民法第502条
条文
編集(一部弁済による代位)
- 第502条
- 債権の一部について代位弁済があったときは、代位者は、債権者の同意を得て、その弁済をした価額に応じて、債権者とともにその権利を行使することができる。
- 前項の場合であっても、債権者は、単独でその権利を行使することができる。
- 前二項の場合に債権者が行使する権利は、その債権の担保の目的となっている財産の売却代金その他の当該権利の行使によって得られる金銭について、代位者が行使する権利に優先する。
- 第1項の場合において、債務の不履行による契約の解除は、債権者のみがすることができる。この場合においては、代位者に対し、その弁済をした価額及びその利息を償還しなければならない。
改正経緯
編集2017年改正により、以下の条文から改正された。
- 債権の一部について代位弁済があったときは、代位者は、その弁済をした価額に応じて、債権者とともにその権利を行使する。
- 前項の場合において、債務の不履行による契約の解除は、債権者のみがすることができる。この場合においては、代位者に対し、その弁済をした価額及びその利息を償還しなければならない
解説
編集代位弁済のうち、一部弁済がなされた場合の法律関係の変動に関する規定である。
債権者だけでなく代位弁済者も債務者(とほかの保証人・物上保証人等)に権利を行使することになるが、それでは債権者の債権回収がうまくいかなくなる可能性がある。そこで債権者の権利の優先が規定された。
参照条文
編集判例
編集- 破産債権確定請求事件(最高裁判決 平成14年09月24日)破産法第24条,破産法第26条,民法第351条,民法第372条
- 債務者に対する破産宣告後に物上保証人から届出債権の一部の弁済を受けた破産債権者が権利を行使し得る範囲
- 債権の全額を破産債権として届け出た債権者は,債務者に対する破産宣告後に物上保証人から届出債権の弁済を受けても,その全部の満足を得ない限り,届出債権の全額について破産債権者としての権利を行使することができる。
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