法学コンメンタールコンメンタール警察官職務執行法

条文 編集

(武器の使用)

第7条
  1. 警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、刑法(明治40年法律第45号)第36条 (正当防衛)若しくは同法第37条 (緊急避難)に該当する場合又は左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。
    1. 死刑又は無期若しくは長期3年以上の拘禁刑にあたる兇悪な罪を現に犯し、若しくは既に犯したと疑うに足りる充分な理由のある者がその者に対する警察官の職務の執行に対して抵抗し、若しくは逃亡しようとするとき又は第三者がその者を逃がそうとして警察官に抵抗するとき、これを防ぎ、又は逮捕するために他に手段がないと警察官において信ずるに足りる相当な理由のある場合。
    2. 逮捕状により逮捕する際又は勾引状若しくは勾留状を執行する際その本人がその者に対する警察官の職務の執行に対して抵抗し、若しくは逃亡しようとするとき又は第三者がその者を逃がそうとして警察官に抵抗するとき、これを防ぎ、又は逮捕するために他に手段がないと警察官において信ずるに足りる相当な理由のある場合。

改正経緯 編集

2022年、以下のとおり改正(施行日2025年6月1日)。

(改正前)懲役若しくは禁こ
(改正後)拘禁刑

解説 編集

参照条文 編集

判例 編集

  1. 特別公務員暴行陵虐致死被告事件(最高裁決定平成11年2月17日)刑法第196条
    警察官によるけん銃の発砲が違法とされた事例
    警察官である被告人の銃砲刀剣類所持等取締法違反及び公務執行妨害の犯人に対する二回にわたる発砲行為は、右犯人を逮捕し、自己を防護するために行われたものではあるが、犯人の所持していたナイフが比較的小型である上、犯人の抵抗の態様も一貫して被告人の接近を阻もうとするにとどまり、被告人が接近しない限りは積極的加害行為に出たり、付近住民に危害を加えるなど他の犯罪行為に出ることをうかがわせるような客観的状況が全くなかったと認められるなど判示の事実関係の下においては、警察官職務執行法7条に定める「必要であると認める相当な理由のある場合」に当たらず、かつ、「その事態に応じ合理的に必要と判断される限度」を逸脱したものであって、違法である。

前条:
第6条
(立入)
警察官職務執行法
次条:
第8条
(他の法令による職権職務)
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