金融等デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理(第17号に掲げる業務に該当するもの及び内閣府令・厚生労働省令で定めるものを除く。)
- 有価証券関連店頭デリバティブ取引(当該有価証券関連店頭デリバティブ取引に係る有価証券が第11号に規定する証書をもつて表示される金銭債権に該当するもの及び短期社債等以外のものである場合には、差金の授受によつて決済されるものに限る。次号において同じ。)(第8号に掲げる業務に該当するものを除く。)
- 有価証券関連店頭デリバティブ取引の媒介、取次ぎ又は代理
- 機械類その他の物件を使用させる契約であつて次に掲げる要件の全てを満たすものに基づき、当該物件を使用させる業務(会員又はこれに準ずる者として内閣府令・厚生労働省令で定めるもののためにするものに限る。)
- イ
- 契約の対象とする物件(以下この号及び次条第1項第20号において「リース物件」という。)を使用させる期間(以下この号及び同項第20号において「使用期間」という。)の中途において契約の解除をすることができないものであること又はこれに準ずるものとして内閣府令・厚生労働省令で定めるものであること。
- ロ
- 使用期間において、リース物件の取得価額から当該リース物件の使用期間の満了の時において譲渡するとした場合に見込まれるその譲渡対価の額に相当する金額を控除した額及び固定資産税に相当する額、保険料その他当該リース物件を使用させるために必要となる付随費用として内閣府令・厚生労働省令で定める費用の合計額を対価として受領することを内容とするものであること。
- ハ
- 使用期間が満了した後、リース物件の所有権又はリース物件の使用及び収益を目的とする権利が相手方に移転する旨の定めがないこと。
- イ
- 前号に掲げる業務の代理又は媒介
- 会員から取得した当該会員に関する情報を当該会員の同意を得て第三者に提供する業務その他当該労働金庫の保有する情報を第三者に提供する業務であつて、当該労働金庫の前項各号に掲げる業務を行う事業の高度化又は当該労働金庫の利用者の利便の向上に資するもの
- 当該労働金庫の保有する人材、情報通信技術、設備その他の当該労働金庫の前項各号に掲げる業務を行う事業に係る経営資源を主として活用して行う業務であつて、地域の活性化、産業の生産性の向上その他の持続可能な社会の構築に資する業務として内閣府令・厚生労働省令で定めるもの
- 労働金庫の前項第5号に掲げる業務に係る預金及び定期積金の合計額は、当該労働金庫の預金及び定期積金の総額の100分の20に相当する金額を超えてはならない。
- 労働金庫は、第2項第6号に掲げる資金の貸付けの業務のほか、政令で定めるところにより、第1項第2号及び第3号に掲げる業務の遂行を妨げない限度において、国等、金融機関その他会員以外のものに対する資金の貸付けをすることができる。
- 第2項第11号に掲げる業務には同号に規定する証書をもつて表示される金銭債権のうち有価証券に該当するものについて、同項第11号の3に掲げる業務には短期社債等について、金融商品取引法第2条第8項第1号から第6号まで及び第8号から第10号まで(定義)に掲げる行為を行う業務を含むものとする。
- 第2項及び前項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
- 短期社債等
- 次に掲げるものをいう。
- イ 社債、株式等の振替に関する法律第66条第1号 (権利の帰属)に規定する短期社債
- ロ 投資信託及び投資法人に関する法律(昭和26年法律第198号)第139条の12第1項 (短期投資法人債に係る特例)に規定する短期投資法人債
- ハ 信用金庫法(昭和26年法律第238号)第54条の4第1項 (短期債の発行)に規定する短期債
- ニ 保険業法(平成7年法律第105号)第61条の10第1項 (短期社債に係る特例)に規定する短期社債
- ホ 資産の流動化に関する法律(平成10年法律第105号)第2条第8項(定義)に規定する特定短期社債
