民法第824条
条文
編集(財産の管理及び代表)
- 第824条
- 親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。
解説
編集親権のうち、子の財産管理権及び代表権(法定代理権)について規定している。戦後の民法改正においても、明治民法と同趣旨の規定(旧・民法第884条)が受け継がれている。
参照条文
編集判例
編集- 根抵当権等抹消登記手続(最高裁判決 平成4年12月10日)民法第93条
- 親権者の代理権濫用の行為と民法93条ただし書
- 親権者が子を代理する権限を濫用して法律行為をした場合において、その行為の相手方が権限濫用の事実を知り又は知り得べかりしときは、民法第93条ただし書の規定の類推適用により、その行為の効果は子には及ばない。
- 最判昭和42年04月20日を踏まえるが、2017年改正民法により民法第107条に明定された。
- 親権者が子を代理する権限を濫用して法律行為をした場合において、その行為の相手方が権限濫用の事実を知り又は知り得べかりしときは、民法第93条ただし書の規定の類推適用により、その行為の効果は子には及ばない。
- 親権者において子を代理してその所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為と代理権の濫用
- (上記判例に関わらず)親権者が子を代理してその所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は、親権者に子を代理する権限を授与した法の趣旨に著しく反すると認められる特段の事情が存しない限り、代理権の濫用には当たらない。
- 親権者が子を代理して子の所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は、利益相反行為に当たらないものであるから、それが子の利益を無視して自己又は第三者の利益を図ることのみを目的としてされるなど、親権者に子を代理する権限を授与した法の趣旨に著しく反すると認められる特段の事情が存しない限り、親権者による代理権の濫用に当たると解することはできないものというべきである。
- (上記判例に関わらず)親権者が子を代理してその所有する不動産を第三者の債務の担保に供する行為は、親権者に子を代理する権限を授与した法の趣旨に著しく反すると認められる特段の事情が存しない限り、代理権の濫用には当たらない。
- 親権者の代理権濫用の行為と民法93条ただし書
参考
編集明治民法において、本条には以下の規定があった。趣旨は、民法第776条に継承された。
- 夫カ子ノ出生後ニ於テ其嫡出ナルコトヲ承認シタルトキハ其否認権ヲ失フ
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