法学民事法コンメンタール民法第3編 債権 (コンメンタール民法)民法第658条

条文

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寄託物の使用及び第三者による保管)

第658条
  1. 受寄者は、寄託者の承諾を得なければ、寄託物を使用することができない。
  2. 受寄者は、寄託者の承諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、寄託物を第三者に保管させることができない。
  3. 再受寄者は、寄託者に対して、その権限の範囲内において、受寄者と同一の権利を有し、義務を負う。

改正経緯

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2017年改正により、以下のとおり、改正された。

  1. 第1項
    (改正前)寄託物を使用し、又は第三者にこれを保管させることができない。
    (改正後)寄託物を使用することができない。
    • 第1項で、寄託者の承諾のない「受託物使用」及び「再寄託」を禁止していたものを、「受託物使用」の禁止のみとし、「再寄託」については第2項以降に規定することとした。
  2. 第2項
    (改正前)第105条及び民法第107条第2項の規定は、受寄者が第三者に寄託物を保管させることができる場合について準用する。
    • 旧・第105条には「復代理人を選任した代理人の責任」、旧・第107条第2項には「復代理人の権限等」が規定されていたが、旧・第105条「復代理人を選任した代理人の責任」については廃止・削除され、旧・第107条第2項「復代理人の権限等」については、一部改正後、第106条第2項に継承されたことに伴い準用関係を解消した。なお、第106条第2項の趣旨は第3項に規定している。
    (改正後)受寄者は、寄託者の承諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、寄託物を第三者に保管させることができない。
    • 改正前第1項における、寄託者の承諾のない「再寄託」の禁止を継承。ただし、「やむを得ない事由があるとき」は寄託者の承諾を不要とした。
  3. 第3項
    • 旧第2項に定められていた「再受寄者」の権利義務について、受寄者から与えられた権限の範囲内において受寄者と同一とした。これは、第106条第2項に定める復代理人の権利義務の範囲と同旨である。

解説

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参照条文

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判例

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前条:
民法第657条の2
(寄託物受取り前の寄託者による寄託の解除等)
民法
第3編 債権

第2章 契約

第11節 寄託
次条:
民法第659条
(無報酬の受寄者の注意義務)
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