- ヘ 農林中央金庫法(平成13年法律第93号)第62条の2第1項 (短期農林債の発行)に規定する短期農林債
- ト
- その権利の帰属が社債、株式等の振替に関する法律 の規定により振替口座簿の記載又は記録により定まるものとされる外国法人の発行する債券(新株予約権付社債券の性質を有するものを除く。)に表示されるべき権利のうち、次に掲げる要件のすべてに該当するもの
- (1) 各権利の金額が1億円を下回らないこと。
- (2) 元本の償還について、権利の総額の払込みのあつた日から1年未満の日とする確定期限の定めがあり、かつ、分割払の定めがないこと。
- (3) 利息の支払期限を、(2)の元本の償還期限と同じ日とする旨の定めがあること。
- 1.の2
- 有価証券関連デリバティブ取引又は書面取次ぎ行為 それぞれ金融商品取引法第28条第8項第6号(定義)に規定する有価証券関連デリバティブ取引又は同法第33条第2項(金融機関の有価証券関連業の禁止等)に規定する書面取次ぎ行為をいう。
- 次に掲げるものをいう。
- 政府保証債
- 政府が元本の償還及び利息の支払について保証している社債その他の債券をいう。
- 2.の2 特定目的会社、資産流動化計画、特定社債又は特定短期社債
- それぞれ資産の流動化に関する法律第2条第3項 、第4項、第7項又は第8項(定義)に規定する特定目的会社、資産流動化計画、特定社債又は特定短期社債をいう。
- 有価証券の私募の取扱い
- 有価証券の私募(金融商品取引法第2条第2項(定義)に規定する有価証券の私募をいう。)の取扱いをいう。
- 3.の2 振替業
- 社債、株式等の振替に関する法律第2条第4項(定義)の口座管理機関として行う振替業をいう。
- 3.の3 デリバティブ取引
- 金融商品取引法第2条第20項(定義)に規定するデリバティブ取引をいう。
- 有価証券関連店頭デリバティブ取引
- 金融商品取引法第28条第8項第4号(定義)に掲げる行為をいう。
- 短期社債等
- 労働金庫は、第1項から第4項までの規定により行う業務のほか、第1項各号に掲げる業務の遂行を妨げない限度において、次に掲げる業務を行うことができる。
- 金融商品取引法第28条第6項(通則)に規定する投資助言業務
- 金融商品取引法第33条第2項各号(金融機関の有価証券関連業の禁止等)に掲げる有価証券又は取引について、同項 各号に定める行為を行う業務(第2項の規定により行う業務を除く。)
- 金融機関の信託業務の兼営等に関する法律により行う同法第1条第1項(兼営の認可)に規定する信託業務
- 信託法(平成18年法律第108号)第3条第3号 (信託の方法)に掲げる方法によつてする信託に係る事務に関する業務
- 算定割当量を取得し、若しくは譲渡することを内容とする契約の締結又はその媒介、取次ぎ若しくは代理を行う業務(第2項の規定により行う業務を除く。)であつて、内閣府令・厚生労働省令で定めるもの
- 労働金庫は、前項第4号に掲げる業務に関しては、信託業法(平成16年法律第154号)の適用については、政令で定めるところにより、会社とみなす。
解説
編集参照条文
編集判例
編集- 土地建物所有権移転登記抹消登記手続等請求 (岡山労働金庫貸付事件 最高裁判所判決昭和44年07月04日) 民法第1条,民法第43条,民法第387条
- 労働金庫の会員外の者に対する貸付の効力
- 労働金庫の会員外の者に対する貸付は無効である。
- 員外貸付が無効とされる場合に債務者において右債務を担保するために設定された抵当権の実行による所有権の取得を否定することが許されないとされた事例
- 労働金庫の員外貸付が無効とされる場合においても、右貸付が判示のような事情のもとにされたものであつて、右債務を担保するために設定された抵当権が実行され、第三者がその抵当物件を競落したときは、債務者は、信義則上、右競落人に対し、競落による所有権の取得を否定することは許されない。
- 労働金庫の会員外の者に対する貸付の効力
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