戸籍法第95条
条文
編集【生存配偶者の復氏届】
- 第95条
- 民法第751条第1項の規定によつて婚姻前の氏に復しようとする者は、その旨を届け出なければならない。
解説
編集本条は、復氏の届出について規定している。民法751条1項の規定により、夫婦の一方が死亡した場合には、生存している配偶者が、婚姻の際に氏を改めた者である場合には、婚姻前の氏に復すること(復氏)が出来る。失踪宣告により配偶者が死亡したとみなされた場合にも、民法751条1項の規定が適用され、復氏することが出来る。
離婚の場合と異なり、復氏をするかどうか、いつ復氏をするかは、生存配偶者の自由意志に委ねられ、他人の同意や家庭裁判所の許可は不要である。
本条と同じく本法10節に規定されている姻族関係の終了の届出(戸籍法96条)とは無関係であり、姻族関係の終了の届出をしていなくても、復氏することができる。
復氏の届出があった場合、原則として婚姻前の戸籍に復籍する。ただし、その戸籍が既に除かれているとき、その者が新戸籍編製の申出をしたときは、新戸籍が編製される。
生存配偶者から復氏の届出があっても、復氏をする生存配偶者の子について、その子の氏や戸籍の変動は伴わない。子の氏の変更をする場合は、戸籍法98条に規定する届出をしなければならない。
参照条文
編集参考文献
編集- 加藤令造 『新版 戸籍法逐条解説』 岡垣学補訂、日本加除出版、1981年4月1日、改訂2版。
- 青木義人、大森政輔 『戸籍法』 日本評論社、1982年9月20日、全訂版。
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