Wikijunior:太陽系/エッジワース・カイパーベルト
エッジワース・カイパーベルト(以下、ベルト)は冥王星のまわりにある氷の小天体が多くあつまっているところです。略(りゃく)してEKBOともいいます。ここにある天体は太陽系が誕生(たんじょう)したころに惑星になれなかった微惑星(びわくせい)の残りと考えられています。 ベルトは海王星の軌道より外側にあり、太陽より30km以上離れて広がっています。ベルト自体はそれぞれ異なった大きさの氷状の混合物の塊です。その中でも大きいものは小惑星や準惑星に位置づけられます。また、ベルトの星々には初期の木星から飛び出した物質も含まれています。ベルトは海王星以遠の小惑星帯について仮説を提唱した天文学者の一人であるジェラルド・カイパーにちなんで名付けられました。
何でできているの?
編集ベルトの各星々は土や氷、有機化合物(ゆうきかごうぶつ)などの混合物(こんごうぶつ)が凍ったもので、水星にとてもよく似ています。その内のいくつかは赤みがかっていたり、灰色であったりしています。
大きさはどのくらい?
編集専門家は、冥王星が、直径が2390kmの準惑星(じゅんわくせい)である冥王星(めいおうせい)が、ベルトの中で最大の星だと考えています。2番目に大きいのはOrcusで直径が約1600km、冥王星の50%から70%くらいの大きさです。
最近になって、専門家たちは冥王星よりもやや大きい準惑星を見つけ、エリスと名づけました。正確な大きさはわかってはいませんが、冥王星より2割ほど大きいと考えられています。発見された場所は太陽から地球までの距離のおよそ100倍以上離れていています。また、ディスノミアという衛星があります。冥王星の軌道が地球と比べて17度ほど傾いているのに対し、エリスは45度も傾いています。
その他のベルト内にある直径が1000km以上の星は、冥王星の衛星イクシオン、クワオアー,カロン,ヴァルナ、1996 TL66, 2002 TX300, 2002 TC302, 2002 UX25 and 2002 AW197.ケレス,で、最大の少遊星は直径が約950kmです。
他にも多くの星々が数kmから数十kmにわたって広がっています。
どのくらいの星々があるの?
編集天文学者達によって1000個以上確認されていますが、専門家は70000個以上あると考えています。多くは地球の質量の25分の1から30分の1ほどの大きさですが、幾つかは地球と同じくらいの大きさもあります。
ベルトは誰にちなんで名付けられたの?
編集1992年にマウナケア天文台群で初めてベルト内にある冥王星やその衛星であるカロンが発見された際に、1951年当時に証拠はないもののベルトが存在すると提唱したジェラルド・カイパーにちなんで名付けられました。他にも天文学者の中にFrederick Leonard, ケネス・エッジワース,Julio Fernandezがベルトの存在を信じていたことから、エッジワース・カイパーベルトと呼ばれることもあります。
ベルト内の星々は誰にちなんで名付けられたの?
編集宇宙でベルトの星々の存在が確認されてから、仮符号という一時的な命名法が作られました。始めに発見時の年を、次に発見時の月とアルファベット順が登録されます。そして後に、主に神話由来の正式名称が登録されます。
ベルトの星々であるオルクス,カロン,ヴァルナはいずれも神話の神の名で、イクシオンは神話の人、クワオアーはアメリカ先住民Tongvaの神の被造物にちなんで名付けられました。