高等学校世界史探究/資料出所・読書案内

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 参考文献(資料出所)は、ほとんどの教科書に掲載されていません。そのため、参考文献のない本は、その性質上、あまり信用出来ません。推測ですが、短文なはずの検定教科書で相当長くなる見込みの参考文献・読書案内は省略されていると思われます。歴史の入門書では、10ページ近くある本も珍しくありません。もう一つの理由は、教科書に載っている内容は通説なので、ほとんど論議にならないからでしょう。これは、資料集などの参考文献にあたる部分を書き加えて補っているといえるでしょう。

高校「世界史探究」から歴史学へ 編集

 ここで『世界史探究』の教科書から参考文献を挙げた理由は、次の通りです。

  1. 信頼性が高まるからです。オンライン文献、特にウィキ形式は誰でも変更出来るので、その信頼性をよく疑われます。文献の種類も信頼性の高さに大きく影響します。そこで、参考文献を紹介します。
  2. 「世界史探究」では、教科書に書いてある内容よりも一歩踏み込んだ内容が問われるからです。
  3. 大学生が歴史学について学ぶ内容の穴を少しでも埋めなければならないからです。高校の歴史の授業や一般向けの歴史に関する雑誌や書籍は、大学生の歴史学と違います。したがって、高校時代に得意科目だった人が大学の歴史学科に入ると、途方に暮れて希望を失ってしまいます。しかし、このような現象は珍しくありません。私(編集者K)も大学生の頃、歴史学科に所属していました。その講義内容は、英文や古文書で書いた歴史資料・本を翻訳する講義・歴史に関する新書をレポートにまとめるのが大半を占めていました。何が言いたいのかといえば、大学生の歴史学は暗記する講義ではありません。 

 また、一部の参考文献にコメントも付けます。学習者の参考になると幸いです。

歴史学を学ぶ 編集

  • エドワード・ハレット・カー著(清水幾太郎訳)『歴史とは何か』岩波新書、1962年
大学で歴史学を学ぶ人なら、一度は読むテキストでしょう。歴史学とは何か、何をするのかが語られています。高校生には難しいかもしれませんが、歴史に興味がある人だけでなく、どなたでも読んでみて下さい。
  • 小田中直紀著『歴史学のトリセツ ――歴史の見方が変わるとき』ちくまプリマー新書 2022年
こちらの本は、高校生の方にもお勧めします。また、「歴史とは何か」を読むための予習にもなります。歴史学とは何か、どんな学問なのか、高校生にも分かりやすく書かれています。学校の歴史が苦手な人はぜひ読んでみてください。「歴史はつまらない」「歴史はどうでもいい」という意見が変わるかもしれません。
大分岐、世界システム論、生態史観、グローバルヒストリーについてが書かれています。

世界史探究の資料出所 編集

 再掲しますが、世界史探究のページは、以下の教科書と参考書を組み合わせて執筆しました。

読書案内 編集

通史 編集

  • 『世界の歴史』全30巻(中公文庫) 中央公論新社 2008-2010
  • 『興亡の世界史』全21巻(講談社学術文庫) 講談社 2016-2019
  • 『新版世界各国史』全28巻 山川出版社 1998-2009
  • 『世界歴史大系』(イギリス史・アメリカ史・ロシア史・フランス史・ドイツ史・中国史・スペイン史・南アジア史・朝鮮史・タイ史・イタリア史) 山川出版社 1990-2021
  • 『中国の歴史』全12巻 講談社 2004-2005
  • 『中国と東部ユーラシアの歴史』佐川英治・杉山清彦放送大学教育振興会 2020
  • 『岩波講座東南アジア史』全10巻 岩波書店 2001-2003
  • 『ヨーロッパ史入門』全17巻 岩波書店 2004-2009
  • 『ドイツ史10講』坂井榮八郎(岩波新書) 岩波書店 2003
  • 『フランス史10講』柴田三千雄(岩波新書) 岩波書店 2006
  • 『イギリス史10講』近藤和彦(岩波新書) 岩波書店 2013
  • 『新しく学ぶ西洋の歴史-アジアから考える』南塚信吾・秋田茂・高澤紀恵責任編集 ミネルヴァ書房2016
  • 『世界史20講一史料から考える』歴史学研究会編 岩波書店 2014
  • 『市民のための世界史』大阪大学歴史教育研究会編 大阪大学出版会 2014
  • 『歴史を読み替えるージェンダーから見た世界史』三成美保・姫岡とし子・小浜正子編 大月書店 2014
  • 『アメリカ史研究入門』(他にイギリス史・フランス史・ドイツ史・中国史・中央ユーラシア史)山川出版社 1991-2018
  • 『世界史史料』全12巻 歴史学研究会編 岩波書店 2006-2013