法学民事法コンメンタール民法第4編 親族

条文編集

婚姻の取消しの効力)

第748条
  1. 婚姻の取消しは、将来に向かってのみその効力を生ずる。
  2. 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知らなかった当事者が、婚姻によって財産を得たときは、現に利益を受けている限度において、その返還をしなければならない。
  3. 婚姻の時においてその取消しの原因があることを知っていた当事者は、婚姻によって得た利益の全部を返還しなければならない。この場合において、相手方が善意であったときは、これに対して損害を賠償する責任を負う。

解説編集

婚姻の取消しの効力は、将来に向けてのみ生じ、過去(婚姻成立から取消しまで)に生じた法律関係に遡及しない旨を定める。戦後の民法改正においても、明治民法の規定(旧・民法第787条)がそのまま受け継がれている。

  1. 期間中に生まれた子は嫡出子となり、取消し後も、それを理由として嫡出であることは否定されない。再婚禁止期間違反の場合、前婚解消後300日を経過しないうちに、後婚が成立して200日が経過する状態が発生しうるが、この期間中に出産された子は、前婚の夫又は後婚の夫の両方いずれかに対して嫡出の推定が働く。
  2. 取消しうる婚姻が取消されないうちに、当事者の一人が死亡した場合、もう一人の当事者は、相続における配偶者の地位を得る。重婚の場合は等位の相続者となる。
  3. 取消しうる婚姻を前提とした財産関係の変動は、不当利得の法理により清算される。第3項前段の規定は相手方の善意悪意にかかわらず適用される。相手方悪意の場合も婚姻によって得た利益の全部を返還しなければならないことになる。
  4. その他、離婚の効果が準用される(詳細次条)。

参照条文編集

参考編集

明治民法において、本条には以下の規定があった。

  1. 家族カ自己ノ名ニ於テ得タル財産ハ其特有財産トス
  2. 戸主又ハ家族ノ孰レニ属スルカ分明ナラサル財産ハ戸主ノ財産ト推定ス

前条:
民法第747条
(詐欺又は強迫による婚姻の取消し)
民法
第4編 親族

第2章 婚姻

第1節 婚姻の成立
次条:
民法第749条
(離婚の規定の準用)


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