条文

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第5条
  1. 法務大臣は、次の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
    1. 引き続き5年以上日本に住所を有すること。
    2. 20歳以上で本国法によつて行為能力を有すること。
    3. 素行が善良であること。
    4. 自己又は生計を一にする配偶者その他の親族の資産又は技能によつて生計を営むことができること。
    5. 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。
    6. 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。
  2. 法務大臣は、外国人がその意思にかかわらずその国籍を失うことができない場合において、日本国民との親族関係又は境遇につき特別の事情があると認めるときは、その者が前項第5号に掲げる条件を備えないときでも、帰化を許可することができる。
(昭和27年7月31日法律第268号改正[1]、昭和59年5月25日法律第45号旧第4条繰下・改正[2]、平成16年12月1日法律第147号改正[3]

改正前

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昭和25年5月4日法律第147号

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第4条
法務総裁は、左の条件を備える外国人でなければ、その帰化を許可することができない。
  1. 引き続き5年以上日本に住所を有すること。
  2. 20歳以上で本国法によつて能力を有すること。
  3. 素行が善良であること。
  4. 独立の生計を営むに足りる資産又は技能があること。
  5. 国籍を有せず、又は日本の国籍の取得によつてその国籍を失うべきこと。
  6. 日本国憲法施行の日以後において、日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを企て、若しくは主張し、又はこれを企て、若しくは主張する政党その他の団体を結成し、若しくはこれに加入したことがないこと。

旧国籍法(明治32年3月15日法律第66号)

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第7条
外国人ハ内務大臣ノ許可ヲ得テ帰化ヲ為スコトヲ得
内務大臣ハ左ノ条件ヲ具備スル者ニ非サレハ其帰化ヲ許可スルコトヲ得ス
  1. 引続キ5年以上日本ニ住所ヲ有スルコト
  2. 満20年以上ニシテ本国法ニ依リ能力ヲ有スルコト
  3. 品行端正ナルコト
  4. 独立ノ生計ヲ営ムニ足ルヘキ資産又ハ技能アルコト
  5. 国籍ヲ有セス又ハ日本ノ国籍ノ取得ニ因リテ其国籍ヲ失フヘキコト

解説

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本条は、一般的な外国人に対して法務大臣が帰化の許可を与える条件を規定している。帰化の許可については、法律上の条件があれば当然に帰化をする権利を認める「権利帰化」と、帰化の条件を備えても帰化の許否は国家の裁量に委ねられる「裁量帰化」の2つの類型があり、日本は後者の「裁量帰化」のみを採用している。したがって、本条の条件を全て満たしたとしても、それは「日本に帰化するための最低限の条件[4]」に過ぎず、必ず帰化が許可されるとは限らない。

本条が規定する条件は、(1)居住条件、(2)能力条件、(3)素行条件、(4)生計条件、(5)重国籍防止条件、(6)憲法遵守条件、の6つの条件である。重国籍防止条件については、第2項に例外規定が設置されている。すなわち、外国人が現時点で所属する国の法律の規定によって本人の意思によってその国の国籍を喪失することができない場合において、配偶者や子などの親族が日本国民であることにより日本と密接な関係であること、難民の受け入れなど人道上の配慮を要する境遇であることなど、特別の事情があるときは、重国籍防止条件を備えていなくても帰化が許可される場合がある。

参照条文

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脚注

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  1. ^ 法律第二百六十八号(昭二七・七・三一)”. 衆議院. 2021年10月30日閲覧。
  2. ^ 法律第四十五号(昭五九・五・二五)”. 衆議院. 2021年10月30日閲覧。
  3. ^ 法律第百四十七号(平一六・一二・一)”. 衆議院. 2021年10月30日閲覧。
  4. ^ 国籍Q&A:Q9:帰化の条件には,どのようなものがありますか?”. 法務省. 2021年10月30日閲覧。

参考文献

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  • 木棚照一 『逐条国籍法 ―課題の解明と条文の解説―』 日本加除出版、2021年4月6日ISBN 9784817847171
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前条:
国籍法第4条
(帰化)
国籍法
次条:
